東西妖怪大戦争

ビッグバン

文字の大きさ
40 / 40
第2章 主人公のいないストーリー

いざあの世へ

しおりを挟む
そんじゃあ行くで少年。まずは彼女の所まで連れて行ってくれんか。
病室に着いた瞬間、そこにいた丹念を見た無念は固まった様な笑顔でこう言った。
おう。久しぶりやのう。

その瞬間、丹念は立ち上がり、数珠を取り出し殴りかかろうとした。
お前は。

無念は身の危険を感じたのか慌てて丹念を止めた。ちょい待ち。今回ワシは敵じゃない。そこのお嬢さん助ける手伝いに来ただけや。
ちょいとそこの機械借りるで
そう言うと残念は生命維持装置のモニターにゲームのカセットの様な物を放り込んだ。
その瞬間、まるで水に物が落ちる様にゲームのカセットはモニターに吸い込まれ水の波紋の様な穴が空いた。

無念は俺を見て道具を取り出しながらこう言った。
はい。準備完了や。あとこれ渡しとくわ。あの世の通交手形。これがあれば川を渡れるはずや。まあだだ船を出してる奴がかなり変人やから。気をつけてな。

無念は丹念に向き合うと真剣な顔でこう言った。あと。お前さんも協力してくれ。丹念。お前さんのナビの力。敵であるワシが一番すごい事知っとるで。お前さんの力ならあの若者の力になれるはずや。

丹念。ワシ知っとるで。お前さんがナビに頼る理由。自分の道標になる自分の道を照らしてくれた太陽の様な人を無くしたからやろ。だから、機械に頼って道を選んどるんやろ。でもなもうお前にナビは必要ないワシらとの戦いを通じてお前は十分輝く存在になっとる。

敵であるワシが補償したる。ワシらにはお前のその輝きは眩しすぎるほど輝いとったで。

そうやな。ワシらとは逆でお前の中には太陽の様な光の言葉が胸の中にあるやろ。それさえあれば立ち上がれるはずや。

ワシらは逆にどんな時でもワシらを攻めて消える事のない呪いの言葉が胸ん中に残っとんねん。その言葉が常にワシらを苦しめる。

でも、お前は違う。必要な物はもうお前の胸の中にあるやろ。だから、自分の行く道ぐらい自分で照らせるどころか周りの人間の道を照らせる程にな。

なのに、勝手に拗ねていじけてこんな場所で油売っとんのや。

敵やからこそ分かるんや。お前の強さを。悪やからこそ誰よりも知ってるんや。痛みを。ワシら鬼は誰よりも弱いだから悪に落ちたんや。絶望した時辛い時ワシらは誰一人助けてくれる人がおらんかった。恨み怒り悲しみを抱えたまま死ぬしか無かった。

そんなワシらは当然世の中を恨んどる。だから鬼の大将さまのシンパシー事件に手を貸したんや。恨む事しか許されんかったからな。

だから誰よりもワシらは分かる。強さは弱さやと言う事を。たがら誰よりも知ってるお前の強さを。

うるさい。敵のお前にそんな事言われても無理だ。俺は死者に執着するのを手助けしたくない。

相変わらず頭かったいな。これやから坊主は。良いか。あの子はまだ仮死状態まだ完全な死じゃない。死にかけの病人を救う事がお前の仏道に反することか。

そう言うことならしかたない手をかそう。

相変わらず。頑固なんかチョロいんかわからん奴やな。でもまあ良い。これで準備は出来た訳や。


まあ頼みます。向こうに着いたら修行でもして強くなってから行くと良い。あの世での時間はこちらの世界と比べて時間の進みが早い。あちらの一年がこちらでは1秒もかからんくらいにな。だからじっくり修行するといい。あっちでお前さんの面倒見てくれる師匠も用意しとるからな。修行頑張りや。

やけに準備がいいな。さては、一般人を教育して軍団を再結成してまた京都の街を乗っ取るつもりじゃないだろうな。

んー。ヒュー。そんなわけないやん。鵺さんがいなくなった今ワシら幹部は改心してん。今のワシらは人々を楽しませるクリエイターやねん。これでがっぽり軍資金を。じゃなかった。人々の笑顔の為にゲームを作っただけや。

まあ。そう言う訳や。じゃあ言って来い。無念は俺の背中を掴みモニターの穴に向けて放り投げた。

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...