貧乏育ちの私が転生したらお姫様になっていましたが、貧乏王国だったのでスローライフをしながらお金を稼ぐべく姫が自らキリキリ働きます!

Levi

文字の大きさ
116 / 370

みんなで夕食作り

しおりを挟む
 購入してきた品物を前にあれこれと話しているうちに夕方近くとなった。本格的に夕方になれば夕飯を作らねばならないので、その前にポニーとロバの放牧地を作ってしまおうとなった。全バラックは壁が付き床となる板なども敷かれてはいたが、いずれ家を建てたらこのバラック群は撤去する予定なのでバラックと森の間にその場所を作ることになった。
 力のある男たちが地面に杭を打ち、器用な者たちがその杭と杭の間に板を貼り付けて行く。勝手の分からない私は近くで見学をしていたけれど、こういう時の為にと購入していた蝶番なども使いポニーたちの出入り口も数ヶ所作っている。驚くべきことにこの出入り口は重りを使った原始的な自動ドアで二重にし、中からは動物には開けられず逃げられない構造になっている。何かに使うだろうと滑車も購入しておいて助かった。

 小さな牧場スペースが出来上がるとみんなでブチブチとクローバーを抜き、露出した地面に牧草の種を蒔く。クローバーを抜いたことにより驚いたが、あの砂地だった地面は薄くではあるが土になっている。植物たちも目に見えない場所でしっかりと仕事をしていたのだ。
 牧草が生えて来るまではポニーとロバは物置小屋に繋ぎ、いくらか乾燥させた牧草も購入してきたがニンジンことキャロッチやリンゴことアポーの実を与えることにした。ヒヨコたちも念の為ここの気候に慣れさせるよう物置小屋の側に簡易の鳥小屋を作って中に入れた。

「カレーン!夕飯を作りましょう!」

 お母様に呼ばれ、作業は他の民たちに任せウキウキと広場へと向かう。なぜなら念願の味噌汁が飲めるからだ。これは気合いを入れなければならない。

「さぁ作りましょうか!ミィソの汁物は具は何でも良いのよ」

 とは言っても味噌汁に合いそうな野菜はポゥティトゥ・キャロッチ・キャベッチ・オーニーオーンくらいだろうか。パンキプンの味噌汁は私は好きだが、かなり好みが分かれるだろう。なら美樹の家では普通に作られていたじゃがいもとニンジンの葉っぱを使った彩りある味噌汁にしよう。普通は食べないどころか見かけないであろうニンジンの葉っぱだが普通に食べることが出来る。美樹の家では近くの農家さんからいただいていたのだ。そうと決まれば細かく切ったポゥティトゥを水に入れ茹で始める。
 キャロッチ・キャベッチ・オーニーオーン・緑のペパーのピーマン型の方をみんなで大量に切っていく。手の空いている人に森へ『モリノイモ』を採取しに行ってもらい、オックラーを茹でる為に別の鍋で湯を沸かす。

 今更気付いたがハコベさんとナズナさんも料理に参加していたので、ハコベさんにはオックラーを茹でてもらい、ナズナさんには貴重だと言われ購入してきた油で切ったばかりのキャロッチ・キャベッチ・オーニーオーン・緑のペパーを油炒めにしてもらう。量が多いので木べらの大きいような物で混ぜてもらったが、まるで給食センターの職員のようだなとボンヤリと思ったのは内緒だ。

「カレン、こっちも良い感じになってきたわ」

 味噌汁用の鍋は沸々としてきておりミィソを投入することにする。こし器がないので深めのざるにミィソを入れ、ざるを湯に浸しながらミィソを溶かす。時折味見をしながらミィソを足し入れ、沸騰する前に火を消してもらった。味見の段階でかなり好みの味のミィソに感激した。クジャ、本当にありがとう。

「ミィソの汁物はね、沸騰させると味が落ちるの」

 そして火を消した味噌汁の鍋に食べやすく切ったキャロッチの葉を入れると色鮮やかな緑色に変わった。見るからに美味しそうである。
 ハコベさんを見ると茹で上がったオックラーを水に入れて冷ましている。ちょうどモリノイモが届いたので、これをさいの目切りにしていく。この作業を終えるとオックラーを小口切りにして二つを混ぜ合わせる。美樹の家ではお金に余裕がある時はこれに食用菊を入れて彩りを良くしていた。

「これは食べるときにセウユをかけましょう。ネバネバは体に良いのよ」

 本音を言えば白米にかけて食べたいが、無いものは仕方がない。そこは素直に諦めることにした。

「カレン、そろそろモクレンたちが戻ってくる時間よ。すぐに食べられるように盛り付けてしまいましょう」

 お父様たちは石切り場よりも広場側に近い場所で作業をしているらしく、間もなく作業を終えて帰って来るようだ。肉体労働をしている人たちは汗をかくので塩分は大事である。セウユもミィソもその塩分を補ってくれるので、早く食べてもらいたいわ。そして初めて食べる調味料にみんなはどんな反応を示すのか楽しみだわ。
しおりを挟む
感想 72

あなたにおすすめの小説

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

処理中です...