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圧倒的なまでに幼女。そして、幼女
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世界が動いた。
情勢とかそんな話ではなく、世界そのものの存在が一瞬だけではあるが、確かに揺らいだ。
俺以外の誰かが気付いたかは知らないが確かにである。
……なんだこれは?
「なぁ、上栫、有栖川」
「なに?」
「なによ?」
「今、何か感じなかったか?とんでもない何かをさ。上手く言えないけど、とてつもない何かをさ」
素直に魔法使いに聞いてみた。
「え?何言ってんの?」
二人してそんな答えを返してくる。
……まじか。上栫、有栖川が感じられなかったレベルの違和感なのか。
「……まさか、あんた。ロリコンこじらせて、可愛い幼女の気配がするぜ。なんて言い出さないよね?」
ジト目を向けつつ、そんな失礼極まりないことを言い出したのは上栫だった。
「え?キモ」
ドン引きしつつ、心を抉ってきた有栖川。
「やっぱりししょーはロリコンなのですか!でも、ししょーにはわたしがいるのです!」
我が弟子は薄すぎる胸を張ってそんなことを宣う。
「……いや、勘弁して下さい。俺、そもそもロリコンじゃないし、こじらせてるなんてこともないから」
俺は3人に無気力にそう言い放った。
瑠依よ、やっぱりってなんだ、やっぱりって。
「……ふぅん。まぁ、取り敢えず呼んでみるわね」
どうでもよさそうに有栖川は呼び出しチャイムを押した。
あれ?なんか、なぁなぁでこうなってるけど、おかしくないか?
魔法使いなんだろ?登録されてたとして、誰が面倒を見てるんだ?学校か?誰かの弟子なのか?
「……なに?」
思考の海にどっぷりと浸かり、違和感を払拭しようとしていると、いきなり家の中から1人の女の子が出てきたのだった。
その姿を見て、俺は絶句してしまう。
さっき半ば?いや、全面的に無理やり俺の下へと弟子入りしてきた瑠依にそっくりなのである。
顔も髪も服装も声も何かもである。
「ししょー」
「ん?」
「あの子とお話ししてもいいですか?」
言葉を失う俺に瑠依はそう言った。
「瑠依?」
「瑠依ちゃん?」
心配そうに声を掛けてくる有栖川、上栫2人の年上に対し、「だいじょうぶですよ」と微笑みを浮かべる。
やだ、なにこの幼女カッコイイ……。
「こんにちはです。わたしのなまえは神代 瑠依です。あなたのおなまえはなんていうですか?」
「……あい。神裂 あい」
「あいちゃんですねっ。あいちゃんはまほうがつかえるんですか?わたしは使えるのです!」
「……使える。でも、おまえには関係ない」
「関係あるですっ!!あいちゃんのまほうがぼうそうしそうだからって、とめてこいって風音さんは言われました!風音さんはししゅょーのおともだちなので、ししょーと一緒に、あと、花梨さんもおともだちなので一緒にあいちゃんのぼうそうをとめにきたのです!!」
「……友達?師匠?下らない。それに、暴走なんてしない」
「下らなくなんてありませんっ!!ししょーはむかし、わたしをたすけてくれたのです!!わたしにはともだちがいませんが、花梨さんも、風音さんも、ししょーの大事なおともだちなのです!!それに、ぼうそうしないなんて言いきるのはダメです!!」
声音自体は同一人物なのかと思ってしまうほど似ているが、声の質は全く違う2人の幼女の会話に横槍を入れる。
「なぁ、神裂だったか?ちょっといいか?」
「……誰?」
「あぁ、俺は瑠依の師匠だ。名前はまた後で言うことにして、取り敢えず教えてくれ」
「……なに?」
心底嫌そうな目を俺に向けて神裂はそう言った。
挫けずに俺は問う。
「お前、学校行ってんのか?それとも誰かに弟子入りしてんのか?いや、そもそも、お前はきちんとした魔法使いなのか?」
「……」
神裂は答えない。
「ちょっとどういうことよ?」
そんな言葉を投げ掛けてきたのは有栖川だった。
「あ?おかしいだろ、どう考えても。魔法使いで登録されてんなら、S級並の能力持ってる時点でなんで誰も神裂の能力について知らないんだ?俺は神裂の存在すら知らなかったし。なんで素質なんだ?学校に行ってるならここにはいないし、誰かがそんな素質を持った弟子を取っただとか話、俺は知らない。それに、なんで暴走しそうだから止めてこいって言うのに、学校も師匠も対処してないんだ?」
「でも、それならどうして国は、その子の名前と能力持ちだって知ってるの?登録してなきゃわかんないじゃん」
俺の疑問に対して、上から被せてきたのは上栫だった。
「……もし、国が本当に神裂のことを能力持ちだって把握してたら、この状況になるまで放っておくなんてことすると思うか?」
「……私に回ってきた任務は一体なんなのよ、じゃあ」
俺の言葉に今度は有栖川が乗っかってきた。
「そんなのは俺は知らんけど、それこそ神裂の魔法だったりするんじゃねーの?あと、神裂、もう一つ、さっき感じた世界ごと何か動いたの、あれ、お前がやったのか?」
情勢とかそんな話ではなく、世界そのものの存在が一瞬だけではあるが、確かに揺らいだ。
俺以外の誰かが気付いたかは知らないが確かにである。
……なんだこれは?
