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1, クララの終わり
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相打ちだった
マークが魔王の心臓を貫いた瞬間、魔王の心臓から吹き出す大量の瘴気。避けることなど不可能だった。
クララ : …⁉︎マークッッッ‼︎‼︎‼︎
全身に瘴気を浴びたマークは、己の剣が刺さったまま、心臓からメキメキと崩れゆく魔王を前に、ふらっと横に倒れた。
後ろでサポートをしていた私は、急いでマークを抱き抱え、何度も何度も回復魔法を唱えるが、無駄だった。すでに瘴気はマークの全身に渡り、心臓の音を着実に衰えさせていった。
クララ : 嘘でしょう?なんで?マーク、いや、まって……
震える手で何度も強く抱きしめても、彼はぴくりとも動かない。信じられない。信じたくなかった。無力感、絶望感、あまりのショックに私まで気絶しそうだった。
でも、そんなことも言っていられない。
クララ : どうすれば…どうすればいい…
ぼつぼつと呟きながら動転した頭を必死に動かして考えた
クララ : ぁ、
その刹那、神殿にて神に託された信託が激しく脳裏に過ぎる、
"一度限り、天に登った命を下ろしてやろう、その代わり、お前のもつ、一番大きな感情を我が貰い受ける"一
何度あの信託を思い起こしたことだろう、
道中に散っていった騎士のブリス、魔法使いのフィイン、目の前で冷たくなっていく彼らを前に何度、神に願おうとしたことか、
ことあるごとに私を止めたのは他でもない彼、マークだった
マーク : 何を考えているんだ‼︎やめろ‼︎‼︎
クララ : 離して‼︎‼︎仲間を見捨てろっていうの⁉︎⁉︎
マーク : 違う‼︎‼︎自分を犠牲にするなと言っているんだ!
クララ : はっ、今、そんなことを言ってられる⁉︎この状況がわからないの⁉︎私の感情なんて、命に比べたらなんてことな、
泣き叫ぶ私の口を抑えて、彼は震える声を落ち着かせながら、私を宥めるように、だけれどはっきりと話した
マーク : クララ、感情は、…生きるうえで道標みたいなものだ。喜ぶことができなくなれば、自分がなんのために生きているのかすらわからなくなって、全てが無意味に感じる。何かを美しいと思う気持ちがなければ、何を聞いても何を見ても、全てが退屈に思えるんだ。そんな世界で、君は生きていけるか?…私は、この長い冒険が終わったら、君にただ、幸せに暮らして欲しいんだ、伝えたいこともある。だから、、思い留まってくれないか…?
…彼の手が震えている。わかっていた、魔王を倒すということはそういうことだと
彼の胸で静かに泣いた、あの日の光景をふと思い出す
クララ : ぁぁ、、マーク、、私の幸せはあなたよ。あなたがいなければ私は、、幸せに暮らすことなんてできやしないの、、
クララ : だから、私の感情をあなたにあげる。あなたが私の感情になって。
まるで眠っているかのように、目を閉じるマークにそっと口付けをし、私はゆっくりと両手を組み、天を仰ぐー
クララ : あぁ、偉大なる神よ、私の感情を捧げます。なのでどうか、どうか魔王と戦い、見事世界に平穏をもたらした勇者、マーク・オースティンを蘇えらせてくださいー
その瞬間、眩い光がマークとクララを包み込み、飲み込んだー
マーク : ……ッ
息を吹きかえす
マーク : ハァ、ハァ、…クララ…?、クララ、クララどこだ!?
全身に悪寒が走る、嫌な予感がした
急いであたりを見渡すと、魔王の王座を呆然と見つめながら立ち尽くす、クララがいた。
マーク : クララ!!!よかった…!大丈夫か!?、怪我は
クララ : ……?…マーク?
マーク : ああ、そうだ、魔王は、魔王はどうなった?
