貧乏育ちの私が転生したらお姫様になっていましたが、貧乏王国だったのでスローライフをしながらお金を稼ぐべく姫が自らキリキリ働きます!

Levi

文字の大きさ
11 / 370

作戦会議3

しおりを挟む
  お父様とスイレンが川で水を汲んでいる間に私とじいやはクレソンを収穫し、あまり水に浸かっていないクレソン周辺の湿った土も集めて持ってきた。たったこれっぽっちで劇的に何かが変わる訳じゃないけど、無いよりはマシだし小さなことからコツコツと精神だ。

  王国に帰るとちょうど食事時だったので子供にはまだたくさん実っているデーツを、大人にはクレソンを渡した。やはり知らない物を食べるのは抵抗があったようだけど、大人の男性はクレソンを気に入ってくれたようで嬉しかった。クレソンだけでお腹が膨れる訳じゃないから食糧問題をなんとかしないと。

  私はデーツを食べながら地面に絵を描く。元々みんなは森の中で暮らしていたので森を再現したい。万が一侵略者が来ても木の上から弓部隊も戦えるし。なのでこのデーツの木を中心に、国が発展しても建物がたくさん建てられるようある程度広く大地を残して四方を森で囲おうと思う。まず木さえあればここの人たちは道具を作ってくれるだろうから。
  あと水か……水脈を探せばあるんだろうけど、いい場所にあったとしてもどれくらい掘れば水が出るのかまでは分からないから、王国の近くまで水を引こうと思う。何気にこれが一番難しいかなぁ……。

「何を考えているの?カレン」

「スイレン……。うん、この王国の周りを森にして、この近くまで川の水を引きたいの」

  図面とは言えない地面の絵を見ながら言うとスイレンはとても驚いている。

「そんなこと出来るの!?」

「出来るんだけど私には難しいのよね……知識はあるけど道具もないし……」

  二人でそんなやり取りをしているとお父様がやって来たので、スイレンに話したことを伝えてみた。

「考えたこともなかったな……して、道具とは何が必要なのだ?」

「うーん……ただ掘った所へ水を流してもいいんだけど、この土を見る限り染み込んでしまうか土が混ざってしまってここまで綺麗な水を引けないと思うの。だから管を作って地面の下を通してこの近くに水路を作りたいの。木管だと年月が経つと腐りやすいし、ここは岩が多いから石造りなら劣化は遅いし良いと思うんだけど……石を削ったり加工する道具はないでしょ……?」

「あるぞ……いや、正確にはあった、だな。私たちは全て木から物を作っていた訳ではないから、時には石造りの物もあったのだ。ただ……食糧を得るために売れそうな物は売ってしまったのだ……」

  この国は本当に貧困に苦しんでいるんだわ……。

「……売るって、どこに売ったの?」

「ここから北東に向かうとシャイアーク国との国境がある。その国境を越えてすぐに小さな町があるのだ。そこでトウモロコーンを教えてもらい手に入れたのだ」

「じゃあその町に行けば種や苗を買えるのね?」

「そうだな」

  そっか。野菜はそこで手に入るのか。じゃあ行かない訳にはいかないよね。それに道具も買い足さないとね!あとはアレが手に入れば最高なんだけど……。

「分かったわ。じゃあその町に私が行くわ」

「ななな何だと!?危険だ!」

  お父様がわーわー騒いでいるとそこにじいやも参戦してきた。

「どうされました?」

「じい!カレンがリトールの町に行くと言うのだ!止めてくれ!」

「お父様が危険だって言うけど何かあるの?」

「危険はありませんが、行って戻って来るだけで数日はかかりますな……」

「それくらい?なら行くわ」

  平然と行くと言う私に危険だと騒ぐお父様。そして板挟みのじいや。散々三つ巴で騒ぎ、早ければ早いほど国の為になるとお父様を説得し、数人の護衛とじいやがお供に加わるということで翌日に出発することに決まった。

「カレンはすごいね。目が覚めたら別人のようになっちゃった」

  夜、寝床に入った時にスイレンが話しかけて来た。

「思い返してみても……ただ生意気で高飛車な小娘だったもんね……。逆に恥ずかしいよ」

「ははは。でもカレンはカレンだよ。僕もカレンと国民の力になりたいな」

「ありがとう。でも今必要なのは土木と……測量が出来る人がいればいいんだけど」

「ソクリョウって何?」

「うーん……簡単に言うと、ここと川の位置や高さとかを正確に測る技術かなぁ……私……数字は……苦手で……」

  ここで私は深い眠りについた。そして前世の美樹の時の夢を見る。夏の暑い日には図書館に行って涼みながらたくさんの本を読んだな……その読んだ本の内容が夢で詳細に見ることが出来た。それはスルスルと頭に入って来て、知りたいことは不思議なことにしっかりと記憶することが出来た。
しおりを挟む
感想 72

あなたにおすすめの小説

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

処理中です...