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【勇者が仲間になりたそうにこちらを見ている】
【第三章】 序章
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「じゃ、行ってくるから」
約束した集合時間まで十分程になった。
みのりと交代で戻って来た母さん一声掛けるため、敢えて店内を通りセミリアさんと二人で厨房を覗き込む。
「あらあら、さっそくデート? みのりちゃん怒るわよ~」
どういう勘違いをしているのか、器具の整理をしていた母さんは手を止めニヤニヤとからかうような口調で僕とセミリアさんを交互に見た。
鷹揚といえば聞こえはいいが、基本的にのんびりした性格なので昨夜体面した時から風体や髪の色に言及することはついぞないままである。
「デートじゃないし。何ならみのりも一緒だし」
「なーんだ、つまんないの。何時に帰るの? 晩ご飯は?」
「ん~、何時になるかはわからないから今日はいいや」
「そ、じゃあ気を付けていってらっしゃい。修羅場にならないようにね、ププッ」
「何がおかしいんだっての。もう放っておいて行こう、セミリアさん」
「ああ。何から何まで世話になった、この恩は決して忘れぬ」
言ってセミリアさんは深く頭を下げた。
余程目上の人間に対する敬意を大事にしているのか昨日からずっとこんな口調だ。
「あら、いーのよ。またいつでもいらっしゃいね、セミリアちゃん」
「恩に着る。では失礼」
頭を上げるとセミリアさんは先に歩いていった。
裏口から出ない以上店内を通らないと外に出ることが出来ない造りになっているこの家。
セミリアさんは当然の様に店にいるお客さんの視線を一点に集めている。
銀色の髪にあの風貌だ。日本の、いや、世界中どこにいたってそうなるだろう。
それでも本人は嫌な顔をするでもなく凛とした表情を崩すことなくそのまま店を出て行った。
「ねえ、康平」
扉の向こうに消えていく後ろ姿を見送り、入り口が閉まると同時に母さんが僕の名前を呼ぶ。
どこか不思議そうな表情だ。
「なに?」
「結局のところあの娘どこから来たの?」
「グランなんとかっていう国だって言ってたけど」
「ウランバートル?」
「いやそれ国じゃないし。大体アジア系じゃないと思うけど、顔立ちとか見た感じ」
「どっちにしろ日本に住んでるんでしょ? ずっとあの格好なのかしら」
「さあ……僕に聞かれても」
「ちょっと固そうだけど美人だし良い子じゃない。あんな子がお嫁に来てくれたら母さん嬉しいわー、頑張るのよ康平」
一転、またからかう様な笑顔で強めに僕の背中を叩く母だった。
「何を頑張るんだよ、もう行くからね」
「はいはい、いってらっしゃい」
どこか楽しそうな母さんに見送られて僕も店を出る。
といっても店をでたからといってどこへ向かうわけでもなく、さすがにこの時間は客がいるからという理由で集合場所を店の中から外へと変えたってだけの話なんだけど。
西日が降り注ぐ店前の通りはポカポカと暖かく、夕焼けが眩しく辺りを照らしている。
遅れて外に出ると少し離れた位置で既に来ていたみのりとセミリアさんが話をしていた。
「康ちゃん」
僕が出て来たことに気が付いたみのりがすぐに寄ってくる。
特に荷物などはなく、僕と同じく普通の格好だ。
「みのり、早いね」
「そうでもないよ? もう五分前だもん」
「それもそっか」
腕に着けた時計に目を落とすと、確かに六時までは五分を切っている。
ちなみに準備の為にと与えられたこの数時間で僕が用意したのはこの腕時計だけだ。
あとは昼間と何も変わってはいない。そもそも何を用意すればいいのかも分からないし。
「コウヘイ、それもトケイとやらなのか?」
隣に居るセミリアさんは僕の腕に顔を近づけ、興味深そうに腕時計を眺めている。
そんな姿に、やっぱり少なからず引っ掛かりを覚えた。
「そうですよ?」
「店の中にあったものと同じものなのか?」
「ええ、あれを小さくして身に付けられるようにしたものですけど……」
「ほう、こちらの世界には色々と優れた道具があるものだな」
セミリアさんは心底感嘆した様子だ。
昨日会ったばかりの頃はキャラ作りのために言っているものだとばかり思っていたのだが、一晩同じ家にいるうちにどうやらそうではないらしいことが分かった。
何かするごとに『これはなんだ』『あれはなんだ』と聞いてくるセミリアさんは僕が説明する度に驚き、物珍しがり、時には感動するのだ。
とはいえ箸の使い方を知らないなんて程度ならよくある話なのだろうが、いくら文化の違いがあるからといって時計を知らないなんてことがあるだろうか。
昨日今日日本に来たというわけでもないだろうに。
「あの、セミリアさん」
「ん? なんだ?」
「セミリアさんの……」
国ってどんなところなんですか?
