43 / 370
お値段以上
しおりを挟む
「こんにちは」
ブルーノさんの家に着き声をかけると、ブルーノさんは玄関まで出て来た。
「カレンちゃん!ベンジャミンさん!ヒイラギ君!町が騒がしいと思ったら君たちだったんだね!立ち話もなんだ。どうぞ中へ」
するとヒイラギが一歩前に出る。
「先日はありがとうございました。今回私たちはまた植物を集めに来ているので、私たちはこのまま採取に向かおうと思います。ですので姫様とベンジャミン様、お二人はお話を進めてください」
「そうかい?なら気を付けて行ってくるんだよ?ではカレンちゃん、ベンジャミンさん、どうぞ中へ」
家に入る前にヒイラギたちに金貨を何枚か渡し、荷車と樽や木箱を買ってそれに土や植物を入れるように伝えた。
「おじゃまします」
久しぶり……とは言っても数日ぶりのブルーノさんのお宅が懐かしく感じてしまう。
「先日はお世話になりました。スイレンにも技術を教えてくれてたくさんの道具までいただいて……」
「カレンちゃん、そんなにかしこまらないで。何も気にすることはないんだよ」
ブルーノさんは優しく微笑む。
「いやはや、ブルーノさんのおかげで我が国はとても助かっております。先程耳にしたのですが、あの跳び縄がたくさん売れたとか」
じいやも会話に入って来た。
「あぁ!真似させてもらって申し訳ない!儲けさせてもらった分から君たちにお渡ししようとお金を寄せておいたんだよ」
「いえいえいえいえ!それは受け取れませんよ!ブルーノさんが作って売った物でしょう?……今回ね、新しい娯楽の品を作って来たの」
さすがにブルーノさんたちが自分で作って売った物からお金はいただけない。
「でも先に作ったのは君だよ?本当に良いのかい?」
何度もブルーノさんに確認され、私とじいやはお金を貰うことを拒んだ。どうやらこの世界には特許というものは存在しないようなので、各々が売れる物を作って売ればいい。そして私たちはリバーシの説明を始めた。説明用に一つだけ売らずにおいたそれをテーブルの上に置く。
「これなんですけどね」
何度目か分からないルールの説明をブルーノさんにすると、ブルーノさんは歓声を上げる。
「素晴らしい!なんと楽しい物だ!」
「それでなんですけど……さっき売ったらあっという間に完売してしまって。まだ欲しい人が町にたくさんいるんです。これは差し上げますから、同じような物を作ってまた売ってください」
エヘヘと笑うと「何ということだ!」と頭を抱えてしまったブルーノさん。
「こんなに素晴らしい物をいただくことは出来ないよ!ちゃんと支払わせてもらう!大金貨何枚ほどだい?」
「いや、本当にお金はいいので……ちなみに金貨一枚で売ったんだけど私としてはそれでも高すぎると思ってるんだけど……」
またしても「何ということだ!」と頭を抱えるブルーノさんに無理やりリバーシを手渡しブルーノさんを宥め、私とじいやは採取組に合流しようとブルーノさんのお宅からお暇することにした。
町の入り口に向かうとペーターさんがいつものように座っているので、採取組の向かった方向を聞きその方角に歩き始めた。
「まさかたかがリバーシに本当に大金貨を払おうとするなんて……」
辺りに人がいないことを確認してからじいやにそう言うと苦笑いされる。
「ですから言ったでありましょう?姫様のいた世界ではそんなに安い物だったのですか?」
「うん。……でも考えてみれば世界中に普及しているものだから安いのよね……。もう少し高く売っても良かったのかしら」
「ははは!ですが姫様が決めたことですからな。次に何かを売るときは少し高めでも良いと思いますぞ」
そっか。この世界に無い物だから値段設定はある程度好きにしていいのか。私は次は何を作ろうかなと考えながらてくてくと歩いた。
数分歩くと森の近くに荷車が置いてある。この近くでみんなは採取しているんだろう。
「じゃあじいや。私たちも働きますか!」
「ですな」
私とじいやは森へと足を踏み入れた。前回は森でベーアに出会ったが、あんなことはそうそうない。はずだ。町の近くには出ないとみんな言っていたし。
ドキドキしながら森へ足を踏み入れると、たくさんの木々に日光を遮断され薄暗く、足元はふかふかの土に覆われている。植物や土の匂いを吸い込むと安心感を感じるのは、人としての本能なのか森の民として産まれた名残りなのか。そんなことを思いながら奥へと進んだ。
ブルーノさんの家に着き声をかけると、ブルーノさんは玄関まで出て来た。
