VaD

正君

文字の大きさ
上 下
39 / 40
DIVA

XX.思い出全てが金継ぎな蛇使い座

しおりを挟む

「大昔に書かれた小説に影響されるなんて馬鹿だと思われるかな」
 自嘲するような声の三女。
「馬鹿にされてもいいよ」
 立ち上がる長女。
「差別が悪化するかな」
 怯える五女。
「私達だけがやったことにしよう」
 立ち上がる四女。
「恐れられて、敬われて、何もかもを持ってる者が男なのなら、私達は今誰よりも男だよ」
 長女はフードを深く被った。
「顔を隠しても体格で女だってバレるよ」
 七女はマスクをしながらそう言った。
「女があえて顔を隠すかを考えさせなきゃいけない」
 爪を整える六女。
「大人には響かなくていい」
 胸を張る次女。
「私達が未来を作らなきゃいけないんだよ、7個の脳を使って」

 7人は歩いた。あの4人のように。
 7人は愛した。あの6人のように。

「ぶち殺してやろう」


 見所なんてなくて良い。不幸になんてならなくて良い。
 伏線なんて気にするな。
 私達の人生は小説じゃない。

「…カット!オッケーです!お疲れさまでした!!」
 ほざいてろ全人類。
 勝手に見下してな全人類。
しおりを挟む

処理中です...