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こ、これが、格差社会か……
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「なぁ、有栖川」
「は?いつも言ってるよね?名前で呼んで」
今回の使いっパシリ内容を有栖川に尋ねようとしたら、名前呼びを強要されたでござる。
意味わからん。
「……いつも、拒否してんだろ。そう言うのはお前が好きになって付き合う相手やら、本当に仲のいい奴、もしくは女子同士でやれ」
俺はため息混じりにこう返す。
これもいつもの事である。
「だから、いつも言ってるでしょ?名前で呼んで」
で、この返しまでがいつもの様式美。
意味わからん。
「で、有栖川。今回の仕事内容は?」
「……ヘタレめ」
いや、やめて差し上げて?俺、お前とも上栫とも名前で呼び合う程に仲良くなった覚えないし。
「まぁ、いいわ。今回の任務はね、ある小さな女の子の暴走を止めることなのよ」
「……暴走してんの?どのレベルで?激甚災害指定クラス?」
思ったより、面倒臭いレベルの小間使いだった。
「……正確には、激甚災害指定クラス見込みね」
「は?暴走しかけなのか?」
見込み?つーことは、まだ暴走はしてない訳か。
「……そうよ。なんでも、その子の素質がS並らしいわ。でも、不安定で暴走の兆候が見られるらしくて、私に気絶……最悪の場合、生命の保証は考えなくていいってさ」
S並の能力が暴走……。激甚災害指定で済めば御の字か。下手すりゃその辺り一帯が荒地になるな。
暗い表情を浮かべる有栖川に瑠依が声を掛ける。
「どうしたのですか?イヤなことがあった、ですか?」
少し心配そうに言う瑠依に対して、有栖川は表情を引き締めて答えた。
「……大丈夫よ。仕事だもの」
と、俺が有栖川に話し掛けてから見事に空気に溶け込んでいた上栫が俺に話し掛けてくる。
「……ねぇ、大丈夫なの?」
「大丈夫だろ、有栖川だし。それに瑠依もいるしな」
俺の返した言葉に上栫は一瞬、驚いた表情を浮かべたが何か納得するところがあったのか、ニコりと笑みを浮かべてこう返してきた。
「それにあんたがいるしね。あんたが言うなら大丈夫よ」
……俺じゃなくて瑠依だっつの。
「……私の仕事前になにをやってんの?」
と、そこに有栖川が食って掛かってくる。
「べっつにー?風音には関係ないと思うよ?」
何故か上栫は挑発っぽい口調で返した。
……俺を巻き込んでいがみ合うのやめてもらえません?
「……お前の心配をしてたんだよ、上栫は。ほら、本人に知られたら恥ずかしかったりするだろ」
本人に知られたら恥ずかしかったりするとか言いながら、本人に知らせたの俺だけど。
いがみ合う方が悪いよね。
「……あ、そ、そうなの?」
意外だったのか、いつもの尊大な態度ではなく、焦り気味なお嬢さまである。
と、そこに瑠依がトテトテっと駆け寄ってきた。
「ししょー!!」
と、元気よく声を張り上げながら走ってくるのはいいけど、瑠依ちゃんにここでアクシデントが発生。
小石にけっ躓いたのである。
瑠依はそのまま勢いよく有栖川の方へとダイブすると、いつもと違ってどこかいじらしい感じの有栖川は受け止め切れずにバランスを崩した。
「きゃっ!?」
「わぁっ!?」
「おうふ」
そして、上栫の腕を咄嗟に持って耐え忍ぼうとしたが、上栫は咄嗟のことで有栖川+瑠依を支えられずに俺を巻き込んで転倒してしまったのである。
して、周りの状況を確かめず、取り敢えず立ち上がろうと左手に力を入れてみると、ふにっと存在感はそんなにないものの柔らかな物を掴んだ感触が。
「ふぁっ!?」
そこで、上栫が素っ頓狂な声を上げたため、俺は何かがヤバいぞこれはと思いながら、右手に力を込めてみた。
すると、大きな水風船を掴んだかの様な感触がきたのである。
「きゃっ!!」
今度は有栖川が悲鳴を上げた。
で、どうなってんのかと、確認してみたら、左手は上栫の胸に、右手は有栖川の胸に乗っかっていたのである。
