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結晶の世界
黄昏を求めたその瞳
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ーこの世界は愛で満ち溢れているー
ーこの世界に悲劇など起こらないー
・・・
ーこの世界からは逃れる術などないー
この文章は国王の定めた教本の1節である。
何者にも平等に、平和が約束されるという意味である。
そしてそこからは逃れることができない、と。
その言葉は真実であった。
・・・一部の人間に対しては。
とある山奥、1人の少年が平穏に暮らしている家があった。
そこは小川が流れる静かで質素な家で、生きていくは最低限だが充分なものであった。
そこで少年は平穏に暮らしていた。
・・・ 【神隠し】と呼ばれる集団に襲撃されるまでは
「離せっ・・・離してくれよ!」
『ガキは黙ってるんだなァ?』
「くっ・・・俺がなにかしたのかよ!」
『俺様の前を通った。 それが理由だ』
「ッ・・・離せよ!離してくれよ!」
『しつこいガキだな。 どれ、少し眠ってろ』
少年の体に電気がほとばしる棒状の物が振り下ろされる
「がぁぁぁ・・・あ・・・ぁ」
『おっと、やり過ぎるなよ? 大事な結晶持ちの商品だ』
『わかってるよ。こんなガキに懐く魔物がいるなんて驚きだぜ』
『ちげぇねえ。 おかしなもんだな』
少年は気を失い、 【神隠し】たちはそれを確認すると荷馬車に彼を縛り付け、山を下っていった・・・
△▽△▽△▽△▽△▽
「痛・・・てて・・・」
目が覚めたら周りは黒色。
いや、灰色?なんじゃこれは。
そしてこの部屋には窓がない。
なにより目の前は鉄格子・・・
「あら、捕まっちゃった感じですか」
「うるせえ!他に何があるんだ馬鹿野郎!!」
「あっ、どうも。 新入りでございます」
「だからうるせえって言ってんだよ!」
ほらほら、こんな所に閉じ込めるからストレスが溜まってしまうんですよ、看守さ・・・あれ。
これ、不味くないかな。
周りは少年少女。
皆鎖に繋がれてそれぞれ牢屋に二人づつ詰め込まれている。
ほら、あそこの子なんてママー!って助け求めてるじゃん。
助けてあげないとな・・・
そう思い立ち立ち上がろうとした所・・・
ガシャンッ!!
「あ、これ俺にも付いてるのね」
「お前・・・本物の馬鹿野郎だな・・・」
「まぁこのくらいなら・・・」
「ふんぬ゛っ!!」
バチン!
と、弾けるように鎖が吹き飛んだ。
昔から力に自慢はありますとも。
「その力・・・まさかお前も結晶持ちなのか?」
「結晶?」
「あぁ、結晶だよ! あ!ほら!」
「お前の右目。 宝石みたいな色してるじゃねえか!」
「あぁ・・・これ。 これはー・・・え・・・何、嘘?」
「何だ?お前知らなかったのか?」
「そんなのおかしい・・・でもやるなら今しか・・・」
「待ってくれ。 何を企んでいるかは知らんが協力なんてしないぞ、絶対」
「・・・本当に馬鹿だな。 ここから脱出する」
「我とお前で。 悪い話じゃないだろう?」
「・・・乗った。」
「じゃあまずは」
「お前の力でこの鎖を壊してくれ」
結晶にはいくつかのタイプがある。
それは結晶化する前の生物の素質、特徴を濃く引き継ぐ物となっており、炎を吐くドラゴンなら体から炎を作れたりする。
それとドラゴンは一般的に力が強い。
なので自身のステータスにもその力の一部が加算される、と言えばわかりやすいだろうか。
「こんな解説会早く終わらせて早く自由になりたいもんだな」
「お前・・・馬鹿どころか頭のネジ外れたのか?」
「いや、独り言だ。 そっとしておいてくれ」
現在俺達は他の子供の鎖も壊して、螺旋階段を降りている。
どうやらこの階段しか下に続く道はないようで、脱走した俺らにはその階段を降りる以外選択肢は無かった。
半分ほど降りてきたかと思ったその時、不意に体が宙に浮いた。
「おい、大丈夫か!」
うむ、とても苦しいです。
しかしここで足を止めさせては皆殺しだ・・・
「俺のことはいい!先にいけ!」
「ここは俺が・・・食い止める(キリッ)」
「釣られてる奴が言うんじゃねぇ!」
「我らは先に下に降りるからな!絶対来いよ!」
「あぁ!」
ふと首に重力がのしかかる感覚。
「あぁーー。」
釣られました。一本釣り。
一本釣りってさ、カジキとかマグロとかカジキマグロとかでするイメージがあるじゃない?
