龍青学園GCSA -ぷち-

第6章の4・引っ越すの…の ぷち話し

　学園都市のある場所にその男は居た。

　「ふー………」

暗闇に影一つ。その影は大きく息を吐いた。

　「…ふんっ！」

それは、大きな姿見の前でポーズ（モストマスキュラー）を取っていた白仮面であった。
いつものコスチューム（？）に、真っ赤なネクタイが足されている。

　「…うむ。」

凡人には分からない何かに納得し、部屋を出る白仮面。
そう、この男は園花邸のクリスマスパーティーに出るつもりである。


　園花邸。
門の前には、入道くんに張り飛ばされて傷を負ったグレイスが、今まさに起き上がろうとしていた。

　「く…さ、咲子さま…うっ！」

ふら付き、倒れそうになるグレイス。その時、グレイスの腕をたくましい大きな腕がつかんで支えた。

　「どうした。」
　「あ、う…す、すいません…」

グレイスは支えてくれた男の顔を見た。

　「…白仮面様、ですね。」
　「うむ。」

大きくうなずく白仮面。グレイスは初めて会うその変人…いや、その男に、何故か大きな安心感を覚えた。

　「それで、何があった？料理は無事か？」
　「恐らくは…」
　「移動しながら聞こう。どのような料理が出されている？」

グレイスより前に出て園花邸内へ入って行く白仮面。

　「鶏肉はあるか？やはり鶏胸肉は外せまい。しらすは？いや、鮭のムニエルでもかまわん。何？バナナは宮崎産だと？素晴らしい。」

いや、違うやん。もっと他に聞く事あるやん。食う事に特化し過ぎやん。