本日もカイセイなり

モカの木

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7話 山中行

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 ヨウゲツを出発した翌日、光一行は「巡り土の死の山」を登り始めていた。
 ここまで来れば、マカリアからの偵察に見つかることは無いだろう。
 少年はひっそりと息を吐き、多少なりとも景色を眺める余裕を取り戻した。
 死の山、というには穏やかな光景。
 高原地帯の涼やかな林、とでも言うべきか。
 木立を抜ける風の音、足元に落ちる木漏れ日。
 これがただのハイキングなら、と思いながら光は汗を拭う。
「もう少し行くと鉱脈地帯に入る。その辺りから岩が混じって歩きづらいぞ。気をつけな、ヒカル」
「は、はい」
 声をかけてきたのはハモニカの一員、ジェイクだ。
 傭兵団でも若手の一人で、どうやら光のことを気に入っているらしい。
 若手とはいえ、決して軽装でない鎧と剣を携えて息一つ切れていないのは流石、と言うべきか。
「だらしないわねぇ。いくら騎士じゃなくっても、こんな山道くらいならシャンとなさい、男の子」
 叱咤して見せているのは弓使い、ニナ。
 ロンド曰く期待の新人で、本人もそれを自負しているのかプライドが高い。
 時々説教臭いが、それが彼女なりの気遣いというのは透けて見えるので、光は逆に親近感を覚えている。
 頑張ります、と返答しようと少年が視線を向けると、ちょうどニナの背後から女性が忍び寄っていた。
「余裕そうな後輩には、私のナイフも持ってもらうね」
「ぐえー!? い、イネス先輩!? どこにこんな量入れてたんですか!?」
 ドサドサとニナの背嚢に小袋を入れ始めたのは、イネス。
 短剣使いで、ジェイクとペアで遊撃や斥候をこなす女性。
 この3人は光と比較的年齢が近く、話す機会もそれなりにあった。
「……騒ぎすぎだぞ」
 呆れたように、先頭を歩いていた男性が振り返った。
 ハモニカの副団長、アレク。
 いわゆるハルバードの使い手で、団内のお目付け役でもある。
 ニナが慌てて背筋を伸ばす傍らで、イネスは口笛を吹きながら周囲の警戒に戻っていく。
「ジェイク、ヒカル君が心配なのはわかるが、お前も仕事に戻れ」
「うっす」
 ぽんぽんと少年の肩を叩いて、ジェイクもまた軽く駆け出した。
 その後姿を見送りながら、光は少しだけ頬をかく。
「相変わらず、気持ちの良い方々ですネ」
 入れ替わるように、フィオが隣に降り立っていた。
「先を見てきましたが、幸い大きな問題はなさそうデス。野営の予定地点まで2~3時間、といったところですか」
「そっか。もうひと頑張りだな」
 一旦の終わりが見えて、光は息をついた。
 そうなると、気になってくるものがある。
 後方を固める、ということで少し後ろに位置している、ロンドとナインだ。
 出発時の思わせぶりな態度に、光はナインがロンドを怒らせるのでは、と若干ヒヤヒヤしていた。
 道中、それを気にすることができるほど、自分に余裕が無いこともまた、冷や汗の一因となっている。
「……よし」
 何事もありませんように。そう祈りながら、光は改めて足を踏み出した。

 祈りが通じたか、その後は何事もなく1日の行程を終えることができた。
 このまま行ければ、2~3日でウプアットへ着くだろう。
 そう語ったロンドの言葉を思い出し、光は座ったまま安堵の吐息をこぼす。
「便利ね、貴方の侍女」
 いつの間にか、ナインが近くにいた。
 ローブ越しに光の背後を見やると、くすくすと笑う。
 その先には無言で佇むティスの姿。
「隠密行の野営で火を使えるなんて。ふふ、助かるけど」
「……あんまり、バルクマンさんを困らせるなよ」
「あら、心外ね。無駄な軋轢なんか生まないわ」
 どこ吹く風と笑うナインは、そこでスッと光に顔を寄せてきた。
「それよりも、問題は貴方でしょう?」
 ローブの奥で、金色の瞳が煌めく。
 見透かされたようで、光は降参というように腕を上げた。
「私は、私の意思で戦うわ。貴方の、ではなく。……ふふ、私の人生ですもの、ね?」
「……よく覚えてるな、そんなセリフ」
 ――好きにすれば良いさ。君の人生は、君のものだ。
 かつて、光が言ったそれは、本人としては軽い応答程度のものだった。
 ――私の人生ですって?
 そこで、初めて気づいたというように目を開いたナインの心中を、少年が知る由はなかっただろう。
「……何でも背負えるなんて、思っちゃいないんだ。ただ……」
「ただ?」
 促す王女に、光は少しだけ沈黙し、口を開く。
「ただ……これを受け取った時に、決めたはずだったんだ。最後の引き金は、って」
 取り出したロックガンを、少年は見つめる。
「今までは、撃たずに済んできた。巻き込まれただけ、と言い訳できたから……。でも、今は、今ここにいるのは、俺が決めたこと……なんだよな」
「敵を討つ覚悟がほしいの?」
 呟いた光に、静かに、だが核心の問いをナインは投げかけた。
「……わからない」
 力なく、少年は答える。
 その様子に、ナインはもう一度くすくすと笑った。
「戦士としては不合格。……ふふ、でも、貴方はそれで良いのかもね、ヒカル」
「……嫌味か?」
「迷いは、覚悟がないことの証明ではないのよ。勉強になったわね?」
 言うなり、ナインは踵を返した。
 楽しげな笑い声が暗がりに消えていく。
 やや憮然としたまま、光はため息をつき、ロックガンをぎゅっと握りしめた。

