孤児院を追放された精霊魔法使い~虹色魔力で自由気ままに冒険者として成り上がります~

かぼす

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ダンジョンの中の町

町の存在理由(1)

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 ここはダンジョンの町だ。

 ダンジョンの中のどこかの層のなかに作られた秘密の町。

 そんなダンジョンに潜り、当日未帰還となってしまったとある冒険者を捜索する緊急依頼。

 これが今回の僕の請け負った依頼だ。

 町から数えて3層までは、やはり大した難度でもなく攻略を進めることができ、4層に足を踏み入れて少し探索を終えたのだが……。

「なんだかおかしいな、ほとんど魔物の強さが変わってない気がする」

 通常のダンジョンは奥に行くほどに強い魔力、いわゆる魔素が多く空気に含まれているため、その場所にいる魔物ほど強い個体が出現することが多いのだが。

「ほとんど魔素も変わってないし……どういうことなんだ? そもそもダンジョンの中に町があるし、考えてみたらこのダンジョンや町はイレギュラーが多すぎる」

 ダンジョンの中の町なのになぜ魔物が湧かないんだ? これが初めての疑問だった。

「そもそも死んでもいいような環境として送り込まれたのに、なんで救助依頼が来るんだ?」

 ザイルさんやドロンさん、そしてスールさんは無能判定を受けてここに来た感じではなさそうだった、なのにこの町にいる……監視目的か?

 そんなことをいろいろと考えながら捜索を続けていると、 今回の目的となる遭難冒険者を発見することができたのだが、なんだか様子がおかしいのだ。

「奥が……、5層がやべぇ! 町が終わるぞ!」
「メイジやらソードマンやら、挙句ジェネラルまでめちゃくちゃ沢山いやがったんだ、あれなら最低でも絶対にキングが生まれてるはずだ、もしかしたらロードまでいるかもしれねぇ」
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