2 / 3
01
目覚めた罪人
しおりを挟む
部屋から出た瞬間、扉の音に気づいたのか隣の部屋から私の妹、アナトリアが飛び出してきた。
アナトリア「モルアデアお姉さま!?!?お体はだいじょうぶでしょが!?急に倒れてからもう4日もたって、本当にしッしんぱいして」
モルアデア「落ち着いて、アナトリア。私は大丈夫だから。」
アナトリア「…お、お姉さま…?」
アナトリアは興奮は少し収まったものの困惑の表情を浮かべた。
それもそのはずだ。いつもの私であればアナトリアを無視して通り過ぎるか、「心配するならもう私の視界から消えてくれないかしら?」とでも言い放ち睨みつけるはず。
モルアデア「相変わらず、私が寝込んでいてもメイドの1人も2人もつけないのね。」
アナトリア「お、お姉さま。それは…」
モルアデア「いいのよ。アナトリアに怒っているわけではないの。ところで今日は何日かしら?」
アナトリア「…今日は、9月25日です。お姉さま。」
モルアデア「…そう。」
どうやら私は自分が亡くなる3ヶ月前に戻ってきたらしい。
モルアデア「今からカイルに私が目を覚ましたことを伝えに行くわ。アナトリアもいく?」
その方がカイルも私に失礼な態度をとれないでしょう
アナトリア「…はい。」
何かを察したのか、アナトリアは小さく頷き、私たちは向かうことにした。
アナトリア「…お姉さま。」
モルアデア「どうしたの。アナトリア。」
アナトリア「…今日のお姉さまはいつもと…今までと、纏っている雰囲気が違う気がして…何かあったのかと…」
モルアデア「…」
アナトリア「…ッ、ごめんなさい!別に悪い意味はなくて、、ただ今日のお姉さまは何故だか優しい気がして…」
モルアデア「アナトリア。謝らなくていいの。 …貴方は何も悪いことをしていないもの。」
アナトリア「…え?」
モルアデア「私、今まで酷いことばかりしてきたわ。特にアナトリア。私の実の妹なのにごめんなさい。これからはもう無関心な姉にはならないわ。」
アナトリア「……モルアデアお姉さま……」
アナトリアは言葉が思いつかないようだった。
まだ私の言葉が信じられていないはず。
だって
私は、3ヶ月後のクリスマス。実の妹、アナトリアを殺してしまうはずだから。
モルアデア「…早く行きましょう。」
そして、
カイル、貴方との結婚、破棄しましょう。
3年前に遡るー
アナトリア「モルアデアお姉さま!?!?お体はだいじょうぶでしょが!?急に倒れてからもう4日もたって、本当にしッしんぱいして」
モルアデア「落ち着いて、アナトリア。私は大丈夫だから。」
アナトリア「…お、お姉さま…?」
アナトリアは興奮は少し収まったものの困惑の表情を浮かべた。
それもそのはずだ。いつもの私であればアナトリアを無視して通り過ぎるか、「心配するならもう私の視界から消えてくれないかしら?」とでも言い放ち睨みつけるはず。
モルアデア「相変わらず、私が寝込んでいてもメイドの1人も2人もつけないのね。」
アナトリア「お、お姉さま。それは…」
モルアデア「いいのよ。アナトリアに怒っているわけではないの。ところで今日は何日かしら?」
アナトリア「…今日は、9月25日です。お姉さま。」
モルアデア「…そう。」
どうやら私は自分が亡くなる3ヶ月前に戻ってきたらしい。
モルアデア「今からカイルに私が目を覚ましたことを伝えに行くわ。アナトリアもいく?」
その方がカイルも私に失礼な態度をとれないでしょう
アナトリア「…はい。」
何かを察したのか、アナトリアは小さく頷き、私たちは向かうことにした。
アナトリア「…お姉さま。」
モルアデア「どうしたの。アナトリア。」
アナトリア「…今日のお姉さまはいつもと…今までと、纏っている雰囲気が違う気がして…何かあったのかと…」
モルアデア「…」
アナトリア「…ッ、ごめんなさい!別に悪い意味はなくて、、ただ今日のお姉さまは何故だか優しい気がして…」
モルアデア「アナトリア。謝らなくていいの。 …貴方は何も悪いことをしていないもの。」
アナトリア「…え?」
モルアデア「私、今まで酷いことばかりしてきたわ。特にアナトリア。私の実の妹なのにごめんなさい。これからはもう無関心な姉にはならないわ。」
アナトリア「……モルアデアお姉さま……」
アナトリアは言葉が思いつかないようだった。
まだ私の言葉が信じられていないはず。
だって
私は、3ヶ月後のクリスマス。実の妹、アナトリアを殺してしまうはずだから。
モルアデア「…早く行きましょう。」
そして、
カイル、貴方との結婚、破棄しましょう。
3年前に遡るー
0
あなたにおすすめの小説
修道女エンドの悪役令嬢が実は聖女だったわけですが今更助けてなんて言わないですよね
星井ゆの花(星里有乃)
恋愛
『お久しぶりですわ、バッカス王太子。ルイーゼの名は捨てて今は洗礼名のセシリアで暮らしております。そちらには聖女ミカエラさんがいるのだから、私がいなくても安心ね。ご機嫌よう……』
悪役令嬢ルイーゼは聖女ミカエラへの嫌がらせという濡れ衣を着せられて、辺境の修道院へ追放されてしまう。2年後、魔族の襲撃により王都はピンチに陥り、真の聖女はミカエラではなくルイーゼだったことが判明する。
地母神との誓いにより祖国の土地だけは踏めないルイーゼに、今更助けを求めることは不可能。さらに、ルイーゼには別の国の王子から求婚話が来ていて……?
* この作品は、アルファポリスさんと小説家になろうさんに投稿しています。
* 2025年12月06日、番外編の投稿開始しました。
悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした
ゆっこ
恋愛
豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。
玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。
そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。
そう、これは断罪劇。
「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」
殿下が声を張り上げた。
「――処刑とする!」
広間がざわめいた。
けれど私は、ただ静かに微笑んだ。
(あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)
【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、一途な愛を注ぎこまれています。
秋月一花
恋愛
「リディア、きみとの婚約を破棄することを、ここに宣言する!」
その宣言を聞いて、私は思い出した。前世のことを。
そして、私が殿下ルートの悪役令嬢だということを!
とはいえ、私……断罪されるようなことをした覚えはないのだけど?
まぁ、婚約破棄されたのなら、もう次期王妃教育を受けなくてもいいのよね、やったー!
……って思ったら、竜の国、ユミルトゥスの公爵家令息からプロポーズをされちゃって……
一途に愛されちゃってます!?
※ベリーズカフェさまに投稿した小説を、改稿しました。約11万字の物語です。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。
しぎ
恋愛
カーティア・メラーニはある日、自分が悪役令嬢であることに気づいた。
断罪イベントまではあと数ヶ月、ヒロインへのざまぁ返しを計画…せずに、カーティアは大好きな読書を楽しみながら、修道院のパンフレットを取り寄せるのだった。悪役令嬢としての日々をカーティアがのんびり過ごしていると、不仲だったはずの婚約者との距離がだんだんおかしくなってきて…。
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
22時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる