シンクロアビリティ <声優は異世界でなりきる?!>(イメージ図あり)改訂版

ちびちゃ

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準備編

異世界

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    2話  異世界





友人からメールが入った
「遠崎愛姫が行方不明らしいよ」

結婚を機にあまりアニメは見なくなっていたのだけど、
友人の会社での仕事中2時間位時間をつぶさないとならない時があり、
その時に「この前渡したDVDでも見てればいいじゃん」と社長に言われ
(友人だからねw)話題にはなっていたから見てみたいとは思ってたけど
見てなかった女子高生が部活でまったりとバンドするアニメを見て、
昔のアニメ好きに火が付いてそのアニメをきっかけに
ファンになった女性声優が行方不明だと言うのだ。
早速、ネット検索してみると事実らしく、
他にも数名女性声優ばかりが行方不明らしい。

そんなニュースから1ヶ月、行方不明になった女性声優は誰も見つからず、
それどころかどんどん人数が増えて20数名になっていた。
当初は、声優による集団ボイコットか?なんて話しもあったが、
すぐに否定されどこかの国でアニメを作るために拉致されたのでは?
なんて声も上がっていたのだが
護衛を付けた声優さんが帰宅後、忽然と姿を消した事案があり、
異世界召喚説が有力になっていた。
そして異世界召喚があるなら俺も行きてえ!と本気で思う様になっていた。

そんなある日、定休日にしている土曜日のお昼過ぎ、
店の倉庫の上に作ったBBQバーベキュー場で
生ビールを飲みながらひとりで肉を焼いていると、
『わたしにもその飲み物をもらえるかしら?』突然、後ろから声がした!?








◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








その世界の名前は[テンプレート]

およそ700年前に誕生したその世界は、
8柱の神様が普通に人々と関わり合い平和に暮らしていたそうだ。
ところが5年前、8柱の内の1柱、娯楽の神であるアムートが上空に
神を含む生物の往来を不可とする結界を張り、
地上と天界を分離し神々の干渉を禁止した。
そして世界の北東の端にあるオゥグリスゲートと呼ばれる山に城を構え
強力な魔物による侵略を開始した。
その時点で地上に神はアムートと生命の女神リーフェのみ、
しかもリーフェは所在がわからない。
おそらくはリーフェを触媒にして結界を張っている物と考えられる。

各国は協力し、騎士や冒険者を中心に対抗したが、
神が降臨できないため、
新たな加護を与えることも強力な職業に就くことも出来ず、
天啓の類いを与えることも出来ないので
最初の1年で世界の1/4がアムードの手に落ちた。

その後、テンプレートに対しては干渉できない神々は
別の世界から使命を持たせて転生させる方法を取ることにした。
とは言っても干渉可能な世界は神のいない世界に限るらしく、
この地球が選ばれた。
転生させる事ができるのは、新生児から10歳まで。
新生児に転生させたのでは使えるようになるのに10年以上かかってしまうため、
最大年齢の10歳児に転生させていたとのこと。
しかし、なぜか転生させた者達はほとんどが成人(14歳)になる前に
死んでしまい、生き残っているのは元日本人の記憶を持つ数名だけらしく、
今回のプランに日本が選ばれたと言うことでした。
そのプランとは、霊体しか通せないと思っていた結界に
受精卵なら通せることが判明して日本人の戦う能力を持った者に
スキルを与えてから一度受精卵まで戻しテンプレートに転移させ、
促成で成人(14歳)まで成長させて戦ってもらう事。
そのため受精卵まで戻す能力のある魔道具を持たせて
技能の神エンプルに戦う能力のある人材を
スカウトしてくるようにお願いしたとのこと。
エンプルは2週間で20数名分の受精卵まで戻した日本人を持ち帰り、
ひとりひとりにスキルを付与しテンプレートに
促成の加護を付けて送り込む作業を黙々とこなしていた。








たまたま、ほんとにたまたまだった。
『これでなんとかなれば・・・』と、
サプロムは送り込まれたひとりの受精卵の行方をボーッと見送っていた。
すると、受精卵は森の中に降りていったのである。
『なんであんなところに?』
打ち合わせでは、教会の顕現の間に降ろすことになっていたはず・・・。
不思議に思いながら次の受精卵の送り込み先を見ていると、
今度はダンジョンの中に入っていった。

これはおかしい!と、エンプルの元に向かったところ、
エンプルは大笑いしながら最後の受精卵を送り出したところだった。
すぐにエンプルを捕まえ問いただした。(1対1では最高神にはかなわない)
女神ばかりの中で男の神は2柱のみ、
何を決めるにも女性的な考えになり面白くなかったからアムートに協力したとの事。
天界に残り、こっそり邪魔をするのが役目だったとの事。
連れてきた異世界人に説明は一切していなく、同意も取っていないとの事。
スキルの付与は[技能同調][毛髪自在]のみで、言葉も通じないとの事。

エンプルを神の権能を使う事が出来ず、
力は人間の子供ほどに制限される懲罰室に入れ、
他の女神達と対策を練っていると、爆発音が鳴り響いた。
何事かと音のした方に急行してみれば、
発生源は懲罰室でエンプルの姿はすでに無く、
天界からもエンプルの気配は消えていた。
こちらの世界に来た時にプラスチック爆弾を用意していたらしい
地上には行けないので異世界へ逃げたものと考えられる。