「なぁ、上栫、有栖川」
「なに?」
「なによ?」
「今、何か感じなかったか?とんでもない何かをさ。上手く言えないけど、とてつもない何かをさ」
素直に魔法使いに聞いてみた。
「え?何言ってんの?」
二人してそんな答えを返してくる。
……まじか。上栫、有栖川が感じられなかったレベルの違和感なのか。
「……まさか、あんた。ロリコンこじらせて、可愛い幼女の気配がするぜ。なんて言い出さないよね?」
ジト目を向けつつ、そんな失礼極まりないことを言い出したのは上栫だった。
「え?キモ」
ドン引きしつつ、心を抉ってきた有栖川。
「やっぱりししょーはロリコンなのですか!でも、ししょーにはわたしがいるのです!」
我が弟子は薄すぎる胸を張ってそんなことを宣う。
「……いや、勘弁して下さい。俺、そもそもロリコンじゃないし、こじらせてるなんてこともないから」
俺は3人に無気力にそう言い放った。
瑠依よ、やっぱりってなんだ、やっぱりって。
「……ふぅん。まぁ、取り敢えず呼んでみるわね」
どうでもよさそうに有栖川は呼び出しチャイムを押した。
あれ?なんか、なぁなぁでこうなってるけど、おかしくないか?
魔法使いなんだろ?登録されてたとして、誰が面倒を見てるんだ?学校か?誰かの弟子なのか?
「……なに?」
思考の海にどっぷりと浸かり、違和感を払拭しようとしていると、いきなり家の中から1人の女の子が出てきたのだった。
その姿を見て、俺は絶句してしまう。
さっき半ば?いや、全面的に無理やり俺の下へと弟子入りしてきた瑠依にそっくりなのである。
顔も髪も服装も声も何かもである。
「ししょー」
「ん?」
「あの子とお話ししてもいいですか?」
言葉を失う俺に瑠依はそう言った。
「瑠依?」
「瑠依ちゃん?」
心配そうに声を掛けてくる有栖川、上栫2人の年上に対し、「だいじょうぶですよ」と微笑みを浮かべる。
やだ、なにこの幼女カッコイイ……。
「こんにちはです。わたしのなまえは神代 瑠依です。あなたのおなまえはなんていうですか?」
「……あい。神裂 あい」
「あいちゃんですねっ。あいちゃんはまほうがつかえるんですか?わたしは使えるのです!」
「……使える。でも、おまえには関係ない」
「関係あるですっ!!あいちゃんのまほうがぼうそうしそうだからって、とめてこいって風音さんは言われました!風音さんはししゅょーのおともだちなので、ししょーと一緒に、あと、花梨さんもおともだちなので一緒にあいちゃんのぼうそうをとめにきたのです!!」
「……友達?師匠?下らない。それに、暴走なんてしない」
「下らなくなんてありませんっ!!ししょーはむかし、わたしをたすけてくれたのです!!わたしにはともだちがいませんが、花梨さんも、風音さんも、ししょーの大事なおともだちなのです!!それに、ぼうそうしないなんて言いきるのはダメです!!」
声音自体は同一人物なのかと思ってしまうほど似ているが、声の質は全く違う2人の幼女の会話に横槍を入れる。
「なぁ、神裂だったか?ちょっといいか?」
「……誰?」
「あぁ、俺は瑠依の師匠だ。名前はまた後で言うことにして、取り敢えず教えてくれ」
「……なに?」
心底嫌そうな目を俺に向けて神裂はそう言った。
挫けずに俺は問う。
「お前、学校行ってんのか?それとも誰かに弟子入りしてんのか?いや、そもそも、お前はきちんとした魔法使いなのか?」
「……」
神裂は答えない。
「ちょっとどういうことよ?」
そんな言葉を投げ掛けてきたのは有栖川だった。
「あ?おかしいだろ、どう考えても。魔法使いで登録されてんなら、S級並の能力持ってる時点でなんで誰も神裂の能力について知らないんだ?俺は神裂の存在すら知らなかったし。なんで素質なんだ?学校に行ってるならここにはいないし、誰かがそんな素質を持った弟子を取っただとか話、俺は知らない。それに、なんで暴走しそうだから止めてこいって言うのに、学校も師匠も対処してないんだ?」
「でも、それならどうして国は、その子の名前と能力持ちだって知ってるの?登録してなきゃわかんないじゃん」
俺の疑問に対して、上から被せてきたのは上栫だった。
「……もし、国が本当に神裂のことを能力持ちだって把握してたら、この状況になるまで放っておくなんてことすると思うか?」
「……私に回ってきた任務は一体なんなのよ、じゃあ」
俺の言葉に今度は有栖川が乗っかってきた。
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