モリモリ出たら森でした

シロクマ

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湖の剣

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気を操れるようになって一週間後。
僕は湖に浮かんでいた

「…あ"あ"あ"あ"あ"…き"も"ち"ー"」

この湖は僕と狼さんが最初にあった場所
なんでそんなところで浮かんでいるかと言うと今日は久方ぶりの休暇だから
こうやって一日ぼーっとしてられるのは2週間ぶりだ
まじあの狼、鬼畜。
でも言えない、僕のための僕を鍛えるための修行だから。
これがジレンマと言うやつか!!

「…はぁ~~」
またため息を一つ。
そうやってぐだぐだしていたら、太陽の光をなにかが反射したらしくピカッと光った。

「……」
最初は無視しようとしたけれど、無性に気になり、辺りを探ってみる。
そうするといつからそこにあったのか、僕の手のひら位の長さの刃がついた黒刃の短剣が湖の表面にプカプカ浮かんでいた。
しかし、見つけたはいいもののなぜこのような森の湖にこんな新品同然の短剣が落ちているのか。
物騒すぎないか?え?この世界では当たり前なの?
僕は拠点に帰って狼さんに相談することにした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『…ふむ、それは魔剣じゃの。』

「魔剣?」
あのファンタジー筆頭の?これが?湖にプカプカ浮かんでいたこれが?

『うむ、魔剣は所有者の欲や強い感情などを糧に力を発すると言われる意思を持つ剣じゃ。気に入らん奴じゃと手に持つことすらできん。』
 あれ?

「僕、持てましたけど?」
そう、ここまで戻ってくるまでに普通に短剣を握っていた。持てないのではなかったのか?

『うむ。それはヌシがその剣に気に入られたと言うことじゃろう。
良かったではないか。強力な武器が手に入って。』

そういう問題か?
そこで僕はもう一つ疑問を覚えた。

「この短剣を僕が使うって事は良いんですけど、この短剣は欲や感情を糧に力を発するって言ってましたよね?」 

『うむ、それがどうした?』

「この短剣の能力は何なんですか?」
そう、そこが一番大事だ。僕に使いこなせる能力じゃないと困る。
果たして答えは?

『うむ、その短剣の能力じゃがの。
二つ能力があるみたいなんじゃ。』

「それは?」
二つ!一つしかないと思っていたのでラッキー!

『うむ、一つ目の能力は【切断】
それまでに貯蓄した所持者の感情や欲を消費して、切断力を上げるという能力らしいぞ。』

「おおー!」
シンプルに強いやつ!しかし手順も単純で使いやすそうだ

「それで二つ目は?」  

『うむ、二つ目の能力は【吸魂ノ剣】
殺した相手の魂を吸って強くなることができる能力らしいぞ。』

んん?

「…剣が強くなるとは?」

『切れ味や耐久力などが上がるようじゃ。良かったではないか。それに、魔剣は投げても捨てても持ち主が死なぬ限りは手元に戻ってくる能力も持つ。』

ということは一生使えて無くさないってことか。レアな武器ゲットだぜ!まぁ、呪いっぽいとも思ったけども。
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