そう問い掛けようとしたちょうどその時、僕の声は別の大きな声によって遮られた。
自然と声のする方に目をやると春乃さんが手を振りながらこちらに歩いてくる。
「おっまたせー!」
「ハルノ」
「ごめんごめん、ちょっと友達とばったり会っちゃってね。お、みのりんその服可愛いね」
「え、そうですか? えへへ、ありがとうございます」
と、みのりはまんざらでもない様子だ。
春乃さんは昼間と同じくギターケースを背中に負っていたが、やはりそれ以外では特に何かを用意して来たというわけでもなさそうに思える。
唯一見た目に変わっていると判断出来るのは服装ぐらいだろうか。
昼間はスカートを履いていたが今は膝下ぐらいまであるジーンズになっている。彼女なりに動きやすい格好をしてきたということなのだろう。
「あとはカンタダだけだな」
「え~、あのおっさん来てないの? もう放って行ってもいいんじゃない?」
「そう言うなハルノ。我々は運命に導かれし仲間ではないか」
「セミリアは寛容過ぎだよ。見るからに輪を乱す感じじゃん、あのおっさんだけはさ。そう思うでしょ? みのりん、康平」
「あ、あはは……確かにちょと変わった人かもですけど放って行くまでしなくても」
急に振られたみのりは誤魔化す様な苦笑いを浮かべる。
まあ、確かに最年長者であると思われる割に協調性を含め色々と問題がありそうな人物だと感じてしまうのも無理はない。春乃さんの場合は純粋に相性も悪そうだし。
「せっかく来てくれたわけですし、もう少し待ってみましょうよ」
「あんた達もお人好しねー」
二人して気を遣ってフォローしてみたせいか春乃さんやれやれといった感じで首を振った。
本音を言えば春乃さんの言い分にも大いに同意出来るところではあるが、高瀬さん自身あれだけやる気満々だっただけに放って行くのはさすがに可哀想だ。
そうして待つこと五分ぐらいだろうか。
春乃さんの高瀬さんに対する不満や愚痴が三週目に突入して間もなく、ようやく最後の一人が通りの向こうから姿を現した。
「待たせたなマイフレンズたちー」
少し向こうから大きな声で手を上げる高瀬さんにすぐさま春乃さんが食って掛かる。
「おっそいわよ! 何時間待たせるわけ!? っていうか遅れてんだから急ぐ素振りぐらい見せなさいよ、何のこのこ歩いて来てんの!?」
「安心しろ、ヒーローは遅れて登場するもんだ」
「何を安心すんのよ、あんたの変わらない気持ち悪いおっさん具合に? 変わらないどころか一層増してんじゃない!」
「誰がおっさんだぁぁ!」
出合い頭から元気な二人だなぁ。
とか言ってる場合ではないので案の定始まった口論に僕が高瀬さんを、セミリアさんとみのりが春乃さんをそれぞれ宥めに掛かる。
しかし春乃さんの指摘と不満は留まることを知らない。
「大体何なのよそれ」
遠慮がちに腕を掴むみのりに止められながらも、春乃さんは高瀬さんの胸の辺りを指差した。
高瀬さんの格好も昼間とは違っていて、変なジャージーではなくチェックの変なシャツを着ており、しっかりとズボンの中に収まっている。
そして唯一荷物らしい荷物として背中には大きめのリュックを背負っていた。
「ふふん、この中には武器その他冒険には欠かせないアイテムがたっぷりと……」
「そうじゃなくて、その胸のやつのことを言ってんの」
自慢気に答える高瀬さんの言葉を遮ると、皆が一斉に春乃さんの言う胸のやつに視線が集めた。
その指の差す先、高瀬さんが着ているシャツの胸に付いたポケットには何のキャラクターなのか水色の頭髪を持つフィギュアらしき物が覗いている。
僕も、おそらくみのりも敢えてふれなかったのだろうが、春乃さんは言わずにはいられなかったようだ。
「無知な奴め。魔女っ娘ルミたんを知らんのか」
「知るわけないじゃないそんなの。気持ち悪」
「おいおい、口を慎んだ方が身の為だぞ。ルミたんに向かって気持ち悪いなどとふざけた口を……」
「いやいやいや、ルミたんじゃなくてあんたが気持ち悪いから。ていうかそんなの置いていきなさいよ、一緒に居るこっちが恥ずかしいじゃない」
ごもっともな台詞に軽蔑的な眼差しを添え、春乃さんはそのフィギュアに手を伸ばした
