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第6章の2「何でこうなるの」
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龍青学園運動場。
竜沢は隆正と共に運動場に隣接している運動部の部室のひとつ、陸上部部室に向かっていた。
「真橙中の女子陸上部?」
「おう。前の大会ん時、ウチに負けたんが悔しかったんちゃうか。」
隆正と会話しながら、陸上部部室の扉を開く竜沢。
「それで嫌がらせを?」
「まぁ、そういうこっちゃな。」
部室には真橙中の女生徒二人と、その二人を見張っているつくしがいた。
「よっ、つくしちゃん。」
つくしに軽く声を掛ける竜沢。
「竜沢さんっ。向こうの陸上部部長さんに連絡入れたんで、もうこっちに来ると思います。」
「さすが。早いね。」
しばらく後、龍青に来た真橙中学校女子陸上部部長を交えて、龍青学園陸上部に嫌がらせをしていた二人に説教。
こうして陸上部嫌がらせ事件は解決した。
「ひと仕事終わったな。」
「はいっ。」
屈託のない笑顔を見せるつくし。その笑顔を見て、竜沢も笑顔になる。
「つくしちゃんの協力のお陰で解決が早かったよ。それだけに…残念だな、つくしちゃんが龍青から居なくなるのは。」
「竜沢さんダメっ。そんな風に言われたら私…。でも嬉しいです。」
竜沢の言葉に一瞬泣きそうになるつくしだが、涙をこらえて微笑んだ。つくしは明日、黒点塾に戻る。
「龍青学園に来て、竜沢さん達と出会えて…ホントに楽しかった。黒点塾も救ってもらって…。これから黒点塾をもっと良い場所にしていこうと思います。色々ありがとうございました。」
一礼するつくしを見て、竜沢も隆正も笑顔だった。
「次は対戦相手としてですね。」
「川波さんっ。」
突然の鏡の登場に喜ぶつくし。
「つくしさん、ここでのこと忘れないで下さい。」
「…はいっ。」
鏡の言葉に、涙ぐみながらも満面の笑みで答えるつくしであった。
その日の晩、鏡と甲は電話で話していた。
「あいつらには最後まで言わないつもりなのか。」
「七月さんが言わない以上、僕等が言う訳にも…」
「だが、それでいいとは思ってないだろう?」
「ええ、まぁ…どうしたもんですかねぇ。」
「むぅ…。」
「あ、そうだ。例の話しですが僕も行けそうですよ。」
「そうか。前にも言ったが…寒いぞ。」
「ははっ、覚悟して行きますよ。」
「分かった、じゃあ親父に連絡する。俺を入れて七人だな。」
「…そうですね。」
甲が言った人数を聞いて微笑む鏡であった。
その頃、七月と流香も電話で話していた。
「パーティー?」
「そうよ。咲ちゃん家でやるんだって。前日だから準備も終わってるでしょ?」
「咲ちゃん家かぁ…」
「七月。この際何処でもいいじゃない?みんなで楽しもうよ。」
「う、うん…そうだねっ。分かった、行くよ。」
「七月、正解なんてないかもしれない。でも、何も言わない事が一番な訳ない…なんて、言われなくても…だよね。」
「うん。ありがとう流香。」
「七月…」
流香は電話を切った後、何とかしてあげたいと悩んでいた。その時…
「…?」
スマホが振動した。流香は『着信・咲子』の文字を見て驚いた後、一息ついてから出る。
「どうしたの?咲ちゃん。」
「…流香先輩、遅くにすいません。どうしても教えてほしい事があるんです。」
いつになく重い口調の咲子。
「咲ちゃん?」
「正直に答えて下さい。七月先輩のこと…」
その話し方、声のトーン…咲子の真剣さが流香にも伝わった。
「…分かった。何が聞きたいの?」
次の日。龍青学園体育館。
「あれ、咲ちゃん?流香は?」
七月は流香に呼び出され、ここ体育館に来た。しかし流香ではなく咲子が居たので『?』な七月。
「おっかしいなー。流香が遅れる事なんて無いのに。」
「…流香先輩は来ません。」
「え?」
「七月先輩に、お願いがあるんです。」
「な、何?」
いつもと違う咲子に、冷や汗を垂らす七月。
「私と…勝負して下さい!」
「……えっ?」
一瞬何を言われたのか分からず間をおいてから驚く七月。
「明日の早朝六時、龍青学園裏門前の道で。…竜沢さんを賭けて!」
「……………え、えええ~っ?!」
これには七月、思い切りビビった!
そして放心している間に咲子はその場を去ってしまっていた。
「…は!」
我に返り、直ぐに流香に相談に行く七月。
しかし…
「その勝負受けるのよ、七月。」
あっさりそう言われた。
「何でこうなるの…」
次は学美に相談。
「受けなきゃダメだな。」
あっさり撃沈の七月。
「何でこうなるの…」
そう、流香も学美も昨夜掛かってきた咲子からの電話でこうなる事を知っていた。
そして七月はどうする事も出来ず、次の日の早朝を迎えるのである。
突然咲子に勝負を挑まれた七月。咲子の真意は?七月はどうするのか?
