龍青学園GCSA -ぷち-

楓和

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第6章の3・本気出して下さい…の ぷち話し

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 龍青学園裏門付近。朝靄かかる早朝から、一人の男が設営に励んでいた。

 〝うまい事モヤってまんな。今日を選んだ流香殿、さすがですわ〟

そう、高瀬である。

台座付きのポールを二本立て、その間にネットを張る。長さを測りながら白線を引く。
テニスコートをセッティングする事など、この男にとっては朝飯前である。

 「問題はこっからですばい。」

高瀬の悩み…それは白仮面に化けること。そう、高瀬は残念ながら背が低い。高身長の白仮面に化けるには、かなりの無理がある。

 〝白仮面は…脱がなあかん!〟

そっちかい?!

 〝寒いわー、マジで。まぁでも…助かったわい。流香姫の読みはホンマに凄い〟

流香は、朝靄発生条件が重なる日を厳選した。ドンピシャだった。
しかし、それでもズレる場合もあると考え、押さえの一手も用意していた。

 〝まぁでも、こっちは使わんで良さそうでんな。……一回、聞いてみよ〟

高瀬が流香から預かっていた一手。それは…

 『さらばだ、とう!』
 「うおぅ?!」

流香の私物、ボイスレコーダーだった。そして…爆音だった。

 「び、びっくりしましたがな!だ、誰もおらんやろな?」

周囲を見回す高瀬。鼓動がバックンバックンしていた。

 〝しっかし流香殿、よーこんなん録音してましたなー〟

感心する高瀬だったが、ふと思考した。

 〝………ま、まさか?!〟

高瀬の思考回路が導き出した答えは…

 〝白仮面の愛好者でっか?!〟

そんな訳ない。

 「ぐぬぅ~、白仮面~…」

勝手に妄想して勝手にライバル視。

 「………」

高瀬は決意した。完璧な白仮面になってやる…と。


 そして時間が経過。
七月と咲子のテニス対決が始まり、高瀬は咲子のピンチに登場する。白仮面として!

 〝完璧でおましたな〟

高瀬の意地が作り上げた完璧な白仮面は、七月を大きく乱した。朝靄がかかっているとはいえ、その姿は白仮面そのものだった。
ま、背が低い以外は…だが。いや、本物より若干筋肉弛んでたかな?
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