しかし、ペチンとその手は高瀬さんによってははたき落とされてしまう。
「……何すんのよ」
決して強くはたいたわけではなかったが、急に真剣な表情に変わった高瀬さんに春乃さんも少したじろいでいる。
続いた言葉は全員を黙らせるには十分な最悪さだった。
「俺の嫁に手を出すんじゃねえ」
高瀬さんは表情一つ変えていない。
ふざけて言っているのではない、とその目が言外に告げている。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
この場にいる全員が言葉を失い、沈黙の間が蔓延していく。セミリアさんですらそれは同じだった。
静寂の中で丁度頭上のカラスが鳴き、一層虚しい空気がその場を包む中、一瞬放心していた春乃さんはゆっくりと振り返り、声を大にして叫んだ。
「みんな聞いてっ! コイツ気持ち悪いおっさんじゃなかったの! 逆だったのよ! おっさんが気持ち悪くなってるんじゃなくて、気持ち悪いという概念そのものがおっさんってたのよ!」
なるほど言い得て妙だ、と僕は思った。
当然の如く『おっさん』というワードに敏感な高瀬さんは即座に憤慨する。
「おっさんってたってなんだぁ! もはや人ですらないじゃないかよ!」
「そーよ! あんたが人だったら自分が可哀想になるわっ」
「どういう意味だそれぇ!」
「いい加減にせんか!!」
再び口論が始まろうとする最中、セミリアさんのより大きな声が二人の言葉を遮った。
あまりの剣幕に僕以外の当人達に何故かみのちを加えた三人の肩がビクッと反応する。
「ハルノ、カンタダ、よく聞け。今日会ったばかりであることを理解している以上は無理に仲良くしろとは言わん、だがいつまでもそうやって輪を乱そうというのならここに残ってもらうことになる。仲間同士で争っているようでは連れてはいけぬぞ」
「そうは言うが勇者たんよ、吹っ掛けてくるのはこの女だぜ? そんな奴を仲間として認めろと言われても難しいとは思わないか?」
やや萎縮しながらも高瀬さんは不満げだ。
「あたしも、こいつを人間だと認めるのは難しいわね」
拗ねた様に唇を尖らせる春乃さんが続くと、セミリアさんは鋭い目で二人を睨め付けた。
さすがに二人もバツが悪いのか微妙に目を逸らすだけでそれ以上は言わない。
ちなみにみのりは怯えて僕の後ろに隠れているんだけど、何やってんの君。
「よいか、確かに私たちは急造のパーティーだ。すぐにチームワークを求めるのは難しいかもしれん。だが親交を温めている暇などないのだ。こうしている間に苦しんでいる人がいるかもしれない、救える命があるかもしれない。二人も、そしてコウヘイもミノリも、理由は違えど私に力を貸してくれると言ってくれたではないか。その思いやりを少しでもいい、仲間へと、救いを必要としている者へと向けてはくれまいか」
半ばからは悲痛な思いの混じった声音と表情で訴えるセミリアさんに二人も口を結んだまま視線を落とし、やがて申し訳なさそうに口を開いた。
「ごめんねセミリア、それから康平とみのりも。あたしももうちょっと自重するよ」
「俺も……ついカッとなった。反省はしている」
「分かってくれればよい。さあ、大分時間もロスした。そろそろ行くとしよう、私のいた世界へ」
二人の肩に手を置くセミリアさんの顔は打って変わってとても優しいものだった。
どうなることかと心配したけど二人も反省しているみたいだし、今日一日共に行動しようというのだからこれでよかったのだろう。
それはさておき、その言葉に今更過ぎる疑問が一つ。
「具体的にはどこに行くんですか?」
いざ出発、というタイミングなのに目的地も知らないままというのはいささか不安なので慌てて確認してみる。
しかし、返ってきた答えは何とも想像とは違っていた。
「最初から言っている通り、私が元いた世界だ」
「それは分かってるんですけど、それは地名でいうところのどこにあたるんですか? そもそもどうやって行くんです? 電車?」
「魔法そのものが存在しないこの世界の住人であるコウヘイたちには口で説明するよりも実際にやってみた方が早いだろう」
