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喜望

痛みが生み出す無限の塗りしろ

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僕は正直、
無力感から逃れることが出来ないでいました。
というより、
逃れようとしたくないのかもしれません。

痛みが、
僕の生気を奪ってゆくのです。
まるで、ハリーポッターに出てくる
ディメンターのように。

もう、つらくてつらくて、
たまらないのです。

きっと、僕みたいな底辺に生きる人を救う人など、
1人もいないだろう、
そんなことを思いながらも、
自ら命を絶つ勇気もないままに、
途方も無い徒労感に苛まれながら、
今日も無力感を剥き出しにして、
生きているわけなのです。

自分で傷つけたその傷から発せられる痛みは、
僕の心臓にある鼓動の動力源となるかのように、
全身へとジワジワと、蛇のように影響を与え続けるのです。
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