人間を釣り上げるなんてどんな奴だよ
HAHAHA・・・
『ヒャッハー!! 人間の子供の一本釣りだぜ!』
「・・・」
そこに居たのは釣竿を掲げはね回る魚人。
なんだこの屈辱感は・・・
俺人間ぞ。
人間ぞ。
人の間と書いて・・・え?もういい?
わかった。
「あのさぁ、君。 俺、ピーポー」
『ピーポー?なんだそりゃ。』
『俺は金と力と女以外に興味はないんでな』
これはダメなやつだ。
いっその事ぶちのめしてやろうか。
俺の結晶の能力はどうやら身体能力の超向上のようだ。
だって力入れても炎も氷も涙も血も餅も団子もでない。
後半食べたいものだったけど。
・・・あれ?アカン。力が入りません。
『この釣り針は結晶の能力を封じるんだよ』
「え、何それ。 1話目から能力ブレイクしてくんの?」
『あ?てめぇ何言ってんだ』
「あ、独り言。 独り言」
『お、おう・・・』
人間を一本釣りした魚人と釣り針の刺ささってさらに釣り糸が絡まった子供の戦いが今・・・始まる!
「すみません、すぐに決着つきそうなんですけど」
『あ? てめぇ誰と話してんだよ』
ーこの世界に悲劇など起こらないー
・・・
ーこの世界からは逃れる術などないー
この文章は国王の定めた教本の1節である。
何者にも平等に、平和が約束されるという意味である。
そしてそこからは逃れることができない、と。
その言葉は真実であった。
・・・一部の人間に対しては。
とある山奥、1人の少年が平穏に暮らしている家があった。
そこは小川が流れる静かで質素な家で、生きていくは最低限だが充分なものであった。
そこで少年は平穏に暮らしていた。
・・・ 【神隠し】と呼ばれる集団に襲撃されるまでは
「離せっ・・・離してくれよ!」
『ガキは黙ってるんだなァ?』
「くっ・・・俺がなにかしたのかよ!」
『俺様の前を通った。 それが理由だ』
「ッ・・・離せよ!離してくれよ!」
『しつこいガキだな。 どれ、少し眠ってろ』
少年の体に電気がほとばしる棒状の物が振り下ろされる
「がぁぁぁ・・・あ・・・ぁ」
『おっと、やり過ぎるなよ? 大事な結晶持ちの商品だ』
『わかってるよ。こんなガキに懐く魔物がいるなんて驚きだぜ』
『ちげぇねえ。 おかしなもんだな』
少年は気を失い、 【神隠し】たちはそれを確認すると荷馬車に彼を縛り付け、山を下っていった・・・
△▽△▽△▽△▽△▽
「痛・・・てて・・・」
目が覚めたら周りは黒色。
いや、灰色?なんじゃこれは。
そしてこの部屋には窓がない。
なにより目の前は鉄格子・・・
「あら、捕まっちゃった感じですか」
「うるせえ!他に何があるんだ馬鹿野郎!!」
「あっ、どうも。 新入りでございます」
「だからうるせえって言ってんだよ!」
ほらほら、こんな所に閉じ込めるからストレスが溜まってしまうんですよ、看守さ・・・あれ。
これ、不味くないかな。
周りは少年少女。
皆鎖に繋がれてそれぞれ牢屋に二人づつ詰め込まれている。
ほら、あそこの子なんてママー!って助け求めてるじゃん。
助けてあげないとな・・・
そう思い立ち立ち上がろうとした所・・・
ガシャンッ!!