そう言ってセミリアさんは右の手で僕の手を、左手でみのりの手を握った。
いくら今のやり取りの後とはいえ仲良く手を繋いで行こうというわけではあるまい。であればこそ意図はさっぱりである。
「やってみるって、何をやるんです? というかなぜ手を繋ぐんですか?」
「言う通りにしてくれれば分かるさ。さあ、ハルノとカンタダも同じ様にして輪になってくれ」
「え? あたし達も?」
二人も何を始めようとしているのか理解が出来ず、不思議そうにしながら輪に加わる。
そうして春乃さんがみのりの手を、高瀬さんが僕とそれぞれ手を繋ぎ、最後に二人は目を合わせたまま少し間を置いたのちに渋々手を繋いだ。
こうして五人が手と手を取り合い円形に繋がる。
セミリアさん以外はそうすることの意味が分からず例外なくきょとんとしてしまっていた。
何かコスプレ趣味な人にとっての儀式的なものなのだろうか。そうでなければセミリアさんの国の習慣かもしれない。
というか天下の往来で何をやってるんだろう、僕。これじゃあ宇宙人でも呼び出そうとしている集団だよ。
「では行くとしよう。最初は慣れないかもしれんが落ち着いていればどうということはない。ただ一つだけ肝に銘じて欲しい、何があっても手は離してはならない。万が一次元の狭間に取り残されようものなら助けるに助けられんからな」
真剣な面持ちのセミリアさんのそんな言葉に反応する人はいなかった。
四人が四人ともお互いに顔を見合わせ『どういう意味?』『……さあ』みたいなアイコンタクトを交互に取り合っていた。
「では出発だ。アイルーン!」
首を傾げる僕たちもお構いなしにセミリアさんは繋いだ手に力を込め、よくわからない言葉を口にする。
その刹那、視界が歪んだ。
「……え?」
突如自分を襲った不可解な事象に思わず声を上げ、慌てて四方八方に視線を走らせた。
今この場で何が起こっているのか、何が起こればこんなことになるのか、目に映るもの全てがゆっくりと、だが確実に形を失っていく。
困惑している間も収まることはなく、もはや目の前にあった我が家はその面影も見当たらず僕の視界にはぐにゃぐにゃと歪曲した風景のみが四方に広がっていった。
「ふえぇぇ!?」
「なになになに!? どうなってんのこれ!」
「ナンジャコリャアァァァ!」
既にその姿が原型を失いつつある他の三人も同様らしく次々に戸惑いと不安の混じった声が聞こえてきた。
続いて響いたセミリアさんの声が唯一取り乱そうとする心を繋ぎとめていると言ってもいいぐらいに意味不明である。
「もう少しの辛抱だ! 手を離してはならんぞ!」
右も左も繋いだままの手に伝わる力が増していく。
隣から聞こえているはずの声は、そうとは思えないほど遠くに感じられた。
「ほんと、何がどうなってるんだ……これ」
改めて辺りを見回してみる。
小さい頃から感情の起伏が小さく、慌てたり怖がったりということはほとんど無かった僕だけど、今度ばかりはそうもいかず、絶えず聞こえてくる三人の絶叫をBGMにただ混乱しながらセミリアさんの言う『もう少し』をひたすらに待つことしか出来なかった。
そうこうしている間に少しずつ視界の歪曲は緩やかに変わっていき、徐々に輪になった皆の姿が形を取り戻していく。
やがてセミリアさん、みのり、春乃さん、高瀬さんと全員をはっきりと確認出来るまでに視界は元に戻り、その背後に広がる風景も歪みなくこの目に映るようになった。
時間にすれば一分もなかっただろうけど、それでもようやく理解不能な現象から解放され全てが元通りになったらしい。
唯一、ある一点を除いては。
「え…………どこ……ここ?」
目の前に広がるのは辺りを埋め尽くす緑一色の景色。
それはすなわち、今ここに居る僕が立っているのは先程まで僕達が手を繋いでいた喫茶ピープル前の通りではなかった。
約束した集合時間まで十分程になった。
みのりと交代で戻って来た母さん一声掛けるため、敢えて店内を通りセミリアさんと二人で厨房を覗き込む。
「あらあら、さっそくデート? みのりちゃん怒るわよ~」
どういう勘違いをしているのか、器具の整理をしていた母さんは手を止めニヤニヤとからかうような口調で僕とセミリアさんを交互に見た。
