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1.幼少期。
19.親切な人の贈り物。Side メイディス
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聖剣・エクスカリバーは物凄い力を発揮した。光魔法はこれまで、治癒系にしか使えないものだと思っていた。しかし、この聖剣を使うと、光属性の光が魔物を突き刺し、次々と倒す事が出来る。攻撃性の光を発生させるのだ。
光属性は、魔物にとって弱点なのである。それは、初めて知った事実。でも、あの人達は、あの眼鏡の少年は魔物にとって一番吸収されやすい闇魔法でも、その効果を発揮していた。やっぱり、俺は『奇跡の子』なんかじゃない。
現場に入って、それが痛感させられる。これまで、衛生兵として、やってきたが、もっと人々の生活に寄り添っていかねば。もっと、強くならねば。
俺は、片っ端から魔物を討伐していく。その姿は、後に『奇跡の子の猛襲』と呼ばれるようになるが、今の俺には分からなかった。
ただ、同い年くらいなのに。あんだけ、魔法が使えて、それに、こんなに素晴らしい能力を発揮する聖剣を持ち歩いて、それが、物凄く悔しい・・・!悔しくて、悔しくて、ただ、その思いで魔物を討伐していく。
全ての魔物を討伐していった後に、残ったのは悔しさと虚しさだけだった。俺は、瞳から零れる涙が止まらなかった。すぐに、『黒狼』が駆け寄ってくる。
「おい。今回の魔物討伐にはお前の活躍があったからなのに、そんなに泣いてんじゃねーよ!!」
「だって、俺、悔しくて、たまらないんだよ!!今回だって、この聖剣がなければ、戦えなかった。でも、それをくれた少年は俺より、魔法を使えて、併用魔法を使用して!!闇魔法でも、魔物を蹴散らしていった!!でも、俺は弱点を突く事でしか、戦えなかった!!俺は、俺は!!」
「・・・メイディス・・・。」
俺は、弱音を吐く事でしか、この思いを吐き出せなかった。
悔しい・・・!悔しいよ・・・!
俺は、しばらく俺は、『黒狼』の胸で泣き続けた。
「これで、気が済んだか?」
「うん。ちょっとね。・・・でも、俺より、強い人物は俺の目の前にもいたね。」
「当たり前だろ。俺は、お前よりも経験を積んでいるんだ。そう簡単に負けて、たまるかよ。それに、そいつも経験が多いからとかじゃねーの?その武器だって、そう簡単には手に入らない、レアものだ。これを手に入れるには、物凄く努力を続けて手に入れたって事だろ。下手すりゃ、剣に踊らされる奴も出てくるからな。」
経験か・・・。確かに、それは、正直、否めないのかもしれない。俺は、衛生兵としか貢献する事が出来なかった。これからは剣士としても、やっていかなくてはならない。
でも、『黒狼』曰く、かなりのレアもので、希少価値が高い武器らしい。これだけでも、2000万Gも下らないとか。あの人は、どれだけの努力をして、手に入れた聖剣なのだろう。俺が、敵う相手では、最初からなかったではないか。
でも、俺だって、負けてなんかいられない。いつか、あの人みたくいともたやすく倒せるくらいになって。俺は、国民に応えたい。
だから、もう一度俺に会ってくれますか?
光属性は、魔物にとって弱点なのである。それは、初めて知った事実。でも、あの人達は、あの眼鏡の少年は魔物にとって一番吸収されやすい闇魔法でも、その効果を発揮していた。やっぱり、俺は『奇跡の子』なんかじゃない。
現場に入って、それが痛感させられる。これまで、衛生兵として、やってきたが、もっと人々の生活に寄り添っていかねば。もっと、強くならねば。
俺は、片っ端から魔物を討伐していく。その姿は、後に『奇跡の子の猛襲』と呼ばれるようになるが、今の俺には分からなかった。
ただ、同い年くらいなのに。あんだけ、魔法が使えて、それに、こんなに素晴らしい能力を発揮する聖剣を持ち歩いて、それが、物凄く悔しい・・・!悔しくて、悔しくて、ただ、その思いで魔物を討伐していく。
全ての魔物を討伐していった後に、残ったのは悔しさと虚しさだけだった。俺は、瞳から零れる涙が止まらなかった。すぐに、『黒狼』が駆け寄ってくる。
「おい。今回の魔物討伐にはお前の活躍があったからなのに、そんなに泣いてんじゃねーよ!!」
「だって、俺、悔しくて、たまらないんだよ!!今回だって、この聖剣がなければ、戦えなかった。でも、それをくれた少年は俺より、魔法を使えて、併用魔法を使用して!!闇魔法でも、魔物を蹴散らしていった!!でも、俺は弱点を突く事でしか、戦えなかった!!俺は、俺は!!」
「・・・メイディス・・・。」
俺は、弱音を吐く事でしか、この思いを吐き出せなかった。
悔しい・・・!悔しいよ・・・!
俺は、しばらく俺は、『黒狼』の胸で泣き続けた。
「これで、気が済んだか?」
「うん。ちょっとね。・・・でも、俺より、強い人物は俺の目の前にもいたね。」
「当たり前だろ。俺は、お前よりも経験を積んでいるんだ。そう簡単に負けて、たまるかよ。それに、そいつも経験が多いからとかじゃねーの?その武器だって、そう簡単には手に入らない、レアものだ。これを手に入れるには、物凄く努力を続けて手に入れたって事だろ。下手すりゃ、剣に踊らされる奴も出てくるからな。」
経験か・・・。確かに、それは、正直、否めないのかもしれない。俺は、衛生兵としか貢献する事が出来なかった。これからは剣士としても、やっていかなくてはならない。
でも、『黒狼』曰く、かなりのレアもので、希少価値が高い武器らしい。これだけでも、2000万Gも下らないとか。あの人は、どれだけの努力をして、手に入れた聖剣なのだろう。俺が、敵う相手では、最初からなかったではないか。
でも、俺だって、負けてなんかいられない。いつか、あの人みたくいともたやすく倒せるくらいになって。俺は、国民に応えたい。
だから、もう一度俺に会ってくれますか?
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