モリモリ出たら森でした

シロクマ

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剣術

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魔剣をゲットした翌日。
僕が今、何をしているかというと

「ふっ!ふっ!はぁっ!やぁっつ!」

剣術の修行をしていた。
我流で。
なぜ我流かというと、師匠の狼さんは狼なので剣術は使えない。
そして使えないものは教えられない。
なので無理。
そこで"戦闘人形"。こいつは戦闘時に戦闘相手の持っている装備をコピーして使う。なので僕はその"戦闘人形"と戦闘し、戦闘終了後、先頭人形の剣を振るう様子を思い出して見様見真似で武器を振るっているというわけだ。
これが我流と言えるかは甚だ疑問だが。
 
「ふっ!はっ!とぅっ!しぃっ!」

さて、ここで疑問に思う人もいることだろう。「なぜそこまでして短剣を使おうとするの?」「別に拾ったからって無理に使う必要なくない?」と。
しかしそれは無理な相談である。
なぜむりかって?
それを言う前に一つ思い出してほしい。
前、狼さんは言っていた。『この魔剣は意思を持っていてお前を気に入った』と。
その時は魔剣の能力に意識が言ってあまり気にしてなかったのだが最近それがはっきりした。
剣を使わないと拗ねて襲って来るのである。なにが?剣が!
え?剣なのにどうやって襲って来るのかって?
飛 ん で く る ん だ よ!
こう、ビューーん!!って感じで、
お前、ホントは剣じゃなく槍では?って感じだよ!!ホントは呪われてないよね?この短剣?痛っ!痛っ!刺すなってば!

閑話終了。

まっ、そんなわけで使わないわけにはいけないわけ。
そんでどうせ使うなら使いこなしたいって思うのが男だろ?
そういった理由で今、僕は剣を振っているわけ。
訓練の後にな!ヘトヘトでな!でもやらないわけにいかないわけ!剣が!飛んでくるから!
僕の命かかってるから!
まっ、ここまで色々と愚痴を言ったけど前々から僕も素手は嫌だなーと思ってたわけ。
だからこの状況は都合は良い訳。僕の休憩時間が減るけどね!
でもでも!皆一度は想像したことはあるんでない?
自分が剣を使って敵をばっさばっさ切り倒す場面。
僕も時々ラノベを読んで想像してニヤニヤしてたしね。
そ し て、ここはファンタジー!
剣もある。魔剣だけど
魔法もある。今、使えないけど
敵もいる。今、僕が森で一番弱いけど。
じゃあ、できるんでない?言えるんでない?敵に向かっての憧れのセリフ!今、敵に向かっていったら瞬殺だけど。

「ふっーーーーはっ!」

これまでこの世界に来て怖いこととか辛いこととか色々あったけど時間が経って余裕が出てきたら色々楽しみなことも出てきた。

「しっやあああああああああああ!!
見てろよ!異世界!やってやるぁあああああああああああああああああ!!!」

これは僕が異世界を楽しく、時に泣きながらそれでも精一杯生きる物語である。
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