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宴会
③
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「じゃあ~今日の出会いに~カンパーイ!」
萌さんの音頭で、グラスを慣れない手つきでぶつけ合います。一口飲んでみると、シュワシュワのおかげか、なんだか爽やかな感じがします。初めてのお酒なので、味の違いも分からず気の利いた事が言えません……。
「次! しぃの! しぃのお酒飲んで!」
しぃちゃんが元気に手を上げてアピールします。
「しぃちゃんのお酒は何?」
見た目は幼女にしか見えませんが、どんなお酒か聞いてみました。
「うーんとね、お神酒! ゴンのお土産!」
「あぁ~、今年のお土産ね~」
と、しぃちゃんと萌さんが答えてくれました。
「お神酒って……日本酒なんだよね……?」
「一般的にはそうじゃな。今年の正月は、ゴンが出張も兼ねて福岡に行ったんじゃ。太宰府天満宮にお参りに行ったらしくてな? 太宰府天満宮のお神酒を土産で持ってきたんじゃが、そこは梅酒なんじゃと」
しぃちゃんに聞いたのですが、ぬんさんが答えてくれました。ほぇ~……勉強になります。
というか、福岡まで出張に行くってやり手な方なんですか?
なんて聞けないうちに、お猪口に梅酒のお神酒が注がれます。皆さんのようにクイッと口に入れてみると、梅酒というだけあって梅の香りと甘さが口の中に広がって美味しいです!
「百合子、次は私のだ」
そう言うと、ユキさんはドン! とテーブルの真ん中に瓶を置きました。
「……たさけ……?」
「……田酒だ。青森の日本酒だ」
日本酒ついにキターーーー!!
「大丈夫だ。癖もなくスッキリとしていて飲みやすい。私は冷や酒がいいが、百合子には冷酒にしてやろう」
「あの……冷や酒と冷酒って違うんですか……?」
「細かく言うと色々と種類があるが、冷や酒は常温、冷酒は冷たく冷やしていると思っていい。そして熱燗は熱くした酒だ」
「なるほど……」
そう言っている間に、ユキさんはぐい呑みにお酒をついでいきます。そして私の分にだけ「ふぅ~」と息を吐きかけると、キンキンに冷えたお酒になりました! さすが雪女! すごい!
そう思って拍手をしていると、「早く飲めっ!」と言われてしまいました。
ユキさんは照れ隠しなのか、物言いはぶっきらぼうです。ですがぐい呑みの隣にはお水も置いてくれました。こちらもキンキンに冷やしてくれています。本当は優しいんですね。
さて、産まれて初めての日本酒をいただきます。
「あ……飲みやすくて美味しい……」
「百合子、いける口だな」
ユキさんは少しだけ微笑んでくれました。
「では最後にワシのじゃな。ユキ、氷を頼む」
ユキさんは大きめのしっかりとしたグラスの上で手を握り、そして静かに手を広げます。なんとグラスに氷が落ちていきます!
すごい! マジシャンみたい! マジックじゃなくて、もう魔法の域ですが!
また心の声を読まれたのか、ユキさんがぶっきらぼうになります。
「早く注げ!」
「はははは! ワシのはコレじゃ」
ぬんさんの持つボトルを見ると、ラベルに書かれているのは……。
「……百年の孤独……ですか……?」
「ちょっと~ぬん! あんた~百年どころじゃないくらい~女っ気ないじゃない~」
萌さんは手を叩いて笑っていますが……どうしよう……笑えない……。
「うるさいわい! 最近のお気に入りはこの焼酎なんじゃ!」
プイっとするぬんさんが少しカワイイです。というか、次は焼酎ですか……。とくとく、と注がれる焼酎を見て、違和感を感じました。
「……あれ? 焼酎って無色透明じゃなかったでしたっけ……? これ……色が……」
「そうじゃ。普通は透明じゃよ。これは何年も寝かせておくから、色も味もウイスキーのようになるんじゃ。さ、飲んでみぃ」
イケオジに優しく微笑まれたら飲むしかありません。
「あ……美味し……いぃぃぃ!?」
喉が焼けるように熱いです! 甘みを感じるのに熱いぃぃぃ!
