貧乏育ちの私が転生したらお姫様になっていましたが、貧乏王国だったのでスローライフをしながらお金を稼ぐべく姫が自らキリキリ働きます!

Levi

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休日

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 タデとヒイラギにこってりと絞られたお父様は、その後浄化設備の建設に加わり、汚名返上とばかりに働いていた。見ようによっては、タデとヒイラギに怒られないよう、馬車馬の如く働いているようにも見えた。

 ちなみにお父様との勝負に明らかに勝ったじいやは、それは嬉しそうにしており、惜しみなく怪力を駆使して機嫌良さそうに働いていた。

 その翌日も浄化設備のために大人数で作業をしたが、ようやく川の近くまで作業が進み、終わりが見えてくると皆はさらにやる気に満ち溢れた。
 とはいえ、棚田のように池を作って行っているので、その終わりまではまだ遠いのだけれど。

────

 さすがに、連日の朝から晩までの肉体労働をしている皆の体が心配になり、現場監督であるスイレンとブルーノさんに頼み、皆を休ませることにした。

「休みと言っても、何をしたら良いのか分からないのよねぇ……」

「えぇと……のんびりしたり、好きなことをしたり、遊んだり……」

 休みと聞いたお母様の呟きに答えてみたものの、肉体労働班以外は常にのんびりと好きなことをしているので、言葉が尻すぼみになってしまう。
 すると数人の子どもたちが親の元へと行き、何かヒソヒソ話をしている。

「姫様」

「何かしら!? 何の遊びをしましょうか!?」

 きっと子どもたちからのリクエストに違いないと、私は声を張って聞き返した。普段、糸や布を作ったり、農作業の手伝いをしているので、目一杯遊んでほしいのだ。

「この子たちが炭焼小屋を見たいと言っています。この子たちは森の民の頃の生活を知りませんので……」

 その言葉に、私はがっくりと肩を落としてしまった。てっきり、また鬼ごっこや水鉄砲をしたいと言うのかと思っていたからだ。

「本当に欲がないわね……じゃあ行きましょうか……」

 苦笑いでそう言うと、子どもたちがモジモジとしながら口を開いた。

「イチビお兄ちゃんたちと一緒に行きたい……」

 その言葉に思わず笑みがこぼれた。あまり欲求を言わない子どもたちが、イチビたちを名指ししたのだ。そしてイチビたちもそれを聞き、「じゃあ行くか」と抱っこや肩車をしている。
 先日のオアシスの時も思ったが、面倒見の良いイチビは特に子どもたちに大人気だ。それに負けず劣らず、力持ちのオヒシバも人気者なのだ。

「ねぇカレン」

「どうしたの?」

 微笑ましい光景に頬が緩んでいたところ、後ろからスイレンに声をかけられ振り向いた。

「好きなことをしていいなら、僕は勉強がしたいなぁ」

 一瞬、外国語を聞いた時のように私の脳が理解出来なかったが、確かにスイレンは『勉強』と言った。スイレンの勉強好きには引いてしまうが、今日はしたいことをすれば良いのだ……。

「うん……スイレンが良いなら良いのよ……」

 顔を引きつらせ、ようやく言葉を発すると、スイレンは「やったー!」と、真っ直ぐにブルーノさんの元へと走って行った。
 そのブルーノさんも嬉しそうにスイレンの頭を撫で、二人は広場の椅子に腰掛け、私にとっては呪文のようなことを話している。

「では私は……」

 ウキウキとしたお父様の声が聞こえたのでそちらを見ると、タデとヒイラギに「待て」と肩を掴まれ止められている。

「お前は広場から動くな」

「また迷子になったら迷惑だからね。森も畑も住居も、当然オアシスも禁止」

 タデは腕組みをして威圧的にお父様に言い、ヒイラギは笑顔でかなりキツイことを言っている。当然のようにお父様は膝から崩れ落ち、地面に四つん這いになっている。

「ジェイソンよ、傷はもう良いのか?」

「はい!」

 可哀想なお父様を横目に、じいやはジェイソンさんに声をかけ、ジェイソンさんは忠実なるしもべのように笑顔で答えている。

「では私たちはのんびりとオアシスで過ごそう」

 先日の勝利の余韻にまだ浸っているじいやは、お父様に当て擦るように言ってジェイソンさんを連れてオアシスへと向かった。
 もちろんお父様は悔しさから地面をバンバンと叩き、大地と戦っている。

「ヒイラギ……」

 さすがにお父様を不憫に思い、ヒイラギを手招きして呼んだ。急いで家へと戻り、黒板とチョークンを持って来て、さらさらと絵を描いた。

「お父様は体を動かしているほうが、心も健康的になると思うの。広場から出たらダメなら、広場にこれを作ってちょうだい」

「何これ……面白そう!」

 私の描いた絵を見たヒイラギは、すぐにタデを呼びあれこれと話し合い始めた。

「みんな……待たせたわね。子どもたちはポニーとロバに載せてもらいましょうか」

 律儀に立ち話などをしながら私を待っていた皆の元へと戻り、ポニーとロバに荷車を取り付け子どもたちを座らせた。たったそれだけのことなのに、子どもたちは喜びの声を上げている。

「では炭焼小屋へ出発よ!」

 私の掛け声に、子どもたちは元気よく「おー!」と声を張り上げてくれ、のんびりと炭焼小屋まで向かったのだった。
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