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○月×日『決定事項』
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母親が部屋をノックする音に、布団から顔を出すと、部屋のドアがゆっくりと開いた。
そこから顔を見せるのが矢野くんなんじゃないかと体がゾッと震えたが、顔を見せたのは山梨先輩だった。
それからもう一人。
「まこと、」
あったかい声色にホッとして、ボロボロと泣き出した僕に、篤也さんと山梨先輩がそばに来て慰めてくれた。
嗚咽がまだ止まらなかったけど、ひとしきり泣いてスッキリした僕の肩を抱きながら篤也さんが髪を撫でてくれる。
山梨先輩がそんな僕らの前に腰を下ろす。
「……ぁ、ごめ…っ…なさ…」
嗚咽混じりに篤也さんから体を離そうとすると、山梨先輩が笑った。
「気にしなくていいよ。そんなことじゃ妬かないから」
ほんとに言う通りなんだろう、山梨先輩は気にもとめてないみたいだった。
「おい、ちょっとは気にしろよ」
どちらかと言うと篤也さんの方が気にしてるみたいだ。
「ちょっと、勝手についてきたくせに何言ってるんですか」
「ついてきちゃ悪いか。まことが学校休んでるって聞いたら心配するだろ」
篤也さんに肩を抱かれたまま、二人の言い合いを見ているとなんだか心が休まってきて、気づいたら嗚咽も止まっていた。
篤也さんと山梨先輩、こんなに話せるようになったんだ。
憎まれ口を言い合う二人が微笑ましくて、小さく笑うと、
二人の目が僕を捉える。
「大丈夫?ずっと学校休んでるから心配になって様子見にきたんだ。…病気じゃ、ないみたいだね?」
「でも痩せただろ。ただでさえ細いのに」
肩を抱く篤也さんの手に力がこもる。
「矢野くんに聞いたんだけど、知らないの一点張りだし、今日なんか軽くキレられたよ」
矢野くん、と名前が出た瞬間、体は正直で、強張った体を、肩に添えられた篤也さんの手が感じ取る。
「……またアイツかよ。」
「こないだお昼一緒に食べた次の日から学校来なくなったよね。何かあった?…あの時矢野くん怒らせちゃったみたいだし、僕」
先輩が申し訳なさそうな顔をする。
それに首を振った。
「違います、先輩はなにもわるくないんです。……矢野くんが、…………僕が、…矢野くんを好きでいるのが、ダメで…」
どんどん声が小さくなっていって、また涙が出そうになる。
「……何された」
篤也さんが俯く僕の顔を覗き込む。
先輩が優しく僕の手を握ってくれる。
たまらず瞳から涙が零れて、小さく口を開いた。
「…………トイレで、……口…、無理矢理…、っ…」
そこまで言うと、もう何も言わなくていいと、そう言ってくれてるような篤也さんの腕に抱きしめられて、泣いた。
「……酷すぎる」
先輩が一言つぶやく。
「下衆野郎なのは知ってたけど、糞だな、あのガキ」
ゆっくり背中をなでて、慰めてくれる篤也さんの声に、矢野くんへの怒りを感じる。
「……なるほどな、そりゃ学校行きたくないよな。糞がいるし」
「糞糞言わないでくださいよ……」
「名前も呼びたくねぇ。最低野郎だ」
「気持ちはわかりますけど。……柚野ちゃん、このままじゃ学校どころか外にも出れないよね」
先輩の指が僕の涙を拭う。
「……まこと、とりあえずうちに来い。」
「え?」
「登下校は俺か蘭としろ。とりあえずあの馬鹿どうにかするまで」
決定事項だ。
というような篤也さんに、僕と先輩は顔を見合わせた。
そこから顔を見せるのが矢野くんなんじゃないかと体がゾッと震えたが、顔を見せたのは山梨先輩だった。
それからもう一人。
「まこと、」
あったかい声色にホッとして、ボロボロと泣き出した僕に、篤也さんと山梨先輩がそばに来て慰めてくれた。
嗚咽がまだ止まらなかったけど、ひとしきり泣いてスッキリした僕の肩を抱きながら篤也さんが髪を撫でてくれる。
山梨先輩がそんな僕らの前に腰を下ろす。
「……ぁ、ごめ…っ…なさ…」
嗚咽混じりに篤也さんから体を離そうとすると、山梨先輩が笑った。
「気にしなくていいよ。そんなことじゃ妬かないから」
ほんとに言う通りなんだろう、山梨先輩は気にもとめてないみたいだった。
「おい、ちょっとは気にしろよ」
どちらかと言うと篤也さんの方が気にしてるみたいだ。
「ちょっと、勝手についてきたくせに何言ってるんですか」
「ついてきちゃ悪いか。まことが学校休んでるって聞いたら心配するだろ」
篤也さんに肩を抱かれたまま、二人の言い合いを見ているとなんだか心が休まってきて、気づいたら嗚咽も止まっていた。
篤也さんと山梨先輩、こんなに話せるようになったんだ。
憎まれ口を言い合う二人が微笑ましくて、小さく笑うと、
二人の目が僕を捉える。
「大丈夫?ずっと学校休んでるから心配になって様子見にきたんだ。…病気じゃ、ないみたいだね?」
「でも痩せただろ。ただでさえ細いのに」
肩を抱く篤也さんの手に力がこもる。
「矢野くんに聞いたんだけど、知らないの一点張りだし、今日なんか軽くキレられたよ」
矢野くん、と名前が出た瞬間、体は正直で、強張った体を、肩に添えられた篤也さんの手が感じ取る。
「……またアイツかよ。」
「こないだお昼一緒に食べた次の日から学校来なくなったよね。何かあった?…あの時矢野くん怒らせちゃったみたいだし、僕」
先輩が申し訳なさそうな顔をする。
それに首を振った。
「違います、先輩はなにもわるくないんです。……矢野くんが、…………僕が、…矢野くんを好きでいるのが、ダメで…」
どんどん声が小さくなっていって、また涙が出そうになる。
「……何された」
篤也さんが俯く僕の顔を覗き込む。
先輩が優しく僕の手を握ってくれる。
たまらず瞳から涙が零れて、小さく口を開いた。
「…………トイレで、……口…、無理矢理…、っ…」
そこまで言うと、もう何も言わなくていいと、そう言ってくれてるような篤也さんの腕に抱きしめられて、泣いた。
「……酷すぎる」
先輩が一言つぶやく。
「下衆野郎なのは知ってたけど、糞だな、あのガキ」
ゆっくり背中をなでて、慰めてくれる篤也さんの声に、矢野くんへの怒りを感じる。
「……なるほどな、そりゃ学校行きたくないよな。糞がいるし」
「糞糞言わないでくださいよ……」
「名前も呼びたくねぇ。最低野郎だ」
「気持ちはわかりますけど。……柚野ちゃん、このままじゃ学校どころか外にも出れないよね」
先輩の指が僕の涙を拭う。
「……まこと、とりあえずうちに来い。」
「え?」
「登下校は俺か蘭としろ。とりあえずあの馬鹿どうにかするまで」
決定事項だ。
というような篤也さんに、僕と先輩は顔を見合わせた。
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