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水路の様子
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イチビと共に元の場所へと戻り川を渡る。イチビは泳ぐことが楽しいとはしゃいでいる。機会があれば他の泳ぎ方も教えようと思った。
「姫様!随分と時間がかかりましたな!なかなか戻って来ないので心配しておりましたよ!」
川を渡り終わるとじいや、シャガ、ハマスゲが泣きそうな顔になりながら走って来た。その後ろをポニーとロバも着いてくる。
「少しだけ冒険して来たの。ね?」
「はい」
イチビと見つめ合いやり取りをしているとシャガとハマスゲがイチビに近寄り、まだ上半身裸のイチビの背中をパチーンと叩いている。彼らのこの行動は前にもあったけど何なのかしら?
「何か発見はありましたかな?」
じいやはシャガたちに構わず問いかけてきたので、デーツや他の木があったことや、オアシスというものの説明をしそれを見つけたことを話した。
「ただね、水があるということは危険な生き物がいるかもしれないと思って帰って来たのよ。時間が出来たら装備を整えて探索してみましょう」
そう言うとじいやたちは胸を撫で下ろした。私とイチビは冒険を楽しんでしまって時間感覚が狂っていたらしく、聞けばもう昼を過ぎているという。朝にタデたちに渡された果実の余りを食べて昼食の代わりとした。私たちが食べているその間にじいやたちは川岸にヤンナギを植えていく。どうか定着しますように。
「とにかく一度戻りましょうか」
そうして私たちは王国を目指して歩き始めた。
────
「カレーン!」
水路建設の近くまで進むとスイレンが泣きながら走って来た。
「戻って来ないから何かあったんじゃないかって話してて……今向かおうとしてたんだよ!」
「ごめんなさいスイレン。川の向こうに渡って少し冒険をしてたの」
子どものように泣きじゃくるスイレンに謝りながらなだめているとお父様もこちらに走って来た。
「カレン!無事か!」
「お父様もごめんなさい」
謝りつつスイレンに言ったことをまた伝える。お父様は川を泳いで渡ったことに驚き、珍しく少し怒りしばらくは向こう岸に行くのを禁じられた。
「はぁ……だが無事なら良い。疲れてはいないか?」
「全然平気よ」
そう答えると水路を見てみるかと聞かれる。じいやたちも疲れてはいないようなので揃って水路の方に向かうが、ポニーとロバは私と同じ顔をしたスイレンが気になるのか道中ずっとちょっかいを出していた。スイレンもまた恐る恐るではあるが撫でて構っている。
お父様とスイレンがいなくても作業は続けられていたようだが、民たちは私たちが戻って来ない心配からペースが落ちていたようで、私たちの姿を確認すると安堵の溜め息を吐く者や笑顔になる者たちを見て「心配かけてごめんなさい」と謝った。民たちも「無事なら良いのです」と口々に言い、そしてキビキビと働き出す。
当初の水路予定地よりも広場側まで延長された石管は排水部分以外はもう埋められている。そして流れてきた水に混ざった不純物を沈殿させる為の沈殿槽も埋め込まれていた。
「この沈殿槽を埋めようとした時に発見したのだが、この辺は岩盤が広がっているようなのだ。意外にも削りやすく川底とでも言えば良いのか?それを掘っている」
とはいえ見ていると掘っているそばから砂が流れ込んで来るようである。ふと記憶が蘇った。美樹の住んでいた場所の川は自然の川だったが、隣町に遊びに行った時に見た川は護岸工事を施された川であった。その護岸工事に使われていたのが『蛇籠』と呼ばれるものである。鉄線で編んだ籠に石を詰めてブロック状にしたものだが、場所によっては鉄線ではなく竹で作られていたものもあった。竹の蛇籠は円筒状でその違いが面白いと調べたことがあった。
「タッケが育ってくれたらその砂の流出を食い止められるわ。あぁでもリトールの町で鉄線を買ったほうが頑丈で早いかもしれない……あぁでもお金がかかるわね……」
一人でブツブツと言っているとお父様が「どうした?」と聞いてくる。蛇籠について説明し、タッケと鉄線を使う方法があると言うとお父様はしばし考えてから口を開いた。
「向こう岸に行くのはしばらく禁止だ。誰かリトールの町に行かせよう」
お父様は川で流されるかもしれないと極端に不安がっている。無理を言うのは忍びない。
「カレン、もう一つ問題があってね。西側の川に向けて掘るとすぐに砂地になっちゃうんだ。川まで水路を伸ばすとなると、また石管を作ったり石の板を敷かないといけないと思う。今までの労力を考えると大変かなぁって……」
スイレンは困り顔でそう話す。
「そうだわ!オアシスを作りましょう!」
じいやたちには先ほど説明したが、お父様たちにも説明をする。
「向こうにはそんなものが……」
とお父様は信じられないといった表情をしているが、この近くにないのなら作ればいいのよ。だけれど同じくらい労力がかかるわね……と思っているとお父様もスイレンも興味を持ったようである。さらにイチビがオアシスを実際に見た感想を話すとかなりやる気に満ちてしまっている。
どうやら人工オアシスの建設も決定してしまったようだ。だけど私も楽しみで仕方がないわ!
「姫様!随分と時間がかかりましたな!なかなか戻って来ないので心配しておりましたよ!」
川を渡り終わるとじいや、シャガ、ハマスゲが泣きそうな顔になりながら走って来た。その後ろをポニーとロバも着いてくる。
「少しだけ冒険して来たの。ね?」
「はい」
イチビと見つめ合いやり取りをしているとシャガとハマスゲがイチビに近寄り、まだ上半身裸のイチビの背中をパチーンと叩いている。彼らのこの行動は前にもあったけど何なのかしら?
「何か発見はありましたかな?」
じいやはシャガたちに構わず問いかけてきたので、デーツや他の木があったことや、オアシスというものの説明をしそれを見つけたことを話した。
「ただね、水があるということは危険な生き物がいるかもしれないと思って帰って来たのよ。時間が出来たら装備を整えて探索してみましょう」
そう言うとじいやたちは胸を撫で下ろした。私とイチビは冒険を楽しんでしまって時間感覚が狂っていたらしく、聞けばもう昼を過ぎているという。朝にタデたちに渡された果実の余りを食べて昼食の代わりとした。私たちが食べているその間にじいやたちは川岸にヤンナギを植えていく。どうか定着しますように。
「とにかく一度戻りましょうか」
そうして私たちは王国を目指して歩き始めた。
────
「カレーン!」
水路建設の近くまで進むとスイレンが泣きながら走って来た。
「戻って来ないから何かあったんじゃないかって話してて……今向かおうとしてたんだよ!」
「ごめんなさいスイレン。川の向こうに渡って少し冒険をしてたの」
子どものように泣きじゃくるスイレンに謝りながらなだめているとお父様もこちらに走って来た。
「カレン!無事か!」
「お父様もごめんなさい」
謝りつつスイレンに言ったことをまた伝える。お父様は川を泳いで渡ったことに驚き、珍しく少し怒りしばらくは向こう岸に行くのを禁じられた。
「はぁ……だが無事なら良い。疲れてはいないか?」
「全然平気よ」
そう答えると水路を見てみるかと聞かれる。じいやたちも疲れてはいないようなので揃って水路の方に向かうが、ポニーとロバは私と同じ顔をしたスイレンが気になるのか道中ずっとちょっかいを出していた。スイレンもまた恐る恐るではあるが撫でて構っている。
お父様とスイレンがいなくても作業は続けられていたようだが、民たちは私たちが戻って来ない心配からペースが落ちていたようで、私たちの姿を確認すると安堵の溜め息を吐く者や笑顔になる者たちを見て「心配かけてごめんなさい」と謝った。民たちも「無事なら良いのです」と口々に言い、そしてキビキビと働き出す。
当初の水路予定地よりも広場側まで延長された石管は排水部分以外はもう埋められている。そして流れてきた水に混ざった不純物を沈殿させる為の沈殿槽も埋め込まれていた。
「この沈殿槽を埋めようとした時に発見したのだが、この辺は岩盤が広がっているようなのだ。意外にも削りやすく川底とでも言えば良いのか?それを掘っている」
とはいえ見ていると掘っているそばから砂が流れ込んで来るようである。ふと記憶が蘇った。美樹の住んでいた場所の川は自然の川だったが、隣町に遊びに行った時に見た川は護岸工事を施された川であった。その護岸工事に使われていたのが『蛇籠』と呼ばれるものである。鉄線で編んだ籠に石を詰めてブロック状にしたものだが、場所によっては鉄線ではなく竹で作られていたものもあった。竹の蛇籠は円筒状でその違いが面白いと調べたことがあった。
「タッケが育ってくれたらその砂の流出を食い止められるわ。あぁでもリトールの町で鉄線を買ったほうが頑丈で早いかもしれない……あぁでもお金がかかるわね……」
一人でブツブツと言っているとお父様が「どうした?」と聞いてくる。蛇籠について説明し、タッケと鉄線を使う方法があると言うとお父様はしばし考えてから口を開いた。
「向こう岸に行くのはしばらく禁止だ。誰かリトールの町に行かせよう」
お父様は川で流されるかもしれないと極端に不安がっている。無理を言うのは忍びない。
「カレン、もう一つ問題があってね。西側の川に向けて掘るとすぐに砂地になっちゃうんだ。川まで水路を伸ばすとなると、また石管を作ったり石の板を敷かないといけないと思う。今までの労力を考えると大変かなぁって……」
スイレンは困り顔でそう話す。
「そうだわ!オアシスを作りましょう!」
じいやたちには先ほど説明したが、お父様たちにも説明をする。
「向こうにはそんなものが……」
とお父様は信じられないといった表情をしているが、この近くにないのなら作ればいいのよ。だけれど同じくらい労力がかかるわね……と思っているとお父様もスイレンも興味を持ったようである。さらにイチビがオアシスを実際に見た感想を話すとかなりやる気に満ちてしまっている。
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