「カレンちゃん!ベンジャミンさん!ヒイラギ君!町が騒がしいと思ったら君たちだったんだね!立ち話もなんだ。どうぞ中へ」
するとヒイラギが一歩前に出る。
「先日はありがとうございました。今回私たちはまた植物を集めに来ているので、私たちはこのまま採取に向かおうと思います。ですので姫様とベンジャミン様、お二人はお話を進めてください」
「そうかい?なら気を付けて行ってくるんだよ?ではカレンちゃん、ベンジャミンさん、どうぞ中へ」
家に入る前にヒイラギたちに金貨を何枚か渡し、荷車と樽や木箱を買ってそれに土や植物を入れるように伝えた。
「おじゃまします」
久しぶり……とは言っても数日ぶりのブルーノさんのお宅が懐かしく感じてしまう。
「先日はお世話になりました。スイレンにも技術を教えてくれてたくさんの道具までいただいて……」
「カレンちゃん、そんなにかしこまらないで。何も気にすることはないんだよ」
ブルーノさんは優しく微笑む。
「いやはや、ブルーノさんのおかげで我が国はとても助かっております。先程耳にしたのですが、あの跳び縄がたくさん売れたとか」
じいやも会話に入って来た。
「あぁ!真似させてもらって申し訳ない!儲けさせてもらった分から君たちにお渡ししようとお金を寄せておいたんだよ」
「いえいえいえいえ!それは受け取れませんよ!ブルーノさんが作って売った物でしょう?……今回ね、新しい娯楽の品を作って来たの」
さすがにブルーノさんたちが自分で作って売った物からお金はいただけない。
「でも先に作ったのは君だよ?本当に良いのかい?」
何度もブルーノさんに確認され、私とじいやはお金を貰うことを拒んだ。どうやらこの世界には特許というものは存在しないようなので、各々が売れる物を作って売ればいい。そして私たちはリバーシの説明を始めた。説明用に一つだけ売らずにおいたそれをテーブルの上に置く。
「これなんですけどね」
何度目か分からないルールの説明をブルーノさんにすると、ブルーノさんは歓声を上げる。
「素晴らしい!なんと楽しい物だ!」
「それでなんですけど……さっき売ったらあっという間に完売してしまって。まだ欲しい人が町にたくさんいるんです。これは差し上げますから、同じような物を作ってまた売ってください」
エヘヘと笑うと「何ということだ!」と頭を抱えてしまったブルーノさん。
「こんなに素晴らしい物をいただくことは出来ないよ!ちゃんと支払わせてもらう!大金貨何枚ほどだい?」
「いや、本当にお金はいいので……ちなみに金貨一枚で売ったんだけど私としてはそれでも高すぎると思ってるんだけど……」
またしても「何ということだ!」と頭を抱えるブルーノさんに無理やりリバーシを手渡しブルーノさんを宥め、私とじいやは採取組に合流しようとブルーノさんのお宅からお暇することにした。
町の入り口に向かうとペーターさんがいつものように座っているので、採取組の向かった方向を聞きその方角に歩き始めた。
「まさかたかがリバーシに本当に大金貨を払おうとするなんて……」
辺りに人がいないことを確認してからじいやにそう言うと苦笑いされる。
「ですから言ったでありましょう?姫様のいた世界ではそんなに安い物だったのですか?」
「うん。……でも考えてみれば世界中に普及しているものだから安いのよね……。もう少し高く売っても良かったのかしら」
「ははは!ですが姫様が決めたことですからな。次に何かを売るときは少し高めでも良いと思いますぞ」
そっか。この世界に無い物だから値段設定はある程度好きにしていいのか。私は次は何を作ろうかなと考えながらてくてくと歩いた。
数分歩くと森の近くに荷車が置いてある。この近くでみんなは採取しているんだろう。
「じゃあじいや。私たちも働きますか!」
「ですな」
私とじいやは森へと足を踏み入れた。前回は森でベーアに出会ったが、あんなことはそうそうない。はずだ。町の近くには出ないとみんな言っていたし。
ドキドキしながら森へ足を踏み入れると、たくさんの木々に日光を遮断され薄暗く、足元はふかふかの土に覆われている。植物や土の匂いを吸い込むと安心感を感じるのは、人としての本能なのか森の民として産まれた名残りなのか。そんなことを思いながら奥へと進んだ。
97
あなたにおすすめの小説
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる