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第2章 主人公のいないストーリー
もう一度燃え上がれ
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ニン。ニン。その程度でござるか。本場日本のヤマトナデシコの実力は実に無念でござる。
くっ。何なのよ。コイツ。こんな妖怪日本に
いたかしら。
京都4聖獣玄武に選ばれた少女は見た事も無い妖怪をジッと見つめ分析した。
赤いサンタクロースのような帽子をかぶった小学生位の身長の小さい爺さんに天狗の様な長い鼻がついてしかも顔は緑色で両手にカマの様な武器を持って高速で動き回る妖怪なんて見た事ない。
見れば見るほど異質なその姿に対策が全く出来ず自慢の鎧で攻撃を防ぐしかできない。
4世獣に選ばれた物はそれぞれその世獣の身体の一部を元に作られた武器や防具を授けられ京都の平和の為に侵略者と戦う使命がある。
もちろん。玄武に選ばれた私にも与えられている。とっておきの防具が。
玄武様から授けられた山の鎧。着ている物に山を動かす程の怪力と山の様な圧倒的な防御力と重さを与える。防御力重視の防具。
玄武様の甲羅の一部を使って産み出された。鎧は緑色の六角形のウロコが無数に張り付いて出来ていて。緑に輝く。神秘的な鎧だ。
この鎧を着れば。短髪メガネで昭和の学生感あふれる鈍臭い私でも戦える。
そこだ。くらえ。邪悪な妖怪。乙女の拳は山より重いのよ。
ブン。ミス。
攻撃は外れた。
ノンノン。タートルガール。ミーは妖怪じゃない。北の国から西洋側についた可愛い妖精さんでござる。
こんな気色悪い極悪面の妖精いるわけないでしょ。
くっ。いわしておけば。もう良いでござる。鎧の間を狙って首を跳ねてやるでござる。
化け物は私の頭めがけてカマを振り下ろした。
きゃつ。
私は思わず目を閉じた。
キン
目を再び開けると私の目にはとんでもない光景が飛び込んできた。
お前は。先代たちに封印されたはず。なのに。何故。ここに。
間違いない。目の前に立っているのは間違いなく奴だ。
茶色のボロボロのコートにジーパンに角刈り頭の冴えないオッサン見たいな姿をしているが私の目はごまかせない。
あの目、何度も死を見届け、何度も死に掛けその度に立ち上がった戦士の目だ。それに、あの老けた顔立ち、もう涙を流し切って悲しみと一緒に優しさも流し切った顔だ。
さらに、眉間に寄ったシワが耐えきれ無いほどの怒りで震えた事を物語っていた。
大妖怪ヌエ。
ガキは引っ込んでな。何かを背負って戦うのは大人の役目だ。小年早く逃げな。
誰が。少年ですか。それに、ガキでもありません。もう高1ですし。大人ですよ。
へつ。そんな身体でか。小学生のガキかと思ったぜ。
それに。私だってまだ戦えます。
そう言った瞬間。さっきのショックで腰を抜かしていたのか。私はその場で尻餅をついてしまった。
全く。ノロマめ。カメはいつになっても鈍臭い奴選びやがる。
キキっ。油断大敵。貴様の血でこの帽子を赤く染めてやるニン。
ザク。
赤く染まったのは我でした。
黙れ。忍者擬き。お前みたいな半端者。俺は認めん。
まあ。俺もそうなんだけどな。じゃあな。少年元気でな。
待ちなさい。ヌエ。妖怪であるあなたを見過ごす事は出来ない。まあ。助けてくれたのは感謝しますが。
それでも。妖怪には変わらない。だから。その。監視しないといけないと言うか。
妖怪か。お前もいつか。人の判断で決める。善悪じゃなく。自分の目で善悪を判断できる様になれ。それまで、お前はまだガキだ。
じゃあな。少年。
だから。私は女です。それに。私には浦島
洋子って名前があるんです。それに。私腰が抜けて動けないんですよ。貴方は動けない女の子を見捨てるんですか。
