エスエフ!《SPACE FRONTIER~宝くじの景品で星が当選したら僕たちの世界が変わり始めたようです~》

かぼす

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Mission【1】EXPLORER

《3》宇宙公安法、第一条第一項

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「何度見てもティエラはふらふらと動いてるよな」
「うらやましい限りだね、早く宇宙旅行してみたいよ」
「うちゅーさんぽだねっ!」
「コードネームは『S/5986 L1 WANDERさまよう』……、いまさらだけどピッタリだったよね」
「お前みたいだな、興味があるもの見つけるとそっちにウロウロ、あっちにウロウロだ」
「たしかにー!」
「否定できないのが悔しい!」

 そんな他愛のない話をしていたその時だ。

『緊急報告! 緊急報告! ターゲット『ティエラ』に重大な異常が認められました』

「なになに!? デュオちゃん!」
『ターゲット『ティエラ』が何らかの要因により2個に分裂しました、物質Xを含む塊側の残体積は約1割、分裂側はその残り9割となります』
「はにゃー! わかんない!」
「ピケはそれ気にしないで良いから『ピケレーダー』をビンビンに発動してて、デュオは経路予測をお願い」
「ん! わかった!」

 ピケが持つ謎の危険察知能力(ただの勘)の通称『ピケレーダー』は……当たるんだよなぁ、以前ピケが保護されて少しした頃、小型の隕石がコロニーにぶつかる危機を事前に察知して回避させていたし、細々したものはキリがない。

「おいロビン! 俺はどうする?」
「ピケレーダーが反応しそうな状態だから今回も念のため親父さんにコールイエロー出しておいて」
「任された!」
 ※コールイエロー:宇宙機に危機が迫っている可能性を発見したら通報する仕組み

 ……そして。

「ピコーン! ロビロビ! われたおほしさまがねぇ……ここにおっこちてくるかもー!」

 ほら来た。

「――デュオ聞いてたな? その可能性の検証と予測接触タイミングの計算を頼む、情報展望センターへの接続も僕の権限で許可するから最速でやってくれ、それをコロニーの危機管理センターに転送する準備まで頼んだ、フェルはコール『ピケ』を通知して」
 ※コール『ピケ』:以前あったコロニーの危機を回避するに至ったピケの勘をコロニーの各市長は存外信頼しており、この用語が生まれた
「ロビン! もう連絡ついたぞ、宇宙機公安法、第一条第一項に基づいて発見者の集団は緊急会議に参加せよだってよ」
「了解……んじゃピケも準備してね、デュオはデータを19会議室のサンドボックスに転送し続けてね」
 ※サンドボックス:開発エリアのような意味を持つが、ここでは外部共有サーバーのような扱い

「あと、デュオは僕達が移動するためのチューブとプルの優先移動権とかの確保もお願い」
『承知しました』

 ここまでの情報からすると知的生命体はあの星には絶対にいない、それならこれから起こるのは彗星(仮)から分裂した塵による隕石被害だ。

「面白くなってきたな」

 * 用語説明 *

 ◆宇宙公安法、第一条第一項(その一部)
 主星或いは宇宙機に危機が迫る可能性がある場合、その保全を最優先として行動せよ
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2021.09.27 かぼす

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