クララ : ?魔王は、あなたが倒したね
気が気ではないマークに対して、クララの反応はあまりにあっけらかんとしたものだった。
マーク : …そうか……帰ろう、僕らの家に…
クララ : …
無機質とも言えるほど、表情ひとつ変えず、マークの前を歩くクララ。
重い足をあげ、剣を拾い上げ、クララに追いつきついていくマーク。
そうして、二人は魔王城を後にしたーーー
マークが魔王の心臓を貫いた瞬間、魔王の心臓から吹き出す大量の瘴気。避けることなど不可能だった。
クララ : …⁉︎マークッッッ‼︎‼︎‼︎
全身に瘴気を浴びたマークは、己の剣が刺さったまま、心臓からメキメキと崩れゆく魔王を前に、ふらっと横に倒れた。
後ろでサポートをしていた私は、急いでマークを抱き抱え、何度も何度も回復魔法を唱えるが、無駄だった。すでに瘴気はマークの全身に渡り、心臓の音を着実に衰えさせていった。
クララ : 嘘でしょう?なんで?マーク、いや、まって……
震える手で何度も強く抱きしめても、彼はぴくりとも動かない。信じられない。信じたくなかった。無力感、絶望感、あまりのショックに私まで気絶しそうだった。
でも、そんなことも言っていられない。
クララ : どうすれば…どうすればいい…
ぼつぼつと呟きながら動転した頭を必死に動かして考えた
クララ : ぁ、
その刹那、神殿にて神に託された信託が激しく脳裏に過ぎる、
"一度限り、天に登った命を下ろしてやろう、その代わり、お前のもつ、一番大きな感情を我が貰い受ける"一
何度あの信託を思い起こしたことだろう、
道中に散っていった騎士のブリス、魔法使いのフィイン、目の前で冷たくなっていく彼らを前に何度、神に願おうとしたことか、
ことあるごとに私を止めたのは他でもない彼、マークだった
マーク : 何を考えているんだ‼︎やめろ‼︎‼︎
クララ : 離して‼︎‼︎仲間を見捨てろっていうの⁉︎⁉︎
マーク : 違う‼︎‼︎自分を犠牲にするなと言っているんだ!
クララ : はっ、今、そんなことを言ってられる⁉︎この状況がわからないの⁉︎私の感情なんて、命に比べたらなんてことな、
泣き叫ぶ私の口を抑えて、彼は震える声を落ち着かせながら、私を宥めるように、だけれどはっきりと話した
マーク : クララ、感情は、…生きるうえで道標みたいなものだ。喜ぶことができなくなれば、自分がなんのために生きているのかすらわからなくなって、全てが無意味に感じる。何かを美しいと思う気持ちがなければ、何を聞いても何を見ても、全てが退屈に思えるんだ。そんな世界で、君は生きていけるか?…私は、この長い冒険が終わったら、君にただ、幸せに暮らして欲しいんだ、伝えたいこともある。だから、、思い留まってくれないか…?
…彼の手が震えている。わかっていた、魔王を倒すということはそういうことだと
彼の胸で静かに泣いた、あの日の光景をふと思い出す
クララ : ぁぁ、、マーク、、私の幸せはあなたよ。あなたがいなければ私は、、幸せに暮らすことなんてできやしないの、、
クララ : だから、私の感情をあなたにあげる。あなたが私の感情になって。
まるで眠っているかのように、目を閉じるマークにそっと口付けをし、私はゆっくりと両手を組み、天を仰ぐー
クララ : あぁ、偉大なる神よ、私の感情を捧げます。なのでどうか、どうか魔王と戦い、見事世界に平穏をもたらした勇者、マーク・オースティンを蘇えらせてくださいー
その瞬間、眩い光がマークとクララを包み込み、飲み込んだー
マーク : ……ッ
息を吹きかえす
マーク : ハァ、ハァ、…クララ…?、クララ、クララどこだ!?
全身に悪寒が走る、嫌な予感がした
急いであたりを見渡すと、魔王の王座を呆然と見つめながら立ち尽くす、クララがいた。
マーク : クララ!!!よかった…!大丈夫か!?、怪我は
クララ : ……?…マーク?
マーク : ああ、そうだ、魔王は、魔王はどうなった?
クララ : ?魔王は、あなたが倒したね
気が気ではないマークに対して、クララの反応はあまりにあっけらかんとしたものだった。
マーク : …そうか……帰ろう、僕らの家に…
クララ : …
無機質とも言えるほど、表情ひとつ変えず、マークの前を歩くクララ。
重い足をあげ、剣を拾い上げ、クララに追いつきついていくマーク。
そうして、二人は魔王城を後にしたーーー
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