VaD

正君

文字の大きさ
上 下
38 / 40
DIVA

12.貴方は私の鬼灯な蠍座

しおりを挟む

 手を繋いだ。

「明日やるよ」
 考えてることはひとつだった。
「私達が先頭に立つのか」
「不満持ってる人が思ってたよりも居た」
「怖い」
「怪我したくない」
 みんな考えてることは一緒だった。

「40年前の小説が今更ベストセラーだよ」
「作者さんはおじいちゃんかおばあちゃんになってるのかな」
「喜んでくれるかな」
「もし考察が間違ってたらどうする?」
「そのおかげでどれだけの人間が不満持ってるか分かったんだよ」
「作者さんはどう思ってるのかな」
「作者さんがご存命かも分からないじゃん」

 狭くて薄暗いコンクリートの廃墟。

 色んな人間が集まってくれた。

「長女、最後に言いたいことはある?」
 次女の言葉。

 立ち上がった。
 彼女はどこからかラジカセを取り出した。
 古くて、音が鳴るのが奇跡レベルのラジカセ。

──────────

 2060年代にラジカセやで?やばない?どっから見つけてきたんって感じよな。
 まあ流れても音ガビガビらしいけど(笑)

 長女さんは踊ったんやってさ!やばない?
 ガッビガビの音やで?踊ってんの!
 みんなドン引きよ!でもなんかみんな感動しちゃったらしくて!それでみんなで一緒に踊ったんやってさ!
 四女さんってダンス上手いらしいやん?もうみんな感動レベルよ!知らんけど(笑)
 虎のタトゥーが生きてるみたいって言うてる人もおったって。
 まあ言うたん六女なんやけど。あの子意外と感受性豊かよな~。

 そんで、そうやって明日への決起みたいなん高めて、朝になったらみんなで出てデモ活動したんやって!
 この時代ってまあデモめっちゃ起きてたらしくてさ…えぐない?
 まあ言うて25年頃に比べたらマシなんやけど(笑)

 まあ話せんのはここまでよ。
 続きはちゃんと書いてあるからそれも読んで!



なあ!ヘイ!!これで良かったか!?
「任せるから好きに書いて」言われたけどうちにどう書け言うんよ!!(笑)
中途半端なとこで投げ出しよって!!
小説もよう分からんし!設定も意味不明やし!
なんやねんヒップホップって!
まあそんなん置いといて…(笑)

今もあんたに会いたいよ。
今あんたが居る場所が、あんたと私が居たこの世界よりも穏やかで平穏であれば良いなって思ってる。

今も昔も、誰よりも愛してるよ。
おやすみ。
お疲れさま。
しおりを挟む

処理中です...