そのためエンプルを捕まえるのと転移された女性達を
守り導く存在を転移させるために、
最高神である女神サプロム様がこちらの世界に来たと言う事です。
ところがエンプルを捕まえに世界を越えたは良いが、
エンプルの気配はするものの居場所を特定できず、
何しろこちらの世界は広すぎるのである。
テンプレートは世界全体で南北アメリカ大陸を合わせたくらいの
大きさしかないのである。

探し回って喉がカラカラになったところで俺がひとりBBQしてるのが見えて、
鑑定したところ異世界行きを望んでいるのがわかり、
ここで生ビールを飲んでいると言うわけだ・・・。

突然現れた女性に驚きつつも、
ちょっと酔っていたためか?素直にジョッキに生ビールをついであげて、
飲み食いしながら聞いた話しである。




概ね了解して女神サプロムと飲みながら細かい打ち合わせをした結果
○テンプレートの1日は18時間、1時間は80分、1分は80秒、
 1秒はこちらの0.75秒であり、こちらの1日と同じである事。

○1年は8ヶ月で2ヶ月毎に季節が変わる事。

○1ヶ月は奇数月と6月が46日、6月以外の偶数月が45日の1年365日である事。

○太陽は2つあり、月は赤白青の3つある事。

○テンプレートは地球のような球体で無く平面であり
  宇宙と言う概念は存在しないとの事。勿論天動説である。

○各神様を祀った神殿があり、そこには顕現の間と言うのがあり、
  定期的に神様が現れ人々を導いていると言う。

○魔物と共存している世界で人々は魔法等のスキルを持ち、魔物と戦っている。

○魔物の脅威があるし、神様が許さないので国同士の戦争は無く、
  神様が決めた者が王となり、王が市町村長を決める。
  そのため貴族や特権階級の者は居ないとの事。

○科学は進んでいないが、魔法や魔道具により、
  こちらの世界より7~80年遅れくらいの生活ぶりらしい事。
  ただし車や列車、飛行機などの乗り物は無いらしい。


ここまでがこちらと異世界の違い

○エンプルが送った女性声優達は異世界で14歳まで育って
  出現するまでに130日かかるらしい事。

○それをサプロム様がやると30日間で出来る事。
  つまり最初の人が現れるまでにこちらの時間で約2ヶ月ある事。

○受精卵にする前にスキルを授ける事が可能なので、
  こちらでもスキルを使用可能である事。


なので、すぐに行かず準備期間として1ヶ月もらう事にした。
こちらで1ヶ月、向こうで30日の準備期間があるってことだ。
そしてここからが重要
もらうスキルである。

神様の不手際で危険にさらされる彼女達を守り導くための能力なので、
かなり優遇してもらえるらしい。そこでまずは、

肉体の強化をお願いしたら、
それは転移促成される段階で自動的に異世界の戦士のソレを
大きく上回る身体能力が与えられるとのことなので、無し。

それではと
「強力な回復技能をお願いします」

「もし間に合わず、手足を無くしていたりしても
元に戻してあげられる様な強力なものを!」

『当然の必要なスキルですね。わかりました』

まあ二つ返事で了承された。それと

「空間魔法って言うのはありますか?」

『空間魔法ですか?
あちらの世界にはありとあらゆる魔法・魔術・能力が存在しています。
呼び方はさまざまですがあると思いますよ』

「では、アイテムボックス・インベントリ・収納魔法などと呼ばれる、
別の空間に自分の持ち物を整理保管しておける能力が
空間魔法のひとつなんですが、可能でしょうか?」

『もちろん可能ですよ。でも一般的にはスキルではなく
魔導具で皆さんお使いですね。
ダンジョンの宝箱から出る魔導具として一般的です』

「なるほど・・。でも、前に読んだ小説で収納の魔導具を壊されて、
中に入れておいた物が取り出せなくなった話があったので、
空間魔法のスキルとしてお願いします」

「収納された物の時間は停止、温かい物を入れたら
何日経ってから出しても暖かいままである事と、
収納した時の状態を保存することが出来て、
しまう度に最初の状態に戻るように設定出来ると助かります」

「で、こちらの世界で向こうに行ってから役に立ちそうな物を
たくさん入れて置きたいのですが、可能ですか?
食料とか武器とか入れておきたいのです」

『わかりました。しかし、内部の時間が停止するとなると、
生き物は入れられなくなります。どっちみち、
テンプレートを覆う結界が生き物を通さないので
持ち込めませんし構わないですね?』

「構いません。 次が大事なんですが、
この私の家の2階につながる扉を召喚する能力なんてできませんか?」

「突然、異世界に飛ばされて覚悟もできてない彼女達が
お風呂や食事などの文化を感じて精神の安定を計るのと
行方不明扱いですから色々と連絡を取っておく必要があると思うんです」

『世界を超えることになるので難しいと思いますよ?』

「例えばですけど、結界を通れないのは生き物だけですよね?
この私の家の2階部分だけを世界を交差させて
結界の内部に入れるとかできません?^^;」

『なるほど、その手がありましたか?!  それなら・・・』

女神様はブツブツ言いながら考え込んでしまいました。







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