桜のあと ―私の推しの美男子看護師さん―

中川四角

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気持わかるから

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 「僕も入院してた事があってさ、なかなか病気がなんなのか診断がつかなくてつらかった時期があってさ。」

 櫻川さんは静かに話はじめた。
私は相変わらず話せないので頷く。

「だから患者さんの気持ちがわかるつもりだよ。」

 ケアの時は顔がすごく近づく、
櫻川さんの目は、まつ毛が長くて、くりっとしていて、どこまでも澄んだ瞳。
やや太めの眉が初々しい。
子犬系イケメンというところかな。

 優しげに話かけてくれる時の櫻川さんは、素の櫻川さんだと思う。仕事の枠の中での親切さとは違う感じだ。元々仕事を離れても明るくて、心が綺麗な人なんだと思う。

 しゃべれない、動けない私が本当に気持ちをわかってもらうのは大変な事だ。

筆談にも限界がある。

 もう少し何かして欲しくても我慢する事も多い。櫻川さんは、私が少しでも快適に過ごせるように何か提案してくれる事もあった。

 HCUの看護師さんたちは、不安な私と時間をとって話してくれたり、夜、手を握ってくれることがあった。

普段よく部屋を見に来ておむつを替えてくれてくれる看護師さんが師長さんだと知った時は驚いた。

 そして、本人は私に全くそういう事を言わないのだけれど、ICUに私がいた頃、主治医のイケメン先生は、時間さえあれば私の側にいてくれたと他の先生から聞いた。

 そんなふうにして私は気を失ったり、眠ったりしてる間にも、たくさんの人に温かな心をもらったのだろう。

 それは、純粋な祈りのようなものだったのかも知れない。

 

















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