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人間失格Ⅲ
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僕はかおりと再会する前、「人間失格Ⅱ」の登場人物の小松と会っていた。
それは、ただ単純に嫁子供が土日に実家の片づけに行くというので、僕が暇を持て余したからだった。
以前何度か、そういった時に延岡で、古賀さんと女の子と飲んで朝まで、といった事はあったものの、それはそれで楽しくないわけではないんだけれども、次の日を丸一日、二日酔いで棒に振るにしては少し、物足りないものだった。
僕は久々に小松に連絡を取ると共に、向こうで出会ってもう6年経つ女の子にも、連絡を取ったのだった。
小松とも久々に会って、彼の生まれた子供、育休の話、またその周辺の話、彼の趣味の株だとか、ギャンブルだとかの話、その辺りの感覚も、僕にとっては新鮮で、違う世界とその生活の話を聞けて、有意義な時間だった。
その時に僕は聞いたのである。投稿サイトの存在を。
彼は実際に投稿した事があるらしく、色々と詳しかった。それがきっかけで僕はこうやって書き進めている。
その時に僕は小松に打ち明けた。
18年ぶりのかおりとの再会を控えている事も。
そしてその一週間程経ってまた、小松からの連絡がきたのである。
それは同じく「人間失格Ⅱ」に登場した岩元が、祖母の一回忌で帰ってくるからさとしも誘って飲みに行こうというLINEのスクショだった。
僕は、全ての流れがそうなっていると感じ、今度は嫁子供は実家に帰るわけではなかったけれども、これは何が何でも行っておくべきだと思い、僕はそれを承諾したのだった。
3人とも何も、変わっていなかった。
小松とは定期的に、とまではいかないが、時々、飲みに行ったりしていた。ただ、岩元に関しては関東の方に行った事もあって、それこそ10年とか15年とか、それくらいぶりに会うのだった。時折、小松と岩元は会っていたようだったが、僕はそれに混じっていなかった。
それは、岩元が僕の結婚式に来なかったからであった。
当時はやはりもう、僕は腹を立てていたのであるが、今となっては正直、そんな事忘れていた。
2軒目のスナックで謝ってきたのだった。「あの時は若かった、申し訳ない」と。「いやいやもう、全然いいよ」と言った僕との2人の空間は、下宿していたあのアパートを懐かしく感じさせた。
彼は僕の誕生日を覚えている事をアピールしてきたが、それはそれで純粋に嬉しく思った。僕はと言えば、酔っていてすぐに彼の誕生日は出てこなかったものの、僕のiPhoneに誕生日を登録されているたった2人のうちの1人だった。
小松はかおりと会った時の事を聞いてきた。
「どうやったとや?」
と。
「いや、良かった。」
「いや、どうやったとや?」
「いや…良かった。」
それ以上に言葉は出てこなかった。この感覚は昔からの友人である小松にも、説明は難しかったのである。
そんな2人に、また書く、書いている事を伝え、この不思議な巡り合わせに乗っかる事、そしてそれを突き通す事、何が生まれるか、何が待っているか、それは到底分からないけれども、ただ、これを、やってみよう、そう思ったのだった。
それは、ただ単純に嫁子供が土日に実家の片づけに行くというので、僕が暇を持て余したからだった。
以前何度か、そういった時に延岡で、古賀さんと女の子と飲んで朝まで、といった事はあったものの、それはそれで楽しくないわけではないんだけれども、次の日を丸一日、二日酔いで棒に振るにしては少し、物足りないものだった。
僕は久々に小松に連絡を取ると共に、向こうで出会ってもう6年経つ女の子にも、連絡を取ったのだった。
小松とも久々に会って、彼の生まれた子供、育休の話、またその周辺の話、彼の趣味の株だとか、ギャンブルだとかの話、その辺りの感覚も、僕にとっては新鮮で、違う世界とその生活の話を聞けて、有意義な時間だった。
その時に僕は聞いたのである。投稿サイトの存在を。
彼は実際に投稿した事があるらしく、色々と詳しかった。それがきっかけで僕はこうやって書き進めている。
その時に僕は小松に打ち明けた。
18年ぶりのかおりとの再会を控えている事も。
そしてその一週間程経ってまた、小松からの連絡がきたのである。
それは同じく「人間失格Ⅱ」に登場した岩元が、祖母の一回忌で帰ってくるからさとしも誘って飲みに行こうというLINEのスクショだった。
僕は、全ての流れがそうなっていると感じ、今度は嫁子供は実家に帰るわけではなかったけれども、これは何が何でも行っておくべきだと思い、僕はそれを承諾したのだった。
3人とも何も、変わっていなかった。
小松とは定期的に、とまではいかないが、時々、飲みに行ったりしていた。ただ、岩元に関しては関東の方に行った事もあって、それこそ10年とか15年とか、それくらいぶりに会うのだった。時折、小松と岩元は会っていたようだったが、僕はそれに混じっていなかった。
それは、岩元が僕の結婚式に来なかったからであった。
当時はやはりもう、僕は腹を立てていたのであるが、今となっては正直、そんな事忘れていた。
2軒目のスナックで謝ってきたのだった。「あの時は若かった、申し訳ない」と。「いやいやもう、全然いいよ」と言った僕との2人の空間は、下宿していたあのアパートを懐かしく感じさせた。
彼は僕の誕生日を覚えている事をアピールしてきたが、それはそれで純粋に嬉しく思った。僕はと言えば、酔っていてすぐに彼の誕生日は出てこなかったものの、僕のiPhoneに誕生日を登録されているたった2人のうちの1人だった。
小松はかおりと会った時の事を聞いてきた。
「どうやったとや?」
と。
「いや、良かった。」
「いや、どうやったとや?」
「いや…良かった。」
それ以上に言葉は出てこなかった。この感覚は昔からの友人である小松にも、説明は難しかったのである。
そんな2人に、また書く、書いている事を伝え、この不思議な巡り合わせに乗っかる事、そしてそれを突き通す事、何が生まれるか、何が待っているか、それは到底分からないけれども、ただ、これを、やってみよう、そう思ったのだった。
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