3 / 27
椅子に座った女 再び思い出す
しおりを挟む
私があの女の人の事を思い出したのは、祖父のお葬式の時だったと思います。田舎のお葬式なので、長時間だったと思います。
「お葬式の途中でおにぎりを出すからね。」
大人の人達がおにぎりを作って、お葬式の途中でおにぎりが横からまわってきます。もう1種類、食べ物のお皿がまわって来たと思いました。
お葬式では本家の人も来ていて、普段交流はほぼ無いのですが、顔をぱっと見ただけで、本家の人とわかりました。うちは分家で、祖父は本家で生まれたはずです。
私は母の実家に夏休みなど数日預けられたり、する事が多く、父方の親戚の事をよく知りません。後になってもっと聞いておけば良かったと思う様になりました。
祖父のお葬式に来た本家の人達は、年配の人ばかりでした。向こうは私を知っているようで、親しげに話しかけてくれました。私はその人達を知らないとは言えずに、知っているようなふりをしていました。
お葬式の後は、お手伝いをしてくれた人達と、親戚の人達と何処かの宴会場の様な所へ行き、御膳を食べました。
私は子供だったのと、お葬式が始めてだったのと、祖父が亡くなったショックでぼんやりしていたかもしれません。
きちんと親戚の人に挨拶をしたり、父の手伝いをできるような子供だったら良かったのですが⋯。
大人達は祖父の死をすごく悲しんでいる風でもなく、
「英さんは、肺が弱かったから本当なら、20代で死んでてもおかしくなかったよね。よくここまで生きた。」
「年をとってからもコツコツ竹細工をしたりしたり、畑作りも頑張ってたね。」
などと話していました。
食事が終わると、大人はお酒も入っているのでそれぞれの家の人が車で迎えに来ていました。
私は帰って行く人達に入り口でペコっと頭を下げていました。
しばらくすると、1人のおじさんが誰かをお迎えに来ました。本家のおばあちゃんのお迎えでした。
私はペコリと頭を下げて、おじさんの顔を見てハッとしました。この、眉、目とほっぺどこかで見たことがある。
一 そうだ。あの夏祭りの夜にうちの玄関の横に座っていた女の人に眉、目、ほっぺの感じがすごく似てる。
「おじちゃん、本家か分家、おじちゃんの身内で20代くらいの女の人いる?おじちゃんみたいに目のぱっちりした。綺麗な長い黒髪の。」
私は思わず、おじさんに話しかけていました。
「ん?そうだな⋯。おじちゃんの子供は男の子だし。結婚してないのもいるし。年取っても結婚しないのが多くてね。おじちゃんの家系は男の子ばっかりで、少なくとも若い女の子はいないよ。でも、どーして?」
「何でもないの。女の子いたらお人形で遊んでもらおうかなって。」
私は適当に誤魔化しました。
結局、誰に聞いても私が見たあの夜の女の人に当てはまる人はいませんでした。
一 ご先祖様だったのかな?
それから1度だけこの話しを人にした事があります。その人は言いました。
「白い着物の女の人がいなくなった時、家の外を探していなかったんだよね?家の中は探したの?」
「⋯⋯。」
それから少し年月が流れて、空き家になった隣の家に都会に出た娘さんがお盆休みで戻って来ていて、戸が開いていました。チラッと中が見えたのですが、私が白い着物の女の人をみた頃に、隣の家の階段の音の上り下りの音がうるさいなあと思っていた場所に階段がありませんでした。
後で親に聞いてみると、隣の家の階段は家の奥の方にあると、教えてくれました。
それに今思えば、おじいさんとおばさんの2人暮らしの家で、毎晩夜10時過ぎから何度も階段を駆け上がったり降りたりと言うのもおかしな話です。
私が聞いていた階段の音はどこから聞こえていたのでしょうか?
