カルバート

角田智史

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 真理恵にくびったけ 7

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 仕草も綺麗な髪も、大きな目も変わっていなかった。
 真理恵はやはり、ビールを頼んだ。
 「山之内さん異動になったんでしょ?」
 真理恵は聞いてきた。
 「あーそうそう。」
 「一回あの子と3人で飲みに行こうって話にはなったけど、結局行ってないんですよー。」
 山之内の話から、ママレードのオーナーの話から、ここ一年間の話題を差し障りなく展開していった。そんな中、僕は切り込んだ。
 「聞いていいのか分からんちゃけど…、子供生まれたん?」
 「…はい、生まれました、誰から聞きました?」
 真理恵は観念したように言った。
 「んー、古賀さんやったかなー。」
 「えー?なんで、どうやって知ったっちゃろー。でも、もう私、結婚はしないんですよー。もー私には向いてないと思って。」
 いつだって真理恵は、深く聞いていいものかどうか、際どい事を言ってくる。僕は相槌を打つ以外、方法はなかった。そんなに真理恵への想いは僕の中で変わっているわけではなかった。ただ、真理恵ともしも、くっつくような事があれば、2人もろとも堕ちていく事は、もうこれまでのやり取りで分かり切っていた。この今回の誘いがなければ、それはそれである意味良かったのだ。
 よって、それより深くは、僕は何も聞かなかった。そして準備していた出産祝いを渡した。
 「ありがとうございます。ホントにビックリしすぎて何て言っていいかわかりません。」
 少し赤らんだ顔で真理恵は言った。
 父親を全く知らないようだったら渡してない、その事も僕は、伝えはしなかった。

 串カツ屋を出て、僕らは言っていたラウンジへ向かった。
 僕としても店に入るとすれば久々だったが、正直あまりいい店ではない。それは働くサイドからの意見も、実際に客として行った時も、感じる事だった。真理恵が働くとなれば、顔は見せるだろうが、そんなに頻繁に通う事は考えられなかった。
 元々はここのボーイが真理恵と知り合いで、その人間から真理恵は誘われているようだった。
 店の前まで来たが、真っ暗だった。ある程度、僕の中では予想がついていた事だったが、真理恵はその知り合いに電話をかけていた。
 「出ません。」
 真理恵は少し怒ったように、そして投げやりになっていた。
 「どうする?俺の行きつけでも行く?」
 僕はMKの方を指差して言った。
 「行きましょう!」
 「でもなあ~…、今日古賀さんいる予感がするんだよなあ~。」
 「もういいじゃないですか、行きましょう!」
 僕らはMKへの階段を上っていった。

 僕はまた、店の女の子の反応が楽しみにもなっていた。
 
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