君暮らし

ホメオスタシス

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二人暮らし編

展望台

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ほとんど乗客のいないバスに揺られ、30分ほどで展望台近くのバス停に到着した。

あーやは終始、バスの外が気になるようで、窓の外を眺めていた。
未来と今では街もかなり違うのだろう。

山上の博物館行きのバスのため、バスを降りると少し坂を登る必要があった。

経路によると坂を300mほど歩くようだ。

ゆっくり歩いて展望台に着いたときには3時を回ったところだった。

展望台といっても大きいものではなく、木造の小さいもので、苔の生えた石のベンチのようなものがあるだけだ。

すでに朝ごはんが消化され胃の中は空っぽだ。
空腹をこらえ香は少し乱れた呼吸を整える。

「やっとついた...」

吐き出すように言った言葉にあーやが笑って返す。

「ふふっ...だね!...香、いま何時?」

携帯の経路案内機能を終了し、香は時間を確認する。

「んっ、んーと、3時半過ぎくらいだな。なんかあるのか?」

時間を聞いたあーやは辺りを見回す。

「ふーん...じゃあ博物館行きたい!」

「ってどういうことだよ」

時間を確認するやいなや、突然の提案に香は盛大に突っ込む。

「いいから、少ししたらまたここに来よ!香にプレゼントがあるの!」

「なんだそれ...まぁいいや、確か博物館はこの先だよな...てか、さっきのバス乗ったままだったら行けたんだけど...」

歩いて展望台まで行こうというあーやの提案を、無理やりバスで行くことにした香は少し負い目を感じ、博物館に行くことを承諾する。

文句を言いながらも香は歩き出す。

博物館までは少し坂を登る必要がある。
運動不足の香とっては辛い道のりだ。


*****


脹脛に痛みを感じる。
加えて、前傾姿勢だったからだろうか、腰も痛い。

香たちは傾斜のきついさ顔を登りきり、やっとの事で博物館に到着した。

「なんだここ...」

博物館は古い建物で、全くひと気の無い公園のようなものが横にある。
こんな所にバスが走っていることが不思議なくらいだった。

「...なんの博物館なんだ?」

汚れた看板には、花、植物、などの文字が見える。
どうやら自然系の博物館らしい。

少し不気味な雰囲気に香は引き気味だった。
ちらっとあーやに目をやると、こっちをみながらニコニコしている。

「マジで行くの...?」

香の言葉にあーやは満面の笑みで頷いた。
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感想 1

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みんなの感想(1件)

2018.05.05 ユーザー名の登録がありません

退会済ユーザのコメントです

2018.11.19 ホメオスタシス

ありがとうございます。
これからはゆっくり投稿していくつもりです。
私も頑張ります。
執筆頑張ってください。

解除

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