私だけ視えない 病院の怪談

中川四角

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1日目 4人部屋の人達

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 このお話は私、中村愛佳 (なかむら あいか)20才が、原因不明の不調で2週間の入院をする事になった時の病棟でのお話です。

祖母は霊感が強く、それを少し受け継いだのか私は子供の頃から心霊体験があり、霊を怖いと思ったことはありませんでした。

単純にそれまでは怖い霊に当たらなかっただけかもしれません。この頃の私はまだ若く気が強かったのですが、明らかな体調不良にどんな病気なのか怖いという思いがありました。それに、それまでは大きな病院に入院したこともありませんでした。

入院の手続きを済ませると、私は呼ばれるまでしばらく待合室で待っていました。

片足を引きずっている病院のスタッフさんが横を通り、何往復かしている間に私は呼ばれました。

「6階の北病棟です。こちらを、北6のナースステーションにお出しください。」

と、ファイルを渡されました。その病棟は照明のせいかどこか薄暗くデイルームの網戸にはクモの巣が張っていました。

通り過ぎる看護師さん達が、うつむいていて生気が無いような気がしたのですが、その時の私は体調が悪くそれどころではありませんでした。

ナースステーションにファイルを出すと、看護師さんが大部屋に案内してくれました。

そこには、長い髪を毛を明るい茶色に染めたお姉さんと、ベリーショートの黒髪の60才くらいの人が居ました。

「中村と申します。検査入院で2週間程になるかと思います。よろしくお願いします。」

「私は雪原貴子(ゆきはら きこ)38才、よろしく。あっちは、後島(ごしま)先生。」

「後島です。あの、あたしね、すぐ退院になりそう。入院しなくても良さそうだったけど、ひとり暮らしだから念の為に入れてもらったの。主人は17年前に他界してそれからずっとひとり。」

「私も2人目の旦那は亡くなったの。と言っても事実婚みたいな感じでさ。私が面倒見て見送った。色々あって、今はひとり暮らし。私は糖尿病、気がついたらけっこう重くなっていたみたいでね。」

2人は話しが好きな明るい感じの人達で、私は何だかホッとしました。この部屋は安心できそうと思っていました。

次の日、看護師さんが夜勤の人に代わるくらいの時間までは⋯。


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