孤児院を追放された精霊魔法使い~虹色魔力で自由気ままに冒険者として成り上がります~

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敵を見据える

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「なんだ魔力0って俺そんなの見たことないぞ」
「俺もない、スールこれどういうことだ?」
「まず驚くのそこかしら? 普通は加護のほうじゃないの」
「……確かにそうか」
「だな、これどういうことだ? オールゼロの判定と関係あるのか?」
「分からないわよ、でもこれじゃ生活魔法も使えない……これから苦労するわ」
「いえ、使えますよ魔法」
「やっぱりなぁ使えないよなぁ」
「そりゃそうだよなぁ」
「そうよねぇ」

「そうじゃなくて、僕魔法なら使えますよほら灯魔法トーチ

 指先に光の魔力を通し小さな光を点灯してみせる。

「だからそんなわけ」
「……あるわけが」
「あった!」

「ほらね?」

 3人3様に首をひねるのだが不意にスールさんが復活した。

「あの、アルス君? なんで魔力がないのに魔法が使えるの?」

 ……そうか、普通はそうなんだった。

「えっと、僕は魔力をためる『器』が小さすぎて魔力が溜まらないんだって孤児院にいたころに旅の人が教えてくれました」
「うんうん、だからそれじゃ魔力を込めるように操作することは絶対に出来ないはずよなのよ?」
「ついでに教えてもらった時には『魔力回復』のスピードが以上に速いらしくて溜め込まなくてもそれをそのまま『魔力回路』の領域に流し込めているらしいんです、なので発動までそのまま出来ます」
「出来ますって、ありえないわ」
「そもそもその旅人が何者だって話だよ」
「そんなのが出来るのは魔力視が出来る人間くらいだろ、どっかの研究員かもしれないぞ」

 そういえば立派な旅装だったような。

「名前までは教えてもらえなかったので、でもすごい雰囲気は感じた気がします、威圧感というか」
「そうなのね、納得できないけれど納得したことにしておくわね、それでどういう魔法が使えるの?」
「ちゃんと習ったわけじゃないので、火起こしや水の用意、風を起こしたり光ったり重力を発生させたり、思いついた魔法は孤児院を手伝うために練習していたら大体できるようになりました」
「孤児院というか……教会がこの能力を測れなかったことに思い当たることはあるか?」
「それなら、今になって思うと精霊が洗礼の間に入れなかったからだと思います、あの部屋は魔力を遮断していて『魔力回復』をしようにも出来ないから水晶に魔力を流せなかったんだと……」
「もう一回言うわね、納得できないけれど納得したことにしておくわ、それでこの掃きだめの町でどうやって稼ぐつもり?」
「最初に聞いた通り、ここを閉じさせたいです、なので閉じたら働いてる人がどうなるんだろうと気になってるんですが」
「本当にクリアする気なんだなお前は……」
「そりゃ面白いな、そうしたら俺らも解放だな」
「そうねぇ、そうなったら嬉しいわね」

 どういうことだ……嬉しい? 働き口がなくなるんじゃ……。

「なら本当に攻略してここを閉じクリアますよ、他の町民もそれで不都合はないんですね?」
「それなら大丈夫、契約ではこの町で返済をするようになっているだけだから、前提が崩れたらその時点で前提が崩れるわね」
「だな、法律的にはそこで全員借金無しになるはずだ」
「ここに住む人間の理想はそれだよな」

 ふむ……。

「分かりました、ここがCランクのダンジョンなら問題ないと思います、一応去年同じランクは攻略したことがあるので……ということで冒険者登録したいんですけど」
「「「ふぁ!?」」」

 あれ?

「待て待て待て、攻略したって?」
「Cランクを? もしかして……」
「一人で?」

「正しくは一人ではないです、ところどころ精霊の力を借りていました、でも殆どは頼らなかったので全力で攻略したかというとそうじゃないかな、これじゃダメですか?」
「ダメな」
「わけが」
「ないじゃないのーー!」

 ◇ ◇

 こうして、冒険者としてダンジョンに潜る資格を得た僕は長かった孤児院からの追放劇の初日を終えたのだった。

「孤児院も教会も……みんなグルだったんだよな、せっかく孤児院の為に働いてたのに……やり返してやる、あの院長と司祭は絶対許さない」
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