12 / 30
幼女、野良辞めるってよ
しおりを挟む
世界を書き換える?
何そのチート。チートのバーゲンセールなの?モヤッとボールさん大忙しだな。
「ははははは……」
もはや、乾いた笑いしか出ない。
「ところで、けーちゃん?」
あまりの斜め上っぷりに俺が呆れ返っていると、神裂がらしくなく、見た目に相応な声の掛け方をしてきた。
「ん?どうした?」
「靴紐解けてるぞ?」
神裂にそう言われ、足元を見てみると確かに右足のスニーカーの靴紐が解けていた。
「お、すまんな」
俺は教えてくれた神裂に礼を言い、腰を膝を曲げ、腰を下ろして解けた靴紐を結ぶ。
「こちらこそだ」
そこに、神裂が急接近してきたと思ったら、そんなことを言うので顔を上げた。
すると、あら不思議、唇に柔らかな感触が訪れるとともに、耳にチュッと音が聞こえてきた。
「あー!!なにやってるですか!!あいちゃん」
「ん?何って、惚れた男に唇を捧げただけだが?」
瑠依が騒がしく詰め寄るが、神裂はしれっと答える。
「……ねぇ、ちょっとお話しよっか?」
「奇遇だね、風音。あたしもちょっとコイツとお話したい気分だよ」
幼女コンビが騒がしくする中、何故かJCコンビが俺にズリズリと詰め寄ってきた。
……どす黒いオーラを纏いながら。
「ま、待て……。俺は悪くない!!靴紐を結んでいただけだ!!」
「…………」
「な?ほら、見てただろ?靴紐ががががが」
そこで俺の意識は途絶えた。
☆
「決めたぞけーちゃん」
何分ほど意識を失っていたかは知らないが、目を覚ますと目の前には神裂がいて、そう言ってきた。
「ん?何を?」
「私は今この時から、きちんとしていない魔法使いを辞める」
「あ?これから登録すんのか?」
「あぁ。そして、けーちゃんの弟子になるのだ。瑠依も今日から弟子入りしたんだろ?なら、何も問題あるまい」
……いや、待てや。問題しかないわ。
「いや、お前、瑠依より何か知らんが中身大人っぽいから分かってると思うが、俺は男でお前は女の子。俺がなんかするようなロリコンだったらどうすんの?やめとけ。めんどくさいし」
俺は当たり前のように断った。
当たり前でしょ。俺の弟子になる必要なんてないんだから。
「心配するなけーちゃん。わたしはいつでも受け入れるぞ?」
「……バカか」
斜め下の発言がきた。ほんとバカなの?
「ふふっ、バカかも知れんな。何度も何度も暇つぶしをして、魔法を使っていたら、精神だけが妙に成長してしまったし、とんでもない化け物に恋をしてしまったのだから」
何故か神裂は楽しそうに笑う。
「とんでもない化け物とか自己紹介じゃねーの?それこそ」
「むっ、これでもわたしも女なのだ!化け物とか失礼なことを言うな!けーちゃん程の化け物がなんてこと言うか!」
俺の言葉を聞いた神裂は拗ねたような表情を浮かべて、唇を尖らせる。
……いや、君の方が失礼じゃないの?
「ちなみに拒否権はないぞ?さっき、瑠依の奴に瑠依とともだちになりたいから、一緒に弟子になりたいって言ったら、二つ返事で、あいちゃんも一緒にわたしと弟子をやりましょう!!もう、決定です!って言ってたからな」
拗ねてたと思ったら、今度はいたずらっぽく笑う神裂を見て思う。
え?チート幼女2人で勝手に何してくれてるわけ?
「……ところで、ここどこだ?あの2人はおろか、瑠依の姿も見当たらないんだが」
「……今、わたしと話してるのに、他の女の話とかするか普通……」
今度は呆れ顔だった。
「まぁ、いい。けーちゃんが普通である訳がないしな。それこそ、今更だ。ここは、精神世界かな。あの2人に折檻されて気を失ったけーちゃんの夢の中だ。だから、目を覚ました訳じゃない。今はこの世界に存在しているのは、けーちゃんとわたしだけ」
「……なんで、精神世界にまで侵入してきてんの?俺のプライバシーどこいった?」
「ふふっ、こどものイタズラだ。許してくれ。あと、言っておくと、世界でくくられる物なら、なんにでもわたしは干渉できるからな」
「……さいですか。でも、むやみやたらに誰かの精神世界に干渉するんじゃねーぞ?精神崩壊しかねんからな」
「うむ。心配せずとも、けーちゃん以外にやるつもりはないよ」
……いや、俺にもするなよ。
「ま、お前を……「あい」、あいをほっとく訳にはいかんからな。取り敢えず弟子にするし、登録させることにするわ。どうせ断れねーんだろうし」
「ふふっ、違うだろ?断らないんだろ?ほんと、わたしが好きになった人はひねくれてるねぇ」
……何言ってやがる。
「ま、とりあえず、そんな訳だからよろしく頼むぞ師匠」
あいはそう言って可愛く笑んだあと、俺の精神世界から姿を消した。
何そのチート。チートのバーゲンセールなの?モヤッとボールさん大忙しだな。
「ははははは……」
もはや、乾いた笑いしか出ない。
「ところで、けーちゃん?」
あまりの斜め上っぷりに俺が呆れ返っていると、神裂がらしくなく、見た目に相応な声の掛け方をしてきた。
「ん?どうした?」
「靴紐解けてるぞ?」
神裂にそう言われ、足元を見てみると確かに右足のスニーカーの靴紐が解けていた。
「お、すまんな」
俺は教えてくれた神裂に礼を言い、腰を膝を曲げ、腰を下ろして解けた靴紐を結ぶ。
「こちらこそだ」
そこに、神裂が急接近してきたと思ったら、そんなことを言うので顔を上げた。
すると、あら不思議、唇に柔らかな感触が訪れるとともに、耳にチュッと音が聞こえてきた。
「あー!!なにやってるですか!!あいちゃん」
「ん?何って、惚れた男に唇を捧げただけだが?」
瑠依が騒がしく詰め寄るが、神裂はしれっと答える。
「……ねぇ、ちょっとお話しよっか?」
「奇遇だね、風音。あたしもちょっとコイツとお話したい気分だよ」
幼女コンビが騒がしくする中、何故かJCコンビが俺にズリズリと詰め寄ってきた。
……どす黒いオーラを纏いながら。
「ま、待て……。俺は悪くない!!靴紐を結んでいただけだ!!」
「…………」
「な?ほら、見てただろ?靴紐ががががが」
そこで俺の意識は途絶えた。
☆
「決めたぞけーちゃん」
何分ほど意識を失っていたかは知らないが、目を覚ますと目の前には神裂がいて、そう言ってきた。
「ん?何を?」
「私は今この時から、きちんとしていない魔法使いを辞める」
「あ?これから登録すんのか?」
「あぁ。そして、けーちゃんの弟子になるのだ。瑠依も今日から弟子入りしたんだろ?なら、何も問題あるまい」
……いや、待てや。問題しかないわ。
「いや、お前、瑠依より何か知らんが中身大人っぽいから分かってると思うが、俺は男でお前は女の子。俺がなんかするようなロリコンだったらどうすんの?やめとけ。めんどくさいし」
俺は当たり前のように断った。
当たり前でしょ。俺の弟子になる必要なんてないんだから。
「心配するなけーちゃん。わたしはいつでも受け入れるぞ?」
「……バカか」
斜め下の発言がきた。ほんとバカなの?
「ふふっ、バカかも知れんな。何度も何度も暇つぶしをして、魔法を使っていたら、精神だけが妙に成長してしまったし、とんでもない化け物に恋をしてしまったのだから」
何故か神裂は楽しそうに笑う。
「とんでもない化け物とか自己紹介じゃねーの?それこそ」
「むっ、これでもわたしも女なのだ!化け物とか失礼なことを言うな!けーちゃん程の化け物がなんてこと言うか!」
俺の言葉を聞いた神裂は拗ねたような表情を浮かべて、唇を尖らせる。
……いや、君の方が失礼じゃないの?
「ちなみに拒否権はないぞ?さっき、瑠依の奴に瑠依とともだちになりたいから、一緒に弟子になりたいって言ったら、二つ返事で、あいちゃんも一緒にわたしと弟子をやりましょう!!もう、決定です!って言ってたからな」
拗ねてたと思ったら、今度はいたずらっぽく笑う神裂を見て思う。
え?チート幼女2人で勝手に何してくれてるわけ?
「……ところで、ここどこだ?あの2人はおろか、瑠依の姿も見当たらないんだが」
「……今、わたしと話してるのに、他の女の話とかするか普通……」
今度は呆れ顔だった。
「まぁ、いい。けーちゃんが普通である訳がないしな。それこそ、今更だ。ここは、精神世界かな。あの2人に折檻されて気を失ったけーちゃんの夢の中だ。だから、目を覚ました訳じゃない。今はこの世界に存在しているのは、けーちゃんとわたしだけ」
「……なんで、精神世界にまで侵入してきてんの?俺のプライバシーどこいった?」
「ふふっ、こどものイタズラだ。許してくれ。あと、言っておくと、世界でくくられる物なら、なんにでもわたしは干渉できるからな」
「……さいですか。でも、むやみやたらに誰かの精神世界に干渉するんじゃねーぞ?精神崩壊しかねんからな」
「うむ。心配せずとも、けーちゃん以外にやるつもりはないよ」
……いや、俺にもするなよ。
「ま、お前を……「あい」、あいをほっとく訳にはいかんからな。取り敢えず弟子にするし、登録させることにするわ。どうせ断れねーんだろうし」
「ふふっ、違うだろ?断らないんだろ?ほんと、わたしが好きになった人はひねくれてるねぇ」
……何言ってやがる。
「ま、とりあえず、そんな訳だからよろしく頼むぞ師匠」
あいはそう言って可愛く笑んだあと、俺の精神世界から姿を消した。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる