東西妖怪大戦争

ビッグバン

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第2章 主人公のいないストーリー

さよなら ノーマルエンド

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虚な顔で出てきた幽太に向かって天彦は言った。
君はあれで良かったのか?幽太君?

幽太は答えた。
良かったもなにも無い。例え納得できなくても飲み込むしか無い。こればかりはどうしようも無い。

丹念は幽太の肩を叩きこう言った。
そうだ。それで良い。不条理を受け入れてこそ君は大人になれるんだ。後の事は任せてくれ。俺も一応僧だからな。最高の葬儀で彼女の身体を天に届けよう。

そう言うと丹念は病室に入ってしまった。

幽太は自分に言い聞かせる様に呟いた。
これでいいんだ。これで。

幽太が目を覚ましてすぐ幽太は事情を聞くと他の者達を部屋から追い出し植物状態の女のカボチャの被り物を取った。

心の中で頼む他の人であってくれと願いながら、しかし、やはり、予想通りだった。

魔央さん。幽太は消える様な声で呟いた。

やっぱり。魔央さんだ。あの夢で見た通りだ。綺麗だ。

俺は寝ている彼女をそっとだきかかえ彼女にそっとキスをした。

そして。彼女の生命維持装置の電源を切った。

辺り一面にピィーと言うエラー音が響き渡り、彼女の終わりを知らせた。

これでいいんだ。彼女はあくまで夢の中の人物、二次元のもの。この心も何かの気の迷い何だ。それにもう戻れない。俺は押してしまった。彼女を殺してしまった。

でもこれでいいんだ。彼女もやっと楽になれたんだ。これでめでたしめでたしだ。

その後、病室から出てきた丹念さんによって俺はこの事件に関する記憶を消されてしまった。



あれから3年後、俺身体の傷も治り今は京都を出て東京で働いている。だけど、何かがおかしい。ふとした時に何故か悲しくなるんだ。屋台の提灯やハロウィンによくあるカボチャを見るたびに心が痛むんだ。

何故だか。分からないけど。何も無い所で良く転ぶ様にもなった。

それだけじゃない。街中の裏通りや人混みの中から誰かに見られてる気がする。

気のせいかな。でもこれでいい気もするんだ。何かよくわからないけどいつか俺もそっちに行く気がするから。

そっち側に行った時に胸を張れる様にとりあえず今は全力で駆け抜けよう。さあ今から営業だ。

俺は夕暮れの街を全力で駆け抜けた。
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