「お葬式の途中でおにぎりを出すからね。」
大人の人達がおにぎりを作って、お葬式の途中でおにぎりが横からまわってきます。もう1種類、食べ物のお皿がまわって来たと思いました。
お葬式では本家の人も来ていて、普段交流はほぼ無いのですが、顔をぱっと見ただけで、本家の人とわかりました。うちは分家で、祖父は本家で生まれたはずです。
私は母の実家に夏休みなど数日預けられたり、する事が多く、父方の親戚の事をよく知りません。後になってもっと聞いておけば良かったと思う様になりました。
祖父のお葬式に来た本家の人達は、年配の人ばかりでした。向こうは私を知っているようで、親しげに話しかけてくれました。私はその人達を知らないとは言えずに、知っているようなふりをしていました。
お葬式の後は、お手伝いをしてくれた人達と、親戚の人達と何処かの宴会場の様な所へ行き、御膳を食べました。
私は子供だったのと、お葬式が始めてだったのと、祖父が亡くなったショックでぼんやりしていたかもしれません。
きちんと親戚の人に挨拶をしたり、父の手伝いをできるような子供だったら良かったのですが⋯。
大人達は祖父の死をすごく悲しんでいる風でもなく、
「英さんは、肺が弱かったから本当なら、20代で死んでてもおかしくなかったよね。よくここまで生きた。」
「年をとってからもコツコツ竹細工をしたりしたり、畑作りも頑張ってたね。」
などと話していました。
食事が終わると、大人はお酒も入っているのでそれぞれの家の人が車で迎えに来ていました。
私は帰って行く人達に入り口でペコっと頭を下げていました。
しばらくすると、1人のおじさんが誰かをお迎えに来ました。本家のおばあちゃんのお迎えでした。
私はペコリと頭を下げて、おじさんの顔を見てハッとしました。この、眉、目とほっぺどこかで見たことがある。
一 そうだ。あの夏祭りの夜にうちの玄関の横に座っていた女の人に眉、目、ほっぺの感じがすごく似てる。
「おじちゃん、本家か分家、おじちゃんの身内で20代くらいの女の人いる?おじちゃんみたいに目のぱっちりした。綺麗な長い黒髪の。」
私は思わず、おじさんに話しかけていました。
「ん?そうだな⋯。おじちゃんの子供は男の子だし。結婚してないのもいるし。年取っても結婚しないのが多くてね。おじちゃんの家系は男の子ばっかりで、少なくとも若い女の子はいないよ。でも、どーして?」
「何でもないの。女の子いたらお人形で遊んでもらおうかなって。」
私は適当に誤魔化しました。
結局、誰に聞いても私が見たあの夜の女の人に当てはまる人はいませんでした。
一 ご先祖様だったのかな?
それから1度だけこの話しを人にした事があります。その人は言いました。
「白い着物の女の人がいなくなった時、家の外を探していなかったんだよね?家の中は探したの?」
「⋯⋯。」
それから少し年月が流れて、空き家になった隣の家に都会に出た娘さんがお盆休みで戻って来ていて、戸が開いていました。チラッと中が見えたのですが、私が白い着物の女の人をみた頃に、隣の家の階段の音の上り下りの音がうるさいなあと思っていた場所に階段がありませんでした。
後で親に聞いてみると、隣の家の階段は家の奥の方にあると、教えてくれました。
それに今思えば、おじいさんとおばさんの2人暮らしの家で、毎晩夜10時過ぎから何度も階段を駆け上がったり降りたりと言うのもおかしな話です。
私が聞いていた階段の音はどこから聞こえていたのでしょうか?
6
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
意味がわかると怖い話
邪神 白猫
ホラー
【意味がわかると怖い話】解説付き
基本的には読めば誰でも分かるお話になっていますが、たまに激ムズが混ざっています。
※完結としますが、追加次第随時更新※
YouTubeにて、朗読始めました(*'ω'*)
お休み前や何かの作業のお供に、耳から読書はいかがですか?📕
https://youtube.com/@yuachanRio
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる