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○月×日『どうしようもない奴』
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「優等生が授業サボってもいいのかよ。それに、俺とは居たくないんじゃなかったか?」
フェンスにもたれながら屋上からの景色を見下ろす。
金色の髪が太陽の光でキラキラ光る。
僕は矢野くんをまっすぐに見つめた。
「…全部話してよ、矢野くん。矢野くんは全部知ってるんでしょ?」
矢野くんの質問には答えずに、質問で返すと、矢野くんは怪訝そうに眉をしかめる。
「言ってる意味わかんねーけど。」
「篤也さんのこと、山梨先輩のこと、…花村さんのことだよ」
3人の名前を挙げると、矢野くんの表情が険しいものに変わる。
「誰に何言われた。」
ゆっくり矢野くんが僕に近づいてきて、僕は矢野くんの一歩に対して一歩後ずさる。
「…別に…、でも、話…聞いた…矢野くんと先輩が2人で話してるの…」
「盗み聞きか。いい趣味してる」
「…ごめんなさい……でも、僕のこと話すみたいだったから、気になって」
「あの話聞いてたなら分かるだろ。山梨蘭は木崎篤也の元恋人。山梨蘭が浮気して別れたんだよ。木崎篤也は山梨蘭を恨んでる。あの人がお前に近づいたのは、山梨蘭に当てつけるのにちょうど良かったからだ」
矢野くんの口から語られる言葉は、僕の想像通りのものだった。
「…篤也さんは、…先輩と付き合ってたけど、何もなかったって…今は僕と真面目に付き合うつもりだって…」
「それ信じてるのか?馬鹿かお前。お前のことレイプした男の言うことだぞ」
「今はっ、今は…優しいもん。それに、無理矢理したことは、矢野くん人のこと言えない…」
「言うようになったな。だけどな、お前騙されてんだよ。山梨蘭は木崎さんと別れた直後から周りと距離置くようになったらしいからな。あいつはたまたま山梨蘭と親しくなったお前に目をつけただけで、お前を好きなわけじゃねぇよ」
「そんなの…信じないっ」
「疑ってたから俺に聞きに来たんだろうが。受け容れろ」
矢野くんに腕を掴まれ、その力強さに、嘘じゃないんだって信じざるをえなかった。
「っ、…じゃあ、……矢野くんが…、矢野くんが…僕を…俺のって……先輩に…」
強く掴まれた腕に、矢野くんの手にそっと触れると、呆気なくその手を振り払われた。
「お前が思ってるのとは違うな。山梨先輩のがわかってるんじゃないか?言ってたろ、玩具だって。それに、お前木崎さんと寝てんだろ。誰が他の男に汚された玩具で遊ぶんだよ。汚ねぇ」
「…、」
振り払われた手を、自分の手で握った。
指先から凍りついてくみたいな感覚に襲われる。
目の前に立ってる矢野くんが、だんだんと霞んでくる。
泣かない。泣きたくない、矢野くんの前で。
矢野くんの言葉に傷ついて泣くなんて、嫌だ。
「馬鹿なやつ。」
矢野くんが、僕を置いて屋上を出て行く。
僕は矢野くんを振り返ることなく、天を仰いだ。
僕が本当に聞きたかったことってなんだったんだろう。
何もかも理解した上で篤也さんと付き合いたかった?
そうじゃない。
結局は矢野くんなんだ。
矢野くんが好きで、好きで、好きで。
どうしようもない。
どうしようもないやつだ、僕は。
フェンスにもたれながら屋上からの景色を見下ろす。
金色の髪が太陽の光でキラキラ光る。
僕は矢野くんをまっすぐに見つめた。
「…全部話してよ、矢野くん。矢野くんは全部知ってるんでしょ?」
矢野くんの質問には答えずに、質問で返すと、矢野くんは怪訝そうに眉をしかめる。
「言ってる意味わかんねーけど。」
「篤也さんのこと、山梨先輩のこと、…花村さんのことだよ」
3人の名前を挙げると、矢野くんの表情が険しいものに変わる。
「誰に何言われた。」
ゆっくり矢野くんが僕に近づいてきて、僕は矢野くんの一歩に対して一歩後ずさる。
「…別に…、でも、話…聞いた…矢野くんと先輩が2人で話してるの…」
「盗み聞きか。いい趣味してる」
「…ごめんなさい……でも、僕のこと話すみたいだったから、気になって」
「あの話聞いてたなら分かるだろ。山梨蘭は木崎篤也の元恋人。山梨蘭が浮気して別れたんだよ。木崎篤也は山梨蘭を恨んでる。あの人がお前に近づいたのは、山梨蘭に当てつけるのにちょうど良かったからだ」
矢野くんの口から語られる言葉は、僕の想像通りのものだった。
「…篤也さんは、…先輩と付き合ってたけど、何もなかったって…今は僕と真面目に付き合うつもりだって…」
「それ信じてるのか?馬鹿かお前。お前のことレイプした男の言うことだぞ」
「今はっ、今は…優しいもん。それに、無理矢理したことは、矢野くん人のこと言えない…」
「言うようになったな。だけどな、お前騙されてんだよ。山梨蘭は木崎さんと別れた直後から周りと距離置くようになったらしいからな。あいつはたまたま山梨蘭と親しくなったお前に目をつけただけで、お前を好きなわけじゃねぇよ」
「そんなの…信じないっ」
「疑ってたから俺に聞きに来たんだろうが。受け容れろ」
矢野くんに腕を掴まれ、その力強さに、嘘じゃないんだって信じざるをえなかった。
「っ、…じゃあ、……矢野くんが…、矢野くんが…僕を…俺のって……先輩に…」
強く掴まれた腕に、矢野くんの手にそっと触れると、呆気なくその手を振り払われた。
「お前が思ってるのとは違うな。山梨先輩のがわかってるんじゃないか?言ってたろ、玩具だって。それに、お前木崎さんと寝てんだろ。誰が他の男に汚された玩具で遊ぶんだよ。汚ねぇ」
「…、」
振り払われた手を、自分の手で握った。
指先から凍りついてくみたいな感覚に襲われる。
目の前に立ってる矢野くんが、だんだんと霞んでくる。
泣かない。泣きたくない、矢野くんの前で。
矢野くんの言葉に傷ついて泣くなんて、嫌だ。
「馬鹿なやつ。」
矢野くんが、僕を置いて屋上を出て行く。
僕は矢野くんを振り返ることなく、天を仰いだ。
僕が本当に聞きたかったことってなんだったんだろう。
何もかも理解した上で篤也さんと付き合いたかった?
そうじゃない。
結局は矢野くんなんだ。
矢野くんが好きで、好きで、好きで。
どうしようもない。
どうしようもないやつだ、僕は。
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