貧乏育ちの私が転生したらお姫様になっていましたが、貧乏王国だったのでスローライフをしながらお金を稼ぐべく姫が自らキリキリ働きます!

Levi

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ただいま

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  ヒーズル王国に入ってからも夜営をしつつ、ようやくみんなの元へと帰ってこれた。

「カレン!スイレン!無事か!?」

  誰よりも私たちの帰還を待っていたお父様は私とスイレンを抱きしめなかなか離してくれない。ようやくお父様が離してくれたと思ったら今度はお母様の抱きつき攻撃だ。

「ただいま!お父様、お母様!さっそくだけど手伝ってもらってもいい?」

「もちろんだ!」

  まずは荷車から一旦荷物を降ろす作業に取り掛かる。そしてリトールの町を出る時に貰った樽ではない方の買った樽から、詰め込んでいた購入した物を取り出す。

「みんな、帰ったばかりで疲れているでしょうけどもう少し力を貸して」

「当然でございます」

「もちろんだ」

「承知しました」

  じいや、タデ、ヒイラギもやる気満々のようだ。すぐに肯定してくれた。

「僕は!?僕はどうしたらいい!?」

  スイレンも負けじと私に聞く。

「お父様、じいや、タデ、ヒイラギ、私たちは水を汲みに行きましょう。たくさん必要だわ。お母様とスイレンは干し肉を切り分けてみんなに食べさせて。一気に食べるとお腹が痛くなると大変だから少しずつね」

  薄く小さく切り分け、オレンジのような果実を四分の一ずつ切って食べさせるようにお願いした。お母様もスイレンも腕まくりをし、こちらもやる気満々だ。食糧の分配をお母様とスイレンに任せ、私たちは荷車にたくさんの革袋とさっき荷物を取り出した樽を二つ載せ川へと向かった。

  川に到着し樽を降ろそうとするとお父様に質問された。

「この中に水を入れたら良いのだな?」

「違うの。私は拾い物をするわ」

  不思議そうな顔をするお父様からその樽を受け取り、私は作業を開始する。その間にみんなには革袋に水を汲んでもらう。
  片方の樽には手頃な大きさの小石と砂利を拾って入れていく。足元にはたくさんあるので困ることなく拾っていく。一つの樽に小石と砂利を入れ、もう一つの樽には砂を入れる。砂も豊富にあり、小石と砂利を寄せたその下に赤くない普通の砂が堆積していた。

  私は作業を終えるとクレソンが生えていた場所に移動する。私たちがいない間も採取していただろうに、そのクレソンたちは大きく減ることもなく青々と茂っている。こちらもある程度採取し、ふと後ろを振り返る。前にじいやが発見した木の芽が……もう私の背丈を越すほどに成長している!私は慌ててじいやを呼んだ。

「じいや!ちょっとこっちに来て!」

「どうされました?」

  水汲みを他の人に任せじいやはこちらに来てくれた。そして私があの木を指さすとじいやも驚いている。

「……間違いなくあの時の木の芽よね……?」

「……間違いなくあの時の木の芽ですな……」

「……やっぱりあの仮説は正しかった……?」

「……戻りながらモクレン様に報告しましょう……」

  私とじいやはその若い木を掘り起こした。そしてお父様たちと合流し、たくさんの水と樽を載せヒーズル王国に戻る道すがら、あの仮説の話をする。

「お父様、まだ仮説の段階なのでじいやにしか話していなかったのだけど……この土地は植物の成長を何故か早めるんだと思うの。その証拠にこの小さな木は私が初めて川に来た時に芽吹いたばかりだったの。じいやも確認しているわ」

「本当か!?……いや、私も腹が減りすぎて時間の感覚がおかしくなっているのだと思っていたが、言われてみれば……」

  お父様も思い当たる節があるらしく、仮説を初めて聞かせたタデとヒイラギも「そういえば……」と何かを考えている。

「でもまだ民には言わないようにしましょう?これから植えるものが同じ成長をするとは限らないから。もし上手くいかなかったら、ガッカリさせるのはよくないもの」

  それに対し全員が「そうだな」と言ってくれ、一応この五人だけの秘密にすることにした。
  そんな話をしながら歩いているとスイレンの声が遠くから聞こえてきた。

「早く~!!」

  必死に叫ぶスイレンを見て、私たちは何かがあったのかと急いで戻った。慌てた様子のスイレンを見てお父様が声を張り上げる。

「何かあったのか!?」

「違うの!みんなお父様たちを待っていて食べないの!」

  え!?と全員が顔を見合わせ、小走りで民の元へと行くと「先に食べる訳にはいかない」「みんなで食べましょう」と分配した物を手にし私たちを待っていた。お父様はそれを見て優しく微笑みながら「待たせてしまったな。では皆でいただこう!」と地面に座り、全国民と食事会が始まった。私は急いで肉に合うクレソンをみんなに配り、お父様の横に座った。
  私たちは会話を楽しむために道中の話をし、やはり一番盛り上がったのはじいやがベーアを倒した話だった。元々お父様の村にいたと思われる人たちはその話を聞き、みんなハンターの顔つきになりながら「自分も倒したかった!」と盛り上がる。私はもうベーアに出会いたくないなと苦笑いしたのだった。
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