「大丈夫か百合子? 水を飲め!」
ぬんさんに言われてお水を一気飲みです。
「あ~……うっかりしておったが、度数が40度なんじゃった。ワシらはそうそう酔わんが、百合子にはきつかったかのう……?」
困り顔のぬんさんです。
「いえ……大丈夫です……って妖怪って酔わないんですか?」
「酔うわよ~。けど人間みたいに~倒れたり吐いたりは~基本的にはないかなぁ~。てか~ここにいるメンバーってザルだしぃ」
うん、酒飲みにしか見えません。
「まぁ、百合子は水を飲みながら付き合えばいい。楽しめ」
ユキさん……それ既に何杯目ですか……? あ……萌さんの前に空きボトルが……皆さん酒豪妖怪ですか……そうですか……。
私は言われるがまま、ちびちびといろんなお酒を飲みます。俗に言うチャンポンってヤツです。三十分後、カオスになるとは知らずに。
────三十分後────
「もうね~! 萌さんがキャバクラやればいいと思いまふ!」
「あらぁ~一番確実かもね~! あははは~!」
「百合子! 私は!?」
「ユキさんはー! 女王様!」
「なんだ!? 女王様って!?」
「あっはっはっは~! ユキったらドSだもんね~!合ってる合ってる~!」
手を叩いて笑う萌さんに、一升瓶をラッパ飲みしているユキさん。そして私もラッパ飲みで!
「はぁい! ピンドン空きました~!」
「きゃ~! 百合ちゃんカッコイイ~!」
「はいー! 次は梅酒……あれ? しぃちゃんも梅酒もないれふ!」
「あらぁ~しぃったら飽きたのね~。放っておきましょ~。代わりにどうぞ~ドンペリよ~」
「うぃ~!!」
もうみんなグラスなんて使っていません。テーブルの上も床も空き瓶だらけです。
「ワシはこの先何をしたら良いかな?」
「ぬんさんは~……ん~……私のサポートれす!」
「あら」
「おや」
「ふむ」
「百合ちゃ~ん、面白いからもっと飲んで~」
「いただきまふ!」
このまま気付いたらテーブルに突っ伏して寝ていました……。
「百合ちゃ~ん、百合ちゃん起きて~。ゴンが来る前にシャワー浴びましょ~」
「……う……う~ん……」
「百合ちゃ~ん大丈夫~??」
「はい……起きました……」
「……二日酔いないの??」
「なんですかそれ?」
「あらぁ~将来有望ね~。じゃあ~私の部屋に一回行きましょ~」
どうやら今は早朝のようです。シャワーを浴びる為に、萌さんの部屋へ行くことにしました。リビングには私と萌さんだけ。あんなに散らかっていたお部屋はピカピカです。
「みんなは~仮眠してるわ~。さすがに~飲みすぎたみた~い。お部屋は術を使ったら~すぐにキレイになるから気にしないで~」
酒豪妖怪が飲みすぎたと言うことは、本当にどれだけ飲んだのでしょうか……。
萌さんの音頭で、グラスを慣れない手つきでぶつけ合います。一口飲んでみると、シュワシュワのおかげか、なんだか爽やかな感じがします。初めてのお酒なので、味の違いも分からず気の利いた事が言えません……。
「次! しぃの! しぃのお酒飲んで!」
しぃちゃんが元気に手を上げてアピールします。
「しぃちゃんのお酒は何?」
見た目は幼女にしか見えませんが、どんなお酒か聞いてみました。
「うーんとね、お神酒! ゴンのお土産!」
「あぁ~、今年のお土産ね~」
と、しぃちゃんと萌さんが答えてくれました。
「お神酒って……日本酒なんだよね……?」
「一般的にはそうじゃな。今年の正月は、ゴンが出張も兼ねて福岡に行ったんじゃ。太宰府天満宮にお参りに行ったらしくてな? 太宰府天満宮のお神酒を土産で持ってきたんじゃが、そこは梅酒なんじゃと」
しぃちゃんに聞いたのですが、ぬんさんが答えてくれました。ほぇ~……勉強になります。
というか、福岡まで出張に行くってやり手な方なんですか?
なんて聞けないうちに、お猪口に梅酒のお神酒が注がれます。皆さんのようにクイッと口に入れてみると、梅酒というだけあって梅の香りと甘さが口の中に広がって美味しいです!
「百合子、次は私のだ」
そう言うと、ユキさんはドン! とテーブルの真ん中に瓶を置きました。
「……たさけ……?」
「……田酒だ。青森の日本酒だ」
日本酒ついにキターーーー!!
「大丈夫だ。癖もなくスッキリとしていて飲みやすい。私は冷や酒がいいが、百合子には冷酒にしてやろう」
「あの……冷や酒と冷酒って違うんですか……?」
「細かく言うと色々と種類があるが、冷や酒は常温、冷酒は冷たく冷やしていると思っていい。そして熱燗は熱くした酒だ」
「なるほど……」
そう言っている間に、ユキさんはぐい呑みにお酒をついでいきます。そして私の分にだけ「ふぅ~」と息を吐きかけると、キンキンに冷えたお酒になりました! さすが雪女! すごい!