 ◇
 
 山中2日目。
 木々はやや疎らになり、代わりにゴツゴツとした岩が顔を出すようになっていた。
 前方を警戒しつつ進んでいたジェイクが、ハンドサインとともに足を止める。
「どうした? ……ああ」
 尋ねたロンドに、青年は少し先を指し示した。
 僅かに訝しんだ騎士だったが、すぐ納得したように頷くと光を手招きする。
「なんです?」
「珍しいものがあったのでね。魔力溜まりの兆候だが、ほら」
 示された方を少年が見ると、何か地面でちらちらと光を反射するものが見えた。
 よく見れば、半透明のガラスのようなものが突き出ているようだ。
「あれは……」
「マナ結晶というやつでね。魔力が形になったものだよ。天然のものは、こういう魔力が多い土地でたまに見つかる」
「おー! 確か、ミスリルは天然のマナ結晶が地中で年月を経たものとか!」
 目を輝かせながら、フィオがひょっこりと顔を出した。
「ああ、そんな噂もあったね。噂以上の信憑性は無いが、否定する根拠も無い」
 ロンドは楽しげに笑いながら、ハモニカの面々へ手で指示を出す。
「さて、マナ結晶があるということは、この先に魔力溜まりがある。残念だが迂回しよう。また登るよ」
 はい、と答えて歩き出したところで、光がふと口を開いた。
「そういえば、その魔力溜まりって、目に見えるんですか?」
「見えることもある、くらいだな」
 ジェイクが応じる。
「よく見れば、陽炎みたいに景色がボヤけてることもある。で、もちろん見えないこともあるってな」
「私ら斥候役には、結構キツいんだよねぇ」
 その隣で、うんうんとイネスが頷き、何かを思いついたように悪戯っぽい表情を浮かべた。
「ちなみに、前兆のマナ結晶ね。あれだけしっかりしたのが見つかるのも、地味に運が良いんだよ。取ってきてあげようか? ニナが」
「な、なんで私なんですか?」
「山中行軍の修行的な?」
 急に話を振られたニナが慌てている。
 良いんですか、というように光がジェイクを見ると、青年は放っとけと笑う。
 と、アレクの咳払いが聞こえ、昨日の焼き直しのように3人は隊列に戻っていった。
 こんな場所でさえじゃれ合える余裕と、合図で意識を切り替える早さ。
 プロフェッショナルなのだ、と少年は思う。
 複雑な表情を浮かべてハモニカを見つめながらも、光は登り始める。
 その後ろを、静かにティスが続いた。

 その日の夜。
「何か御用かな?」
 音もなく現れた影に、ロンドは涼しげに声をかけた。
 その影――ナインは、ローブの奥でくすくすと笑う。
「ごめんなさいね? 冷やかしと、ちょっとした確認……といったところかしら」
「なるほど? で、お眼鏡には?」
「ふふ、可愛げは無いけど、良いでしょう、ロンド・バルクマン。……ふふ、バルクマンね」
 先ほどとは少し違う、意味深な笑い声。
 鉄仮面の裏で、スッとロンドの目が細くなる。
 ざわり、と周囲の木々が揺れた。
「あら、怖い。そんなに隠すことかしら?」
「……ふふ。そうだね。別に隠すことではないよ。団員は知ってるし」
 声音は柔らかいが、妙な緊張感は持続している。
「まぁでも、ちょっとした願掛け……ってところかな」
「ふぅん……。そう。……なら、そういうことにしておいてあげる」
 そう言うなり、ナインは出現と同じように音もなく消えた。
 珍しく、ロンドはため息をついた。
「やれやれ……。少年も大変だな」