へえ。じゃあ。俺忙しいから行くわ。じゃあな。カメ。
ちょっとおお。そめて。起こして。この鎧重くて。横になると動けないの。
くっ。何なのよ。コイツ。こんな妖怪日本に
いたかしら。
京都4聖獣玄武に選ばれた少女は見た事も無い妖怪をジッと見つめ分析した。
赤いサンタクロースのような帽子をかぶった小学生位の身長の小さい爺さんに天狗の様な長い鼻がついてしかも顔は緑色で両手にカマの様な武器を持って高速で動き回る妖怪なんて見た事ない。
見れば見るほど異質なその姿に対策が全く出来ず自慢の鎧で攻撃を防ぐしかできない。
4世獣に選ばれた物はそれぞれその世獣の身体の一部を元に作られた武器や防具を授けられ京都の平和の為に侵略者と戦う使命がある。
もちろん。玄武に選ばれた私にも与えられている。とっておきの防具が。
玄武様から授けられた山の鎧。着ている物に山を動かす程の怪力と山の様な圧倒的な防御力と重さを与える。防御力重視の防具。
玄武様の甲羅の一部を使って産み出された。鎧は緑色の六角形のウロコが無数に張り付いて出来ていて。緑に輝く。神秘的な鎧だ。
この鎧を着れば。短髪メガネで昭和の学生感あふれる鈍臭い私でも戦える。
そこだ。くらえ。邪悪な妖怪。乙女の拳は山より重いのよ。
ブン。ミス。
攻撃は外れた。
ノンノン。タートルガール。ミーは妖怪じゃない。北の国から西洋側についた可愛い妖精さんでござる。
こんな気色悪い極悪面の妖精いるわけないでしょ。
くっ。いわしておけば。もう良いでござる。鎧の間を狙って首を跳ねてやるでござる。
化け物は私の頭めがけてカマを振り下ろした。
きゃつ。
私は思わず目を閉じた。
キン
目を再び開けると私の目にはとんでもない光景が飛び込んできた。
お前は。先代たちに封印されたはず。なのに。何故。ここに。
間違いない。目の前に立っているのは間違いなく奴だ。
茶色のボロボロのコートにジーパンに角刈り頭の冴えないオッサン見たいな姿をしているが私の目はごまかせない。
あの目、何度も死を見届け、何度も死に掛けその度に立ち上がった戦士の目だ。それに、あの老けた顔立ち、もう涙を流し切って悲しみと一緒に優しさも流し切った顔だ。
さらに、眉間に寄ったシワが耐えきれ無いほどの怒りで震えた事を物語っていた。
大妖怪ヌエ。
ガキは引っ込んでな。何かを背負って戦うのは大人の役目だ。小年早く逃げな。
誰が。少年ですか。それに、ガキでもありません。もう高1ですし。大人ですよ。
へつ。そんな身体でか。小学生のガキかと思ったぜ。
それに。私だってまだ戦えます。
そう言った瞬間。さっきのショックで腰を抜かしていたのか。私はその場で尻餅をついてしまった。
全く。ノロマめ。カメはいつになっても鈍臭い奴選びやがる。
キキっ。油断大敵。貴様の血でこの帽子を赤く染めてやるニン。
ザク。
赤く染まったのは我でした。
黙れ。忍者擬き。お前みたいな半端者。俺は認めん。
まあ。俺もそうなんだけどな。じゃあな。少年元気でな。
待ちなさい。ヌエ。妖怪であるあなたを見過ごす事は出来ない。まあ。助けてくれたのは感謝しますが。
それでも。妖怪には変わらない。だから。その。監視しないといけないと言うか。
妖怪か。お前もいつか。人の判断で決める。善悪じゃなく。自分の目で善悪を判断できる様になれ。それまで、お前はまだガキだ。
じゃあな。少年。
だから。私は女です。それに。私には浦島
洋子って名前があるんです。それに。私腰が抜けて動けないんですよ。貴方は動けない女の子を見捨てるんですか。
へえ。じゃあ。俺忙しいから行くわ。じゃあな。カメ。
ちょっとおお。そめて。起こして。この鎧重くて。横になると動けないの。
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