竜沢は隆正と共に運動場に隣接している運動部の部室のひとつ、陸上部部室に向かっていた。
「真橙中の女子陸上部?」
「おう。前の大会ん時、ウチに負けたんが悔しかったんちゃうか。」
隆正と会話しながら、陸上部部室の扉を開く竜沢。
「それで嫌がらせを?」
「まぁ、そういうこっちゃな。」
部室には真橙中の女生徒二人と、その二人を見張っているつくしがいた。
「よっ、つくしちゃん。」
つくしに軽く声を掛ける竜沢。
「竜沢さんっ。向こうの陸上部部長さんに連絡入れたんで、もうこっちに来ると思います。」
「さすが。早いね。」
しばらく後、龍青に来た真橙中学校女子陸上部部長を交えて、龍青学園陸上部に嫌がらせをしていた二人に説教。
こうして陸上部嫌がらせ事件は解決した。
「ひと仕事終わったな。」
「はいっ。」
屈託のない笑顔を見せるつくし。その笑顔を見て、竜沢も笑顔になる。
「つくしちゃんの協力のお陰で解決が早かったよ。それだけに…残念だな、つくしちゃんが龍青から居なくなるのは。」
「竜沢さんダメっ。そんな風に言われたら私…。でも嬉しいです。」
竜沢の言葉に一瞬泣きそうになるつくしだが、涙をこらえて微笑んだ。つくしは明日、黒点塾に戻る。
「龍青学園に来て、竜沢さん達と出会えて…ホントに楽しかった。黒点塾も救ってもらって…。これから黒点塾をもっと良い場所にしていこうと思います。色々ありがとうございました。」
一礼するつくしを見て、竜沢も隆正も笑顔だった。
「次は対戦相手としてですね。」
「川波さんっ。」
突然の鏡の登場に喜ぶつくし。
「つくしさん、ここでのこと忘れないで下さい。」
「…はいっ。」
鏡の言葉に、涙ぐみながらも満面の笑みで答えるつくしであった。
その日の晩、鏡と甲は電話で話していた。
「あいつらには最後まで言わないつもりなのか。」
「七月さんが言わない以上、僕等が言う訳にも…」
「だが、それでいいとは思ってないだろう?」
「ええ、まぁ…どうしたもんですかねぇ。」
「むぅ…。」
「あ、そうだ。例の話しですが僕も行けそうですよ。」
「そうか。前にも言ったが…寒いぞ。」
「ははっ、覚悟して行きますよ。」
「分かった、じゃあ親父に連絡する。俺を入れて七人だな。」
「…そうですね。」
甲が言った人数を聞いて微笑む鏡であった。
その頃、七月と流香も電話で話していた。
「パーティー?」
「そうよ。咲ちゃん家でやるんだって。前日だから準備も終わってるでしょ?」
「咲ちゃん家かぁ…」
「七月。この際何処でもいいじゃない?みんなで楽しもうよ。」
「う、うん…そうだねっ。分かった、行くよ。」
「七月、正解なんてないかもしれない。でも、何も言わない事が一番な訳ない…なんて、言われなくても…だよね。」
「うん。ありがとう流香。」
「七月…」
流香は電話を切った後、何とかしてあげたいと悩んでいた。その時…
「…?」
スマホが振動した。流香は『着信・咲子』の文字を見て驚いた後、一息ついてから出る。
「どうしたの?咲ちゃん。」
「…流香先輩、遅くにすいません。どうしても教えてほしい事があるんです。」
いつになく重い口調の咲子。
「咲ちゃん?」
「正直に答えて下さい。七月先輩のこと…」
その話し方、声のトーン…咲子の真剣さが流香にも伝わった。
「…分かった。何が聞きたいの?」
次の日。龍青学園体育館。
「あれ、咲ちゃん?流香は?」
七月は流香に呼び出され、ここ体育館に来た。しかし流香ではなく咲子が居たので『?』な七月。
「おっかしいなー。流香が遅れる事なんて無いのに。」
「…流香先輩は来ません。」
「え?」
「七月先輩に、お願いがあるんです。」
「な、何?」
いつもと違う咲子に、冷や汗を垂らす七月。
「私と…勝負して下さい!」
「……えっ?」
一瞬何を言われたのか分からず間をおいてから驚く七月。
「明日の早朝六時、龍青学園裏門前の道で。…竜沢さんを賭けて!」
「……………え、えええ~っ?!」
これには七月、思い切りビビった!
そして放心している間に咲子はその場を去ってしまっていた。
「…は!」
我に返り、直ぐに流香に相談に行く七月。
しかし…
「その勝負受けるのよ、七月。」
あっさりそう言われた。
「何でこうなるの…」
次は学美に相談。
「受けなきゃダメだな。」
あっさり撃沈の七月。
「何でこうなるの…」
そう、流香も学美も昨夜掛かってきた咲子からの電話でこうなる事を知っていた。
そして七月はどうする事も出来ず、次の日の早朝を迎えるのである。
突然咲子に勝負を挑まれた七月。咲子の真意は?七月はどうするのか?
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