……こ、これがラッキースケベか。
取り敢えず、格差社会という物をじっかんしましたまる。
「は?いつも言ってるよね?名前で呼んで」
今回の使いっパシリ内容を有栖川に尋ねようとしたら、名前呼びを強要されたでござる。
意味わからん。
「……いつも、拒否してんだろ。そう言うのはお前が好きになって付き合う相手やら、本当に仲のいい奴、もしくは女子同士でやれ」
俺はため息混じりにこう返す。
これもいつもの事である。
「だから、いつも言ってるでしょ?名前で呼んで」
で、この返しまでがいつもの様式美。
意味わからん。
「で、有栖川。今回の仕事内容は?」
「……ヘタレめ」
いや、やめて差し上げて?俺、お前とも上栫とも名前で呼び合う程に仲良くなった覚えないし。
「まぁ、いいわ。今回の任務はね、ある小さな女の子の暴走を止めることなのよ」
「……暴走してんの?どのレベルで?激甚災害指定クラス?」
思ったより、面倒臭いレベルの小間使いだった。
「……正確には、激甚災害指定クラス見込みね」
「は?暴走しかけなのか?」
見込み?つーことは、まだ暴走はしてない訳か。
「……そうよ。なんでも、その子の素質がS並らしいわ。でも、不安定で暴走の兆候が見られるらしくて、私に気絶……最悪の場合、生命の保証は考えなくていいってさ」
S並の能力が暴走……。激甚災害指定で済めば御の字か。下手すりゃその辺り一帯が荒地になるな。
暗い表情を浮かべる有栖川に瑠依が声を掛ける。
「どうしたのですか?イヤなことがあった、ですか?」
少し心配そうに言う瑠依に対して、有栖川は表情を引き締めて答えた。
「……大丈夫よ。仕事だもの」
と、俺が有栖川に話し掛けてから見事に空気に溶け込んでいた上栫が俺に話し掛けてくる。
「……ねぇ、大丈夫なの?」
「大丈夫だろ、有栖川だし。それに瑠依もいるしな」
俺の返した言葉に上栫は一瞬、驚いた表情を浮かべたが何か納得するところがあったのか、ニコりと笑みを浮かべてこう返してきた。
「それにあんたがいるしね。あんたが言うなら大丈夫よ」
……俺じゃなくて瑠依だっつの。
「……私の仕事前になにをやってんの?」
と、そこに有栖川が食って掛かってくる。
「べっつにー?風音には関係ないと思うよ?」
何故か上栫は挑発っぽい口調で返した。
……俺を巻き込んでいがみ合うのやめてもらえません?
「……お前の心配をしてたんだよ、上栫は。ほら、本人に知られたら恥ずかしかったりするだろ」
本人に知られたら恥ずかしかったりするとか言いながら、本人に知らせたの俺だけど。
いがみ合う方が悪いよね。
「……あ、そ、そうなの?」
意外だったのか、いつもの尊大な態度ではなく、焦り気味なお嬢さまである。
と、そこに瑠依がトテトテっと駆け寄ってきた。
「ししょー!!」
と、元気よく声を張り上げながら走ってくるのはいいけど、瑠依ちゃんにここでアクシデントが発生。
小石にけっ躓いたのである。
瑠依はそのまま勢いよく有栖川の方へとダイブすると、いつもと違ってどこかいじらしい感じの有栖川は受け止め切れずにバランスを崩した。
「きゃっ!?」
「わぁっ!?」
「おうふ」
そして、上栫の腕を咄嗟に持って耐え忍ぼうとしたが、上栫は咄嗟のことで有栖川+瑠依を支えられずに俺を巻き込んで転倒してしまったのである。
して、周りの状況を確かめず、取り敢えず立ち上がろうと左手に力を入れてみると、ふにっと存在感はそんなにないものの柔らかな物を掴んだ感触が。
「ふぁっ!?」
そこで、上栫が素っ頓狂な声を上げたため、俺は何かがヤバいぞこれはと思いながら、右手に力を込めてみた。
すると、大きな水風船を掴んだかの様な感触がきたのである。
「きゃっ!!」
今度は有栖川が悲鳴を上げた。
で、どうなってんのかと、確認してみたら、左手は上栫の胸に、右手は有栖川の胸に乗っかっていたのである。
……こ、これがラッキースケベか。
取り敢えず、格差社会という物をじっかんしましたまる。
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