5 / 370
衝撃の事実
しおりを挟む
私が質問したことによって大人たちは動揺している。スイレンも私と同じく何も分からないようで大人たちを不思議そうに見つめている。
「あぁ~……うん……二人には言っていないことがあってだな……」
さっきまでの鬼気迫るお父様とは打って変わってしどろもどろになっている。
「すみませんモクレン様……」
モクレンとはお父様のことだ。じいやはシューンと項垂れていたけど「私が話します」と顔を上げた。
「全て話して良いですな?」
お父様とお母様に確認をとると、スイレンを私の隣に座らせ語り始めた。
「まず何から話しましょうか……私たち森の民は豊かで広大な森に住んでおりました。私やモクレン様がおりました動物を狩る身体能力が優れた村、その村のために武器を作ったり生活雑貨を作る手先の器用な者がいる村、そして動物以外の食糧、主に木の実や山菜、そして薬草などを採取する者たちの村と三つの村が仲良く暮らしていたのでございます。そこはシャイアーク国の北西部にございました。
シャイアーク国は昔から北にあるコウセーン国と小競り合いをしておりました。コウセーン国は血の気の多い気質の者が多く、何かにつけてシャイアーク国と小競り合いをしていたのでございます。ある時、いつもの小競り合いだと思い少数の隊で国境へと行ったシャイアーク国軍は様子が違うことに気付きました。コウセーン国はシャイアーク国の領土を狙っており、激しい戦となったのでございます。小競り合いだと思っていたシャイアーク国軍は軍隊も武器や防具も足りず劣勢となりました。そしてその昔、私めが城で国軍に弓や槍の指導をしていたのを思い出したのか、それとも城に戻るよりも近いと思ったのか兵士が森へ助けを請いに参ったのでございます」
何だか話が壮大になってきたような……。でも続きを聞きましょう……。
「兵士が私たちの村に着いた頃、私たち身体能力の高い者は獲物を狩りに森の奥へと行っておりました。そして私たちがいないことを知ると兵士は戦場へと戻りましたが慣れない森で迷い、同時に野営をしようと勝手に木々を倒すコウセーン国軍、そして獲物を追う私たちが出くわしてしまったのでございます。そこから簡単に言いますとあまりに不躾なその敵国を討ったのでございますが、何とそれが敵国将軍の隊だったのでございます。そしてその将軍を討ち取ったのがモクレン様でございました」
そんな偶然ってあるんだ……。
「将軍を失った敵国は混乱に陥りシャイアーク国の援軍によって制圧され、そこからはあれよあれよといううちにシャイアーク国はコウセーン国を手中に収めたのでございます。そこまでは良かったのですが、ある日領土拡大を祝う宴に村人全員が呼ばれたのでございます。病人も身重の者もです。国王の言うことに逆らう訳にもいかず大変な思いをしながら私たちは城へと行きました。そこで言われたのが敵国将軍を討ったモクレン様を称え、新たな広い土地をやるので森を貰うと一方的に言われたのでございます。兵が敵将を討ち取ったのではなく、王からすればただの村人が敵将を討ち取ったのが面白くなかったのでしょう。森は元コウセーン国に近いので利便性もあったのでしょうし。形だけ称えたわけですな。
私たちは宴にて食べ物も貰えないまま南へ下れと命令され、街道をひたすら南下したのでございます。何も持たずに私たちは集められたので、道中必要な物を手に入れながら疑うことを知らない私たちは言われるがまま南下し、ついに国境へと到着すると門番から『この先を好きにして良い』との王からの伝言を受け足を踏み入れたのがこの……呪われた土地でした」
ふと横を見るとスイレンは口を開けたまま固まり、お父様とお母様は涙ぐんでいるし……。私は壮大すぎる話に頭が追い付かないし……。でも話はまだ終わりそうにない。
「あぁ~……うん……二人には言っていないことがあってだな……」
さっきまでの鬼気迫るお父様とは打って変わってしどろもどろになっている。
「すみませんモクレン様……」
モクレンとはお父様のことだ。じいやはシューンと項垂れていたけど「私が話します」と顔を上げた。
「全て話して良いですな?」
お父様とお母様に確認をとると、スイレンを私の隣に座らせ語り始めた。
「まず何から話しましょうか……私たち森の民は豊かで広大な森に住んでおりました。私やモクレン様がおりました動物を狩る身体能力が優れた村、その村のために武器を作ったり生活雑貨を作る手先の器用な者がいる村、そして動物以外の食糧、主に木の実や山菜、そして薬草などを採取する者たちの村と三つの村が仲良く暮らしていたのでございます。そこはシャイアーク国の北西部にございました。
シャイアーク国は昔から北にあるコウセーン国と小競り合いをしておりました。コウセーン国は血の気の多い気質の者が多く、何かにつけてシャイアーク国と小競り合いをしていたのでございます。ある時、いつもの小競り合いだと思い少数の隊で国境へと行ったシャイアーク国軍は様子が違うことに気付きました。コウセーン国はシャイアーク国の領土を狙っており、激しい戦となったのでございます。小競り合いだと思っていたシャイアーク国軍は軍隊も武器や防具も足りず劣勢となりました。そしてその昔、私めが城で国軍に弓や槍の指導をしていたのを思い出したのか、それとも城に戻るよりも近いと思ったのか兵士が森へ助けを請いに参ったのでございます」
何だか話が壮大になってきたような……。でも続きを聞きましょう……。
「兵士が私たちの村に着いた頃、私たち身体能力の高い者は獲物を狩りに森の奥へと行っておりました。そして私たちがいないことを知ると兵士は戦場へと戻りましたが慣れない森で迷い、同時に野営をしようと勝手に木々を倒すコウセーン国軍、そして獲物を追う私たちが出くわしてしまったのでございます。そこから簡単に言いますとあまりに不躾なその敵国を討ったのでございますが、何とそれが敵国将軍の隊だったのでございます。そしてその将軍を討ち取ったのがモクレン様でございました」
そんな偶然ってあるんだ……。
「将軍を失った敵国は混乱に陥りシャイアーク国の援軍によって制圧され、そこからはあれよあれよといううちにシャイアーク国はコウセーン国を手中に収めたのでございます。そこまでは良かったのですが、ある日領土拡大を祝う宴に村人全員が呼ばれたのでございます。病人も身重の者もです。国王の言うことに逆らう訳にもいかず大変な思いをしながら私たちは城へと行きました。そこで言われたのが敵国将軍を討ったモクレン様を称え、新たな広い土地をやるので森を貰うと一方的に言われたのでございます。兵が敵将を討ち取ったのではなく、王からすればただの村人が敵将を討ち取ったのが面白くなかったのでしょう。森は元コウセーン国に近いので利便性もあったのでしょうし。形だけ称えたわけですな。
私たちは宴にて食べ物も貰えないまま南へ下れと命令され、街道をひたすら南下したのでございます。何も持たずに私たちは集められたので、道中必要な物を手に入れながら疑うことを知らない私たちは言われるがまま南下し、ついに国境へと到着すると門番から『この先を好きにして良い』との王からの伝言を受け足を踏み入れたのがこの……呪われた土地でした」
ふと横を見るとスイレンは口を開けたまま固まり、お父様とお母様は涙ぐんでいるし……。私は壮大すぎる話に頭が追い付かないし……。でも話はまだ終わりそうにない。
148
あなたにおすすめの小説
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる