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本編
❖じゅういち
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昨日、つまり日曜日は叶さんと知り合った。叶の都へ行った。黒の蝶持ちとなった。相賀くんに告白をした。勿論、打ち明けるという意味である。かなり恥ずかしかった。黒節に遭遇して、相賀くんが倒した。試験の第二段階を合格して、蝶が緑になった。そして叶屋に帰ってから、夢人については相賀くんと叶さん以外に言わないことを約束した。
どうしよう。今日は翌日の月曜日だ。クラスメイトであり、更に二人しかいないボランティア部の、しかも部長である相賀くんとは顔を合わさない訳がないし、話さざるを得ない。
昨日の出来事が余りにも恥ずかしいものなので出来れば会いたくないのだが、現実は残酷である。
「おはよう」
私はもう既に教室にいた八葉に挨拶した。
「おはよう、望美」
八葉の声にとても癒される。うん、これで一日頑張れそうだ。と、気合いを入れていたら。
ガラガラと教室のドアが開かれる音がして、友人と談笑しながら相賀くんがやって来た。私は彼を見て顔を背けたくなった。しかし彼は気にしていない風なのでいつも通り彼を観察する。というか見てしまう。今日は特に右の手元だ。
彼の右手首には紅色のバングルが光って見える。これは夢人と叶さんにのみ見えるものである。未だに昨日のことは夢なのではないかと思いもする。しかしこのバングルが見える以上、昨日の出来事は実際にあったものである。
私の右手首にも、その証拠はしっかりと存在する。緑のバングルだ。
❖
昼休み。未だに相賀くんを見てしまう。昨日の出来事が頭に張り付いて、離れないために開き直った結果である。
目があった。あ、相賀くんが近づいてくる。何だろう。
「放課後、部活なしになったから叶屋へ直行して」
「わかった」
事務連絡か。それを離れた所から見ていた八葉は私に問いかける。
「ねえ望美。今日はいつもより相賀くんの手を見ているね。あと自分の手も。あんなに『見ているだけ』なーんて言っていた相賀くんとも話していたし。どうしたの?」
「ううん、大きな意味はないの。他人の手が気になるなあ、っていうくらいで。あとはボランティア部についての連絡」
「そうなんだ。うぅん、じゃあ今日はそれで誤魔化されてあげるよ」
八葉、鋭い。
❖
終礼が全て終わって、私は走って叶屋へ向かった。息を切らして入店したときには叶さんにかなり驚かれた。
私は叶さんと相賀くんと一緒に意外な鋭さを見せた八葉への対応についての会議をしていた。そんな時、叶さんがふと思い出したようにある疑問を口にした。
「そういえば、高瀬さんはもう一度叶の都へ行きたい?」
「はい、是非行きたいです!」
私は食い気味に答える。
「そっか……」
叶さんは嬉しそうに目を細めた。
「合格。もう夢人の一員だよ、望美ちゃん」
私の頭上を舞っていた蝶が撫子色に変化した。もう三度目の合格となるけれど、やっぱり嬉しい。
「ありがとうございます! これからもよろしくお願いします。叶さん、相賀くん」
私は頭を下げた。
❖
対八葉の会議の結果、いっそ事情があることは言ってしまおう、という結論に達した。
太陽が山際にほんの少しだけ見えて、赤に染められた雲と夜の紺が鮮やかな頃、私は相賀くんと帰宅した。そしてすぐに蝶の力を借りて叶の都へ意識を飛ばす。
どうしよう。今日は翌日の月曜日だ。クラスメイトであり、更に二人しかいないボランティア部の、しかも部長である相賀くんとは顔を合わさない訳がないし、話さざるを得ない。
昨日の出来事が余りにも恥ずかしいものなので出来れば会いたくないのだが、現実は残酷である。
「おはよう」
私はもう既に教室にいた八葉に挨拶した。
「おはよう、望美」
八葉の声にとても癒される。うん、これで一日頑張れそうだ。と、気合いを入れていたら。
ガラガラと教室のドアが開かれる音がして、友人と談笑しながら相賀くんがやって来た。私は彼を見て顔を背けたくなった。しかし彼は気にしていない風なのでいつも通り彼を観察する。というか見てしまう。今日は特に右の手元だ。
彼の右手首には紅色のバングルが光って見える。これは夢人と叶さんにのみ見えるものである。未だに昨日のことは夢なのではないかと思いもする。しかしこのバングルが見える以上、昨日の出来事は実際にあったものである。
私の右手首にも、その証拠はしっかりと存在する。緑のバングルだ。
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昼休み。未だに相賀くんを見てしまう。昨日の出来事が頭に張り付いて、離れないために開き直った結果である。
目があった。あ、相賀くんが近づいてくる。何だろう。
「放課後、部活なしになったから叶屋へ直行して」
「わかった」
事務連絡か。それを離れた所から見ていた八葉は私に問いかける。
「ねえ望美。今日はいつもより相賀くんの手を見ているね。あと自分の手も。あんなに『見ているだけ』なーんて言っていた相賀くんとも話していたし。どうしたの?」
「ううん、大きな意味はないの。他人の手が気になるなあ、っていうくらいで。あとはボランティア部についての連絡」
「そうなんだ。うぅん、じゃあ今日はそれで誤魔化されてあげるよ」
八葉、鋭い。
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終礼が全て終わって、私は走って叶屋へ向かった。息を切らして入店したときには叶さんにかなり驚かれた。
私は叶さんと相賀くんと一緒に意外な鋭さを見せた八葉への対応についての会議をしていた。そんな時、叶さんがふと思い出したようにある疑問を口にした。
「そういえば、高瀬さんはもう一度叶の都へ行きたい?」
「はい、是非行きたいです!」
私は食い気味に答える。
「そっか……」
叶さんは嬉しそうに目を細めた。
「合格。もう夢人の一員だよ、望美ちゃん」
私の頭上を舞っていた蝶が撫子色に変化した。もう三度目の合格となるけれど、やっぱり嬉しい。
「ありがとうございます! これからもよろしくお願いします。叶さん、相賀くん」
私は頭を下げた。
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対八葉の会議の結果、いっそ事情があることは言ってしまおう、という結論に達した。
太陽が山際にほんの少しだけ見えて、赤に染められた雲と夜の紺が鮮やかな頃、私は相賀くんと帰宅した。そしてすぐに蝶の力を借りて叶の都へ意識を飛ばす。
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