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喜望

ただひたすらに振り返る

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元はと言えば、こんな生活をする予定では無かったのです。

こんな惨めな生活を送ることは、僕の計画表には載っていなかったのです。

15の時に書きつけた人生計画表。

なんの本だったか忘れてしまったけれど、その本に感化され、計画を立てました。

その計画を遂行することに命を削り、高校受験も大学受験も頑張れた。

その計画が達成された自分の姿を想像すれば、そんなことは難しいことではなかったわけです。

そんな人生計画の終点は「作家」でした。それもインテリでとても頭のいい作家でした。

大学は名門に入りました。正直その時は、大学に行かなかった同級生を下に見て、腹の中で笑っていました。

そして、いろんな人を踏み台にして、僕は作家になりました。

その後は最高でした。

経歴が物を言い、原稿を持ち入る出版社は、僕を優遇してくれました。

僕は嬉しかったです。

ここまでの努力が無駄じゃ無かったんだと思えたからです。

そこからの転落は酷いものでした。

笑い話にできるレベルであればよかったのかもしれませんが、上手く笑えません。


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