龍青学園GCSA -ぷち-

楓和

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第6章の5・さっさと行動しな…の ぷち話し

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 竜沢は部屋で七月からもらったプレゼントを開けていた。

 「…犬。」

犬のストラップを見て、七月との何気ない会話を思い出した。


 「犬派か猫派か?」

学美が考え出す。
GCSAの部室で、先日のテレビ番組の話しから、犬派か猫派かの話しになったのだ。

 「私はやっぱ猫かな?何となくだけどさー、猫って我が道を行く…みたいな感じするだろ。そんなとこが良いかなー。」
 「ふぅ~、学美らしいね。学美自身がそんな感じするし。」
 「え?!そうなのか?!」

流香にそう言われて驚く学美。

 「自覚ねぇのかよ。」

呆れる竜沢。

 「し、神侍!それは良い意味か?!」
 「何で真剣?」

学美の食い付きに、一歩引く竜沢。

 「俺は犬やなー。足早いとこが俺っぽいやろ!」
 「お前はダチョウ。」
 「何でやねん?!」

『隆正が犬』には納得できない様子の甲。つまり甲も犬派。

 「特にデカいのがいい。」

甲がそう言うと同意したのは竜沢。

 「確かに!大型犬…いいよな。」
 「竜沢くんは犬派で特に大型犬が好きですもんね。あ、そうそう。咲子さんの家にセントバーナードいますよ。」
 「可愛いよなー。………………あ、いや、い、犬だぞ。」

ニコニコしてる鏡を見て、何となく冷や汗を垂らす竜沢。

 「七月はどっちなの?」
 「猫も可愛いけど、やっぱり私も犬かな。流香は猫っぽいね。」
 「うーん…そうね、猫派かな。虎ってネコ科だから。」

ニッコリ微笑む流香にゾっとする竜沢と隆正。

 「具体的に言うなら俺はゴールデンが好きだな。中型犬の分類になるのか?」
 「神ちゃんってゴールデンレトリバーが好きなの?」
 「そうそう。特にあの目とか…可愛くてたまんねーだろ。」

ニヤける竜沢に、自分の口元も緩んでしまう七月。


犬のストラップは、ゴールデンレトリバーをデフォルメした物だった。

 「あんな何気なく言った事、覚えてたんだな。」

七月に対し、愛おしい気持ちが溢れて来る竜沢。しかし何故か動き出せない竜沢。

 〝俺は七月が好きだ…けど、七月はどうなんだ?鏡の事は?隆正は?咲ちゃんは?〟

色々な事が竜沢の頭を一杯にする。

 〝例えば…もしかして…万が一……万が一、七月が俺を好きだとする!けど、あいつは…引っ越す。俺が告って、それで…どうなる?辛くなるだけなんじゃないのか…〟

何が正しいのか分からない。竜沢は変な方向に凝り固まってしまっていた。

そして、そんな竜沢を姉の暮巴が後押しし、竜沢は走り出す。

 「ったく、世話の焼ける奴だね。」

竜沢が出て行った後、物思いにふける暮巴。

 「…七月ちゃんが家族になったら、一緒に温泉とか入りたいねー。………むこうの方が胸デカいな。やっぱ温泉はやめるか。」

気が早い上に気にするところそこかよ。
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