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avid
03.NO PAIN NO GAIN????
しおりを挟む許嫁の兄。僕は、少女の変化が悪魔によるものだと結論付け、大した捜査を行わない劇場の人間に腹が立ち、一人で捜査を行うことにした。
血がこびりついたハンカチ。
泥に汚れた少女のドレス。
弟よりも、僕よりも大きな足を持った人間用の靴。
それら全てが見つかったのは少女の部屋だった。目の前で人が消えた、少女の部屋だった。
少し前から人の呻き声が聞こえると噂されている地下室に向かおうとした時、ふと、弟の部屋が気になった。
健気で、穏やかで、笑顔が下手で、誤解されやすい僕の弟。
昔からずっと可愛くて、秘密が多い、僕の可愛い可愛い弟の部屋だ。
心の中で弟に謝りながら部屋に足を踏み入れ、箪笥を開いてみる。
弟の服やへそくり。
少女から貰ったであろうアクセサリーの数々。
昔からそうだ。
弟は大切なものを箪笥の隅に隠す癖があるんだ。
「なら、もし僕に対して隠し事をしているのなら箪笥に全てがあるかもしれない」
そう思った僕が引き続き、箪笥を漁っていると、嫌な予感がした。
ボロボロの箱。
持ち上げると中に入った何かが動く音がした。
背後を確認してから、箱を開いた。
中には。
「兄さん?」
箱を背後に隠した。
「どうした」
「何を隠してるの?」
僕は、箱を弟に差し出した。
「これは何」
弟は黙り込んだ。
「なんでもないよ」
震えている弟の手。
箱を僕の手から取り上げる弟。
ずっと、僕の、可愛くて、穏やかで、昔からずっと隠し事が下手な可愛い僕だけの弟は、少女の変化とは無関係だと思っていた。
僕が、弟の部屋から使い古した鞭を見つけるまでは。
使い古した鞭のことを、どこかで聞いたのか、劇団の人間皆が知った。
「弟がそんなことをするわけがない」
僕は頑なだった。
「きっと騙されているんだ」
頑なだった。
「僕の弟が暴力なんて振るうわけがない」
結論はこうだった。
「親しい人間からの暴力と、主役を演じる事の圧力で悪魔のような声を出した」
「許嫁のせいで彼女の人格が分裂した」
「全ては許嫁の暴力のせいだ」
「そんなわけがない」
僕は頑なだった。
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