鷹揚といえば聞こえはいいが、基本的にのんびりした性格なので昨夜体面した時から風体や髪の色に言及することはついぞないままである。
「デートじゃないし。何ならみのりも一緒だし」
「なーんだ、つまんないの。何時に帰るの? 晩ご飯は?」
「ん~、何時になるかはわからないから今日はいいや」
「そ、じゃあ気を付けていってらっしゃい。修羅場にならないようにね、ププッ」
「何がおかしいんだっての。もう放っておいて行こう、セミリアさん」
「ああ。何から何まで世話になった、この恩は決して忘れぬ」
言ってセミリアさんは深く頭を下げた。
余程目上の人間に対する敬意を大事にしているのか昨日からずっとこんな口調だ。
「あら、いーのよ。またいつでもいらっしゃいね、セミリアちゃん」
「恩に着る。では失礼」
頭を上げるとセミリアさんは先に歩いていった。
裏口から出ない以上店内を通らないと外に出ることが出来ない造りになっているこの家。
セミリアさんは当然の様に店にいるお客さんの視線を一点に集めている。
銀色の髪にあの風貌だ。日本の、いや、世界中どこにいたってそうなるだろう。
それでも本人は嫌な顔をするでもなく凛とした表情を崩すことなくそのまま店を出て行った。
「ねえ、康平」
扉の向こうに消えていく後ろ姿を見送り、入り口が閉まると同時に母さんが僕の名前を呼ぶ。
どこか不思議そうな表情だ。
「なに?」
「結局のところあの娘どこから来たの?」
「グランなんとかっていう国だって言ってたけど」
「ウランバートル?」
「いやそれ国じゃないし。大体アジア系じゃないと思うけど、顔立ちとか見た感じ」
「どっちにしろ日本に住んでるんでしょ? ずっとあの格好なのかしら」
「さあ……僕に聞かれても」
「ちょっと固そうだけど美人だし良い子じゃない。あんな子がお嫁に来てくれたら母さん嬉しいわー、頑張るのよ康平」
一転、またからかう様な笑顔で強めに僕の背中を叩く母だった。
「何を頑張るんだよ、もう行くからね」
「はいはい、いってらっしゃい」
どこか楽しそうな母さんに見送られて僕も店を出る。
といっても店をでたからといってどこへ向かうわけでもなく、さすがにこの時間は客がいるからという理由で集合場所を店の中から外へと変えたってだけの話なんだけど。
西日が降り注ぐ店前の通りはポカポカと暖かく、夕焼けが眩しく辺りを照らしている。
遅れて外に出ると少し離れた位置で既に来ていたみのりとセミリアさんが話をしていた。
「康ちゃん」
僕が出て来たことに気が付いたみのりがすぐに寄ってくる。
特に荷物などはなく、僕と同じく普通の格好だ。
「みのり、早いね」
「そうでもないよ? もう五分前だもん」
「それもそっか」
腕に着けた時計に目を落とすと、確かに六時までは五分を切っている。
ちなみに準備の為にと与えられたこの数時間で僕が用意したのはこの腕時計だけだ。
あとは昼間と何も変わってはいない。そもそも何を用意すればいいのかも分からないし。
「コウヘイ、それもトケイとやらなのか?」
隣に居るセミリアさんは僕の腕に顔を近づけ、興味深そうに腕時計を眺めている。
そんな姿に、やっぱり少なからず引っ掛かりを覚えた。
「そうですよ?」
「店の中にあったものと同じものなのか?」
「ええ、あれを小さくして身に付けられるようにしたものですけど……」
「ほう、こちらの世界には色々と優れた道具があるものだな」
セミリアさんは心底感嘆した様子だ。
昨日会ったばかりの頃はキャラ作りのために言っているものだとばかり思っていたのだが、一晩同じ家にいるうちにどうやらそうではないらしいことが分かった。
何かするごとに『これはなんだ』『あれはなんだ』と聞いてくるセミリアさんは僕が説明する度に驚き、物珍しがり、時には感動するのだ。
とはいえ箸の使い方を知らないなんて程度ならよくある話なのだろうが、いくら文化の違いがあるからといって時計を知らないなんてことがあるだろうか。
昨日今日日本に来たというわけでもないだろうに。
「あの、セミリアさん」
「ん? なんだ?」
「セミリアさんの……」
国ってどんなところなんですか?
