D○ZNとY○UTUBEとウ○イレでしかサッカーを知らない俺が女子エルフ代表の監督に就任した訳だが

米俵猫太朗

文字の大きさ
581 / 700
第三十三章

ワンサイド練習

しおりを挟む
 話が激しく脱線してしまったが今日からのトレーニングは守備重視、しかも退場者が出た場合に素早くそれに対応する練習を兼ねて、であった。あの装置も全員参加も、その為である。
 スタメン及び守備側のシステムは1361。GKはボナザさんでDFラインは3バック。クエンさんとリストさんがストッパーでガニアさんがスイーパーとして余る形だ。
 中盤は手厚く6名。WBは左ルーナさん右ティアさん。マイラさんとシノメさんが横並びのボランチで攻撃的MFはダリオさんとツンカさん。FWはリーシャさんの1TOPとなる。
 高さ強さのあるCB3名で中央を固め、中盤も選手を多く配置してスペースを奪う。その分、攻撃は手薄になるがそこは開き直ってリーシャさんの単独突破にかける……という構えだ。
 対する攻撃側チームは1442。GKはユイノさんでDFラインは左からアイラさんシャマーさんムルトさんパリスさん。中盤は台形で底にアガサさんとポリンさん、両ワイドにレイさんエオンさん。2TOPはヨンさんとタッキさんだ。
 かなり攻撃的なメンバーというか守備の強度が明らかに足りないチームであるが、フェリダエチームのド派手な攻撃を再現する為だから仕方ない。それに選手が揃っているとは言え、これは練習試合でも紅白戦でもなくトレーニングである。守備側がボールを握ってしまっても、コーチが任意のタイミングでプレイを止めボールを取り上げて攻撃側へ与える事もできる。
 正直、守備側のストレスはかなりのものだろう。だが実際の試合ともなればフェリダエチームから与えられる困難はこんなモノ――関西弁で言えばこんなん、と同じ文字になる――ではない。これくらいは跳ね返して貰わねば大敗してしまう。
 それにこのトレーニングが与えるストレスはもう一種類あった。

『デデーン! クエン、アウト~!』
 例の装置から大きな音が出て、プレイが止められた。
「え!? 自分がっすか!?」
 クエンさんから抗議の声が上がる。それもその筈、今は彼女がタッキさんのボールコントロールが乱れた所を上手く奪った所だったからだ。
「そうだよー! クエンさん出て、レイさん好きなタイミングで再開してくださーい!」
 俺はベランダの上からそう声をかける。それを聞いても納得いかない感じのナイトエルフの背をザックコーチが押して追い出す、その陰からレイさんが早速ボールを蹴る、と目まぐるしく状況が動いた。
「私が行きます!」
 それを見てシノメさんが慌ててDFラインへ走った。
「わぁ、打ち易いヨー!」
 普通であれば間に合ったかもしれない。しかし攻撃側のナイトエルフが蹴ったボールは逆回転しながらタッキさんの目の前で止まり、モンクはトラップせずダイレクトでシュートを放った。
「ナイスゴール! で、クエンさん抜きでプレイ続行、アガサさんにボール渡して!」
 タッキさんのシュートがボナザさんの脇を抜けてゴールへ突き刺さった……のを確認しつつ、俺は次の指示を出す。それを聞いてナリンさんが慌ただしく動き、また攻撃が始まる。
「シノメー! 失点したが今の対応は間違っておらんぞー! ただ声をもっとかけてもっと早く動くのじゃー!」
 ジノリコーチがボード上の数字を動かしながら事務員さんへ向かってそう叫んだ。この練習方式だとコーチ陣も大忙しである。楽なのは守備をしなくても自分達のターンが勝手に回ってくる、攻撃側チームだけだろう。
「ボランチが退場したCBの所へ入るは、流石にスムーズですね」
 俺は彼女の手元を覗き込みながら言う。
「うむ。しかしこの後じゃな」
 ジノリコーチはそう言いながら顎をさすった。ワールドやゲームの設定によってまちまちだが、少なくともこの世界のドワーフ女性には髭は生えない。にも関わらず彼女がそういう仕草をしているのは、お父さんや兄弟など身近な男性がやっているのを見ていたからだろう。
「きゃあ!」
 そんな事を考えている間にプレイは再開し、アガサさんの送ったふわりとしたパスをタッキさんがヘディングでゴールへ叩き込んだ。マークについたシノメさんを軽く弾き飛ばしながら、である。
「はい、そこストップ! ちょっと集まろう」
 俺はそれを見て、ベランダから階下へ降りて守備側全員を集める。
「ジノリコーチのと繰り返しになるけど、今の対応は間違ってない。間違ってないんだけど、マッチアップが不利そうなら代わろう。例えばこのパターンならガニアさんがタッキさんのマークになって、シノメさんがストッパーとか」
 俺はガニアさんの隣から小走りにタッキさんの方へ移動し、片手でモンクの肩を掴み逆の手を挙げる。
「その際は『9番オッケー!』とか分かり易く身振りと言葉で宣言して。で、シノメさんに下がる様に言う、と」
 そして次にボナザさんとダリオさんを指さして言葉を続ける。
「で、そうした方が良いと思ったならDF以外が指摘しても良いから。特にGKとキャプテン。こういう時こそ声を出していこう」
 俺がそう言うと両者はそれぞれ真剣な顔で頷いた。
「フェリダエ族のニャンプ・ノウスタジアムは五月蠅いからな。ベンチからの声は当てにならないと思え!」
 ニャイアーコーチも俺の助言を補足する。フェリダエ代表チームのGKコーチとしての経験も長い彼女の言葉は重い。早速、数名が側の選手と話し合いを始める。
 これは良い緊張感を持って練習を続けられそうだ。俺は密かに微笑んで、再びベランダへ戻った。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

日本国 召喚獣管理省 関東庁 召喚獣総合事案即応科。

wakaba1890
ファンタジー
召喚獣。 それは向こう側とされる所から、10歳を迎えた日本人の子供の下に召喚されるモンスターのことである。 初代天皇・神武天皇が日本を建国した際に書かれた絵画には彼は金鵄と呼ばれる金色に輝く鵄(とび)と契約したのが原初となっている。 そして、縄文、弥生、古墳、飛鳥、平安、戦国時代から近代から今に至るまで、時代を動かしてきた人物の側には確かに召喚獣は介在していた。 また、奇妙な事に、日本国に限り、齢10歳を迎えた日本在住の日本人にのみ体のどこかから多種多様な紋章が発現し、当人が念じると任意の場所から召喚陣が現れ、人ならざるモンスターを召喚される。 そして、彼らモンスターは主人である当人や心を許した者に対して忠実であった。 そのため、古来の日本から、彼ら召喚獣は農耕、治水、土木、科学技術、エネルギー、政治、経済、金融、戦争など国家の基盤となる柱から、ありとあらゆる分野において、今日に至るまで日本国とアジアの繁栄に寄与してきた。 そして、建国から今まで、国益の基盤たる彼ら数万種類以上をも及ぶ召喚獣を取り締まり管理し、2600年以上と脈々と受け継がれてきた名誉ある国家職がーーーーー国家召喚獣管理官である。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...