「あ、これ俺にも付いてるのね」
「お前・・・本物の馬鹿野郎だな・・・」
「まぁこのくらいなら・・・」
「ふんぬ゛っ!!」
バチン!
と、弾けるように鎖が吹き飛んだ。
昔から力に自慢はありますとも。
「その力・・・まさかお前も結晶持ちなのか?」
「結晶?」
「あぁ、結晶だよ! あ!ほら!」
「お前の右目。 宝石みたいな色してるじゃねえか!」
「あぁ・・・これ。 これはー・・・え・・・何、嘘?」
「何だ?お前知らなかったのか?」
「そんなのおかしい・・・でもやるなら今しか・・・」
「待ってくれ。 何を企んでいるかは知らんが協力なんてしないぞ、絶対」
「・・・本当に馬鹿だな。 ここから脱出する」
「我とお前で。 悪い話じゃないだろう?」
「・・・乗った。」
「じゃあまずは」
「お前の力でこの鎖を壊してくれ」
結晶にはいくつかのタイプがある。
それは結晶化する前の生物の素質、特徴を濃く引き継ぐ物となっており、炎を吐くドラゴンなら体から炎を作れたりする。
それとドラゴンは一般的に力が強い。
なので自身のステータスにもその力の一部が加算される、と言えばわかりやすいだろうか。
「こんな解説会早く終わらせて早く自由になりたいもんだな」
「お前・・・馬鹿どころか頭のネジ外れたのか?」
「いや、独り言だ。 そっとしておいてくれ」
現在俺達は他の子供の鎖も壊して、螺旋階段を降りている。
どうやらこの階段しか下に続く道はないようで、脱走した俺らにはその階段を降りる以外選択肢は無かった。
半分ほど降りてきたかと思ったその時、不意に体が宙に浮いた。
「おい、大丈夫か!」
うむ、とても苦しいです。
しかしここで足を止めさせては皆殺しだ・・・
「俺のことはいい!先にいけ!」
「ここは俺が・・・食い止める(キリッ)」
「釣られてる奴が言うんじゃねぇ!」
「我らは先に下に降りるからな!絶対来いよ!」
「あぁ!」
ふと首に重力がのしかかる感覚。
「あぁーー。」
釣られました。一本釣り。
一本釣りってさ、カジキとかマグロとかカジキマグロとかでするイメージがあるじゃない?
人間を釣り上げるなんてどんな奴だよ
HAHAHA・・・
『ヒャッハー!! 人間の子供の一本釣りだぜ!』
「・・・」
そこに居たのは釣竿を掲げはね回る魚人。
なんだこの屈辱感は・・・
俺人間ぞ。
人間ぞ。
人の間と書いて・・・え?もういい?
わかった。
「あのさぁ、君。 俺、ピーポー」
『ピーポー?なんだそりゃ。』
『俺は金と力と女以外に興味はないんでな』
これはダメなやつだ。
いっその事ぶちのめしてやろうか。
俺の結晶の能力はどうやら身体能力の超向上のようだ。
だって力入れても炎も氷も涙も血も餅も団子もでない。
後半食べたいものだったけど。
・・・あれ?アカン。力が入りません。
『この釣り針は結晶の能力を封じるんだよ』
「え、何それ。 1話目から能力ブレイクしてくんの?」
『あ?てめぇ何言ってんだ』
「あ、独り言。 独り言」
『お、おう・・・』
人間を一本釣りした魚人と釣り針の刺ささってさらに釣り糸が絡まった子供の戦いが今・・・始まる!
「すみません、すぐに決着つきそうなんですけど」
『あ? てめぇ誰と話してんだよ』
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