そう思って拍手をしていると、「早く飲めっ!」と言われてしまいました。
ユキさんは照れ隠しなのか、物言いはぶっきらぼうです。ですがぐい呑みの隣にはお水も置いてくれました。こちらもキンキンに冷やしてくれています。本当は優しいんですね。
さて、産まれて初めての日本酒をいただきます。
「あ……飲みやすくて美味しい……」
「百合子、いける口だな」
ユキさんは少しだけ微笑んでくれました。
「では最後にワシのじゃな。ユキ、氷を頼む」
ユキさんは大きめのしっかりとしたグラスの上で手を握り、そして静かに手を広げます。なんとグラスに氷が落ちていきます!
すごい! マジシャンみたい! マジックじゃなくて、もう魔法の域ですが!
また心の声を読まれたのか、ユキさんがぶっきらぼうになります。
「早く注げ!」
「はははは! ワシのはコレじゃ」
ぬんさんの持つボトルを見ると、ラベルに書かれているのは……。
「……百年の孤独……ですか……?」
「ちょっと~ぬん! あんた~百年どころじゃないくらい~女っ気ないじゃない~」
萌さんは手を叩いて笑っていますが……どうしよう……笑えない……。
「うるさいわい! 最近のお気に入りはこの焼酎なんじゃ!」
プイっとするぬんさんが少しカワイイです。というか、次は焼酎ですか……。とくとく、と注がれる焼酎を見て、違和感を感じました。
「……あれ? 焼酎って無色透明じゃなかったでしたっけ……? これ……色が……」
「そうじゃ。普通は透明じゃよ。これは何年も寝かせておくから、色も味もウイスキーのようになるんじゃ。さ、飲んでみぃ」
イケオジに優しく微笑まれたら飲むしかありません。
「あ……美味し……いぃぃぃ!?」
喉が焼けるように熱いです! 甘みを感じるのに熱いぃぃぃ!
「大丈夫か百合子? 水を飲め!」
ぬんさんに言われてお水を一気飲みです。
「あ~……うっかりしておったが、度数が40度なんじゃった。ワシらはそうそう酔わんが、百合子にはきつかったかのう……?」
困り顔のぬんさんです。
「いえ……大丈夫です……って妖怪って酔わないんですか?」
「酔うわよ~。けど人間みたいに~倒れたり吐いたりは~基本的にはないかなぁ~。てか~ここにいるメンバーってザルだしぃ」
うん、酒飲みにしか見えません。
「まぁ、百合子は水を飲みながら付き合えばいい。楽しめ」
ユキさん……それ既に何杯目ですか……? あ……萌さんの前に空きボトルが……皆さん酒豪妖怪ですか……そうですか……。
私は言われるがまま、ちびちびといろんなお酒を飲みます。俗に言うチャンポンってヤツです。三十分後、カオスになるとは知らずに。
────三十分後────
「もうね~! 萌さんがキャバクラやればいいと思いまふ!」
「あらぁ~一番確実かもね~! あははは~!」
「百合子! 私は!?」
「ユキさんはー! 女王様!」
「なんだ!? 女王様って!?」
「あっはっはっは~! ユキったらドSだもんね~!合ってる合ってる~!」
手を叩いて笑う萌さんに、一升瓶をラッパ飲みしているユキさん。そして私もラッパ飲みで!
「はぁい! ピンドン空きました~!」
「きゃ~! 百合ちゃんカッコイイ~!」
「はいー! 次は梅酒……あれ? しぃちゃんも梅酒もないれふ!」
「あらぁ~しぃったら飽きたのね~。放っておきましょ~。代わりにどうぞ~ドンペリよ~」
「うぃ~!!」
もうみんなグラスなんて使っていません。テーブルの上も床も空き瓶だらけです。
「ワシはこの先何をしたら良いかな?」
「ぬんさんは~……ん~……私のサポートれす!」
「あら」
「おや」
「ふむ」
「百合ちゃ~ん、面白いからもっと飲んで~」
「いただきまふ!」
このまま気付いたらテーブルに突っ伏して寝ていました……。
「百合ちゃ~ん、百合ちゃん起きて~。ゴンが来る前にシャワー浴びましょ~」
「……う……う~ん……」
「百合ちゃ~ん大丈夫~??」
「はい……起きました……」
「……二日酔いないの??」
「なんですかそれ?」
「あらぁ~将来有望ね~。じゃあ~私の部屋に一回行きましょ~」
どうやら今は早朝のようです。シャワーを浴びる為に、萌さんの部屋へ行くことにしました。リビングには私と萌さんだけ。あんなに散らかっていたお部屋はピカピカです。
「みんなは~仮眠してるわ~。さすがに~飲みすぎたみた~い。お部屋は術を使ったら~すぐにキレイになるから気にしないで~」
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