そう問い掛けようとしたちょうどその時、僕の声は別の大きな声によって遮られた。
自然と声のする方に目をやると春乃さんが手を振りながらこちらに歩いてくる。
「おっまたせー!」
「ハルノ」
「ごめんごめん、ちょっと友達とばったり会っちゃってね。お、みのりんその服可愛いね」
「え、そうですか? えへへ、ありがとうございます」
と、みのりはまんざらでもない様子だ。
春乃さんは昼間と同じくギターケースを背中に負っていたが、やはりそれ以外では特に何かを用意して来たというわけでもなさそうに思える。
唯一見た目に変わっていると判断出来るのは服装ぐらいだろうか。
昼間はスカートを履いていたが今は膝下ぐらいまであるジーンズになっている。彼女なりに動きやすい格好をしてきたということなのだろう。
「あとはカンタダだけだな」
「え~、あのおっさん来てないの? もう放って行ってもいいんじゃない?」
「そう言うなハルノ。我々は運命に導かれし仲間ではないか」
「セミリアは寛容過ぎだよ。見るからに輪を乱す感じじゃん、あのおっさんだけはさ。そう思うでしょ? みのりん、康平」
「あ、あはは……確かにちょと変わった人かもですけど放って行くまでしなくても」
急に振られたみのりは誤魔化す様な苦笑いを浮かべる。
まあ、確かに最年長者であると思われる割に協調性を含め色々と問題がありそうな人物だと感じてしまうのも無理はない。春乃さんの場合は純粋に相性も悪そうだし。
「せっかく来てくれたわけですし、もう少し待ってみましょうよ」
「あんた達もお人好しねー」
二人して気を遣ってフォローしてみたせいか春乃さんやれやれといった感じで首を振った。
本音を言えば春乃さんの言い分にも大いに同意出来るところではあるが、高瀬さん自身あれだけやる気満々だっただけに放って行くのはさすがに可哀想だ。
そうして待つこと五分ぐらいだろうか。
春乃さんの高瀬さんに対する不満や愚痴が三週目に突入して間もなく、ようやく最後の一人が通りの向こうから姿を現した。
「待たせたなマイフレンズたちー」
少し向こうから大きな声で手を上げる高瀬さんにすぐさま春乃さんが食って掛かる。
「おっそいわよ! 何時間待たせるわけ!? っていうか遅れてんだから急ぐ素振りぐらい見せなさいよ、何のこのこ歩いて来てんの!?」
「安心しろ、ヒーローは遅れて登場するもんだ」
「何を安心すんのよ、あんたの変わらない気持ち悪いおっさん具合に? 変わらないどころか一層増してんじゃない!」
「誰がおっさんだぁぁ!」
出合い頭から元気な二人だなぁ。
とか言ってる場合ではないので案の定始まった口論に僕が高瀬さんを、セミリアさんとみのりが春乃さんをそれぞれ宥めに掛かる。
しかし春乃さんの指摘と不満は留まることを知らない。
「大体何なのよそれ」
遠慮がちに腕を掴むみのりに止められながらも、春乃さんは高瀬さんの胸の辺りを指差した。
高瀬さんの格好も昼間とは違っていて、変なジャージーではなくチェックの変なシャツを着ており、しっかりとズボンの中に収まっている。
そして唯一荷物らしい荷物として背中には大きめのリュックを背負っていた。
「ふふん、この中には武器その他冒険には欠かせないアイテムがたっぷりと……」
「そうじゃなくて、その胸のやつのことを言ってんの」
自慢気に答える高瀬さんの言葉を遮ると、皆が一斉に春乃さんの言う胸のやつに視線が集めた。
その指の差す先、高瀬さんが着ているシャツの胸に付いたポケットには何のキャラクターなのか水色の頭髪を持つフィギュアらしき物が覗いている。
僕も、おそらくみのりも敢えてふれなかったのだろうが、春乃さんは言わずにはいられなかったようだ。
「無知な奴め。魔女っ娘ルミたんを知らんのか」
「知るわけないじゃないそんなの。気持ち悪」
「おいおい、口を慎んだ方が身の為だぞ。ルミたんに向かって気持ち悪いなどとふざけた口を……」
「いやいやいや、ルミたんじゃなくてあんたが気持ち悪いから。ていうかそんなの置いていきなさいよ、一緒に居るこっちが恥ずかしいじゃない」
