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第5章の7・でないと怒りますよ…の ぷち話し
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〝棒?みたいな武器持ってる人は几帳面ですね。神経質かな〟
鏡は、階段を降りてきた五人を見定めていた。
ピンッと背筋を伸ばした立ち姿と、左右に居る早川と道後との間隔を同じにしている宇賀を神経質な男と捉えた。
〝あの人は蹴り技か。少し粗暴な感じですかね。恐らく技も荒いでしょう。あの人は…素早いのかな?両手の武器からして手数勝負ですね〟
斜めに構えた立ち方の荒銀を性格も攻撃も荒いと判断し、小刀を両手に持つ羽田に対しては利也が話す度にピクピク動く指先とその武器を見て、スピードタイプと見た。
〝ブーメランの人は意外と力が有りそう。あの小刀の人との同時攻撃だとやり辛いな〟
鏡はこの時既に、自分だけで六人と戦う気でいた。
〝問題は真ん中の大きい人ですね。まぁでも…それよりも〟
鏡は横目で竜沢を見た。
〝この人をどう説得するか、ですね〟
自分一人で六人と戦うという状況で竜沢を先に行かせる…それが一番難しいと考えている鏡。
そんな時、深雪の粛清の事を利也が話し出した。
〝案ずるより…ってやつですね〟
そして竜沢は怒りを露わに階段を上がる。その途中、鏡の方を見る。
「早く行って下さい。でないと怒りますよ。」
〝竜沢くん、どんな時でもあなたは見返る。…いいんですよ?後ろなんて気にしなくて。そんな顔しないで下さい〟
「竜沢くん、もしかして僕が負けるとでも思ってます?」
〝見返る事なんてない。だって僕は、必ずあなたの傍に居ます〟
「ですよね。じゃあ…先に行ってて下さい。」
〝竜沢くん…実際はあなたが一番危ない道を行くんですよ?僕達を気にしてる場合じゃない。でも…そう、あなたはそういう人です。だからこそ僕は…僕達は、竜沢くんが大好きなんです〟
微笑む鏡。
「鏡、ゆっくりでいいからな。」
竜沢の言葉を受け、静かに闘志を燃やす鏡。
〝僕が倒れれば、竜沢くんは納得しないでしょう。ブラックマスクを倒せても、僕達が負ければ竜沢くんは笑えない。だから僕は…僕達は誰一人…絶対に負けない!〟
「手加減…出来ないかもしれませんよ。」
鏡の瞳は決意に満ちていた。
鏡は、階段を降りてきた五人を見定めていた。
ピンッと背筋を伸ばした立ち姿と、左右に居る早川と道後との間隔を同じにしている宇賀を神経質な男と捉えた。
〝あの人は蹴り技か。少し粗暴な感じですかね。恐らく技も荒いでしょう。あの人は…素早いのかな?両手の武器からして手数勝負ですね〟
斜めに構えた立ち方の荒銀を性格も攻撃も荒いと判断し、小刀を両手に持つ羽田に対しては利也が話す度にピクピク動く指先とその武器を見て、スピードタイプと見た。
〝ブーメランの人は意外と力が有りそう。あの小刀の人との同時攻撃だとやり辛いな〟
鏡はこの時既に、自分だけで六人と戦う気でいた。
〝問題は真ん中の大きい人ですね。まぁでも…それよりも〟
鏡は横目で竜沢を見た。
〝この人をどう説得するか、ですね〟
自分一人で六人と戦うという状況で竜沢を先に行かせる…それが一番難しいと考えている鏡。
そんな時、深雪の粛清の事を利也が話し出した。
〝案ずるより…ってやつですね〟
そして竜沢は怒りを露わに階段を上がる。その途中、鏡の方を見る。
「早く行って下さい。でないと怒りますよ。」
〝竜沢くん、どんな時でもあなたは見返る。…いいんですよ?後ろなんて気にしなくて。そんな顔しないで下さい〟
「竜沢くん、もしかして僕が負けるとでも思ってます?」
〝見返る事なんてない。だって僕は、必ずあなたの傍に居ます〟
「ですよね。じゃあ…先に行ってて下さい。」
〝竜沢くん…実際はあなたが一番危ない道を行くんですよ?僕達を気にしてる場合じゃない。でも…そう、あなたはそういう人です。だからこそ僕は…僕達は、竜沢くんが大好きなんです〟
微笑む鏡。
「鏡、ゆっくりでいいからな。」
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〝僕が倒れれば、竜沢くんは納得しないでしょう。ブラックマスクを倒せても、僕達が負ければ竜沢くんは笑えない。だから僕は…僕達は誰一人…絶対に負けない!〟
「手加減…出来ないかもしれませんよ。」
鏡の瞳は決意に満ちていた。
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