 ◇
 
 山中3日目。
 今日は未明から、ジェイクとイネスが進路の啓開のために先行していた。
「昨日、ちょっと遠回りしちまったからねぇ。心配性なアタシの旦那が命じたのさ」
 からからと笑っているのはジル。
 副団長のアレクとは夫婦で、同じくハルバードの使い手。
「他人事のように言ってるがなジル、お前はニナと谷の方面に行くんだぞ」
「了解だよ、副団長。ま、安心しなヒカル。山中行軍なんざ、予定通り行くほうが珍しいんだからね」
「……はい」
 その返事に、彼女は豪快に笑って光の肩を叩いた。
 音は大きいが、痛みはない。その気遣いが、少年にはありがたく、そして少しだけ申し訳なかった。
 そんな光をもう一度笑いながら、ジルは少し離れた二人組に声を掛ける。
「で、尾根の方はバルカとモーフィアスがペアだって? まさか酒は持ってないだろうね?」
「姐さんと一緒にせんでくれよ。なぁバルカ」
「まったくだ」
 装飾の施された剣を佩くのがモーフィアス、幅広の大剣を背負っているのがバルカ。
 あいつら酒飲み友達なのさ、とジルが光に耳打ちした。
「おいおい、雇い主に余計なことを吹き込んでくれるなよ」
「あはは……」
 心外とばかりに肩を竦めるモーフィアスに、少年は苦笑する。
 ジェイク達とはまた違った、大人の中に混じっているというのは、どうにも落ち着かなかった。
「さぁて、ニナ! 準備はいいね?」
「あ、はい! 行けます!」
 天幕の辺りで話していたニナが、飛び跳ねるように返事をした。
 その隣で、ニナよりは年上に見える女性が、彼女に手を振っている。ユーフィ。ハモニカでは珍しい、純魔法使い。
 程なく、二組もそれぞれの担当方面へと向かっていく。
 残った面々は、進路の再選定が終わるまでは待ちだ。
 いや、正確には、フィオは単独で別ルートを当たっているし、ナインもナインで独自に動いていた。
 ロンドは司令塔として、適宜上がってくる報告を天幕でまとめているし、アレクとユーフィはその補佐兼天幕エリアの護衛だ。
 はぐれの魔物や、魔力の影響で凶暴化した野生動物が出ないとも限らない。
 その意味で、何の仕事も無いのは、光だけだった。
 時間的な猶予があるわけではなく、かといって、自分だけでは何もできない。
 あるいは、ティスのサポートがあれば何かはできるのかもしれない。
 だが、何をすれば良いのかはわからず……結果として、少年は立ち止まっていた。
 何となく空を見上げながら、ふと光は自身の本来の目的を思い出す。
 地球への、元の世界への帰還。
 その目的からは随分と遠回りをしている現状と、今この時、死の山での足止めを受けている事実。
 それが心中で重なった瞬間、焦燥感が一気に溢れ出した。
「……っ」
 反射的に下を向き、光は額に拳を当てる。
 その様子を見つめるティスの瞳が、僅かに揺れた。

 日が落ちた。
 結論として、この日は大きな移動は行えなかった。
 順調であれば、今いる斜面から尾根を超え、ウプアットを視界に捉えることもできたのだという。
 今夜は、まだ見下ろす先はマカリア、そしてヨウゲツの方角だ。
「遅れと言っても、想定内だよ。ルートは見つけたしね」
 穏やかに告げたロンドの声音は、光を多少なりとも安心させるものだった。
 それを頼りに、自身の天幕に戻ろうとした少年は、ふと視界の隅に違和感を覚える。
「……なんだ?」
 向き直った先に目を凝らすと、夜の闇の中を、ぼんやりとした火が川のように流れている。
「マカリアに向かう魔物の軍勢、その行軍の灯ですネ」
 いつの間にか、隣にフィオが立っていた。
 ごくり、と光はつばを飲み込む。
 少年に正確な長さはわからなかったが、あるいはキロ単位とも思えた。
 不気味なマカリア要塞の影に飲み込まれていくその列は、黒々とした山間の奥から延々と吐き出されている。
 総勢10万。
 その数は、もちろん数字としては光も知っていたつもりだった。
「ウプアットからマカリアまでの街道は、幅が広くはありませんから。自然と、細長くなるってことデス」
「……なるほど」
 だから見た目ほどではない、とフィオは言いたいのかもしれなかった。
 確かに、単なる圧力という意味では、以前にヨウゲツで迎撃した数万の方が上ではあるだろう。
 だが、この目の前で途切れなく続く隊列は、全容を認識できないという点で、少年の不安を煽るものだった。
「……大丈夫ですか?」
 その空気が伝わったのか、フィオが気遣わしげに光を見つめる。
「ああ……ありがとう。大丈夫。……明日も早いし、休もう」
 精一杯の笑みを浮かべて、少年は天幕へ入り……努めて目を閉じた。
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