ごもっともな台詞に軽蔑的な眼差しを添え、春乃さんはそのフィギュアに手を伸ばした
しかし、ペチンとその手は高瀬さんによってははたき落とされてしまう。
「……何すんのよ」
決して強くはたいたわけではなかったが、急に真剣な表情に変わった高瀬さんに春乃さんも少したじろいでいる。
続いた言葉は全員を黙らせるには十分な最悪さだった。
「俺の嫁に手を出すんじゃねえ」
高瀬さんは表情一つ変えていない。
ふざけて言っているのではない、とその目が言外に告げている。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
この場にいる全員が言葉を失い、沈黙の間が蔓延していく。セミリアさんですらそれは同じだった。
静寂の中で丁度頭上のカラスが鳴き、一層虚しい空気がその場を包む中、一瞬放心していた春乃さんはゆっくりと振り返り、声を大にして叫んだ。
「みんな聞いてっ! コイツ気持ち悪いおっさんじゃなかったの! 逆だったのよ! おっさんが気持ち悪くなってるんじゃなくて、気持ち悪いという概念そのものがおっさんってたのよ!」
なるほど言い得て妙だ、と僕は思った。
当然の如く『おっさん』というワードに敏感な高瀬さんは即座に憤慨する。
「おっさんってたってなんだぁ! もはや人ですらないじゃないかよ!」
「そーよ! あんたが人だったら自分が可哀想になるわっ」
「どういう意味だそれぇ!」
「いい加減にせんか!!」
再び口論が始まろうとする最中、セミリアさんのより大きな声が二人の言葉を遮った。
あまりの剣幕に僕以外の当人達に何故かみのちを加えた三人の肩がビクッと反応する。
「ハルノ、カンタダ、よく聞け。今日会ったばかりであることを理解している以上は無理に仲良くしろとは言わん、だがいつまでもそうやって輪を乱そうというのならここに残ってもらうことになる。仲間同士で争っているようでは連れてはいけぬぞ」
「そうは言うが勇者たんよ、吹っ掛けてくるのはこの女だぜ? そんな奴を仲間として認めろと言われても難しいとは思わないか?」
やや萎縮しながらも高瀬さんは不満げだ。
「あたしも、こいつを人間だと認めるのは難しいわね」
拗ねた様に唇を尖らせる春乃さんが続くと、セミリアさんは鋭い目で二人を睨め付けた。
さすがに二人もバツが悪いのか微妙に目を逸らすだけでそれ以上は言わない。
ちなみにみのりは怯えて僕の後ろに隠れているんだけど、何やってんの君。
「よいか、確かに私たちは急造のパーティーだ。すぐにチームワークを求めるのは難しいかもしれん。だが親交を温めている暇などないのだ。こうしている間に苦しんでいる人がいるかもしれない、救える命があるかもしれない。二人も、そしてコウヘイもミノリも、理由は違えど私に力を貸してくれると言ってくれたではないか。その思いやりを少しでもいい、仲間へと、救いを必要としている者へと向けてはくれまいか」
半ばからは悲痛な思いの混じった声音と表情で訴えるセミリアさんに二人も口を結んだまま視線を落とし、やがて申し訳なさそうに口を開いた。
「ごめんねセミリア、それから康平とみのりも。あたしももうちょっと自重するよ」
「俺も……ついカッとなった。反省はしている」
「分かってくれればよい。さあ、大分時間もロスした。そろそろ行くとしよう、私のいた世界へ」
二人の肩に手を置くセミリアさんの顔は打って変わってとても優しいものだった。
どうなることかと心配したけど二人も反省しているみたいだし、今日一日共に行動しようというのだからこれでよかったのだろう。
それはさておき、その言葉に今更過ぎる疑問が一つ。
「具体的にはどこに行くんですか?」
いざ出発、というタイミングなのに目的地も知らないままというのはいささか不安なので慌てて確認してみる。
しかし、返ってきた答えは何とも想像とは違っていた。
「最初から言っている通り、私が元いた世界だ」
「それは分かってるんですけど、それは地名でいうところのどこにあたるんですか? そもそもどうやって行くんです? 電車?」
「魔法そのものが存在しないこの世界の住人であるコウヘイたちには口で説明するよりも実際にやってみた方が早いだろう」
そう言ってセミリアさんは右の手で僕の手を、左手でみのりの手を握った。
いくら今のやり取りの後とはいえ仲良く手を繋いで行こうというわけではあるまい。であればこそ意図はさっぱりである。
「やってみるって、何をやるんです? というかなぜ手を繋ぐんですか?」
「言う通りにしてくれれば分かるさ。さあ、ハルノとカンタダも同じ様にして輪になってくれ」
「え? あたし達も?」
二人も何を始めようとしているのか理解が出来ず、不思議そうにしながら輪に加わる。
そうして春乃さんがみのりの手を、高瀬さんが僕とそれぞれ手を繋ぎ、最後に二人は目を合わせたまま少し間を置いたのちに渋々手を繋いだ。
こうして五人が手と手を取り合い円形に繋がる。
セミリアさん以外はそうすることの意味が分からず例外なくきょとんとしてしまっていた。
何かコスプレ趣味な人にとっての儀式的なものなのだろうか。そうでなければセミリアさんの国の習慣かもしれない。
というか天下の往来で何をやってるんだろう、僕。これじゃあ宇宙人でも呼び出そうとしている集団だよ。
「では行くとしよう。最初は慣れないかもしれんが落ち着いていればどうということはない。ただ一つだけ肝に銘じて欲しい、何があっても手は離してはならない。万が一次元の狭間に取り残されようものなら助けるに助けられんからな」
真剣な面持ちのセミリアさんのそんな言葉に反応する人はいなかった。
四人が四人ともお互いに顔を見合わせ『どういう意味?』『……さあ』みたいなアイコンタクトを交互に取り合っていた。
「では出発だ。アイルーン!」
首を傾げる僕たちもお構いなしにセミリアさんは繋いだ手に力を込め、よくわからない言葉を口にする。
その刹那、視界が歪んだ。
「……え?」
突如自分を襲った不可解な事象に思わず声を上げ、慌てて四方八方に視線を走らせた。
今この場で何が起こっているのか、何が起こればこんなことになるのか、目に映るもの全てがゆっくりと、だが確実に形を失っていく。
困惑している間も収まることはなく、もはや目の前にあった我が家はその面影も見当たらず僕の視界にはぐにゃぐにゃと歪曲した風景のみが四方に広がっていった。
「ふえぇぇ!?」
「なになになに!? どうなってんのこれ!」
「ナンジャコリャアァァァ!」
既にその姿が原型を失いつつある他の三人も同様らしく次々に戸惑いと不安の混じった声が聞こえてきた。
続いて響いたセミリアさんの声が唯一取り乱そうとする心を繋ぎとめていると言ってもいいぐらいに意味不明である。
「もう少しの辛抱だ! 手を離してはならんぞ!」
右も左も繋いだままの手に伝わる力が増していく。
隣から聞こえているはずの声は、そうとは思えないほど遠くに感じられた。
「ほんと、何がどうなってるんだ……これ」
改めて辺りを見回してみる。
小さい頃から感情の起伏が小さく、慌てたり怖がったりということはほとんど無かった僕だけど、今度ばかりはそうもいかず、絶えず聞こえてくる三人の絶叫をBGMにただ混乱しながらセミリアさんの言う『もう少し』をひたすらに待つことしか出来なかった。
そうこうしている間に少しずつ視界の歪曲は緩やかに変わっていき、徐々に輪になった皆の姿が形を取り戻していく。
やがてセミリアさん、みのり、春乃さん、高瀬さんと全員をはっきりと確認出来るまでに視界は元に戻り、その背後に広がる風景も歪みなくこの目に映るようになった。
時間にすれば一分もなかっただろうけど、それでもようやく理解不能な現象から解放され全てが元通りになったらしい。
唯一、ある一点を除いては。
「え…………どこ……ここ?」
目の前に広がるのは辺りを埋め尽くす緑一色の景色。
それはすなわち、今ここに居る僕が立っているのは先程まで僕達が手を繋いでいた喫茶ピープル前の通りではなかった。
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