ある日、幼女が弟子にしろと言ってきたのだが

まさ☆まさお

文字の大きさ
21 / 30

魔法使いと魔法少女の間にある超えられない壁を壊す(物理)

しおりを挟む
さて、始まった『魔法少女☆まじかるがーる』だが、相も変わらず面白いんだが、いつもの様に集中して観ることが出来ないでいた。

右腕には圧倒的存在感を誇る風音のモノが、左腕には控えめで慎ましやかな花梨のモノが押し付けられているのである。

……くっ、これが乳トン先生の万乳引力の法則か!!意識を持ってかれるぜ……。

一応、今回の放送分も録画してあるので、万が一このままでも、俺は生きていける。

「ねぇ、柊ちゃん頑張り屋さんで可愛いよね?」

「すみれって、ずっと前から一途で可愛いよね?」

……やめなさい。柊ちゃんも、すみれちゃんも可愛いけど、お前ら感情移入し過ぎだから。

その後もこんな調子で結局集中できなかったが、花梨も風音も面白かったらしく、最後まで観ていた。





まじかるがーるの本日分の放送を終えた時、ねぇ、と2人から声を掛けられる。

「ん?」

なんかあったか?と言葉を返すと、風音が口を開いた。

「『まじかるがーる』の先週の過去の分の話、あんた、録画とかしてない?」

どうやら、気に入った様である。

「あたしも観たい」

花梨も同じらしい。

「ん?あるよ?毎週録画してる」

と、素直に答えた俺に2人は食いついてきた。

「見せて!!」

「ん?別にいいが、どうしたらいい?今からとか流石に遠慮してもらいたいんだが」

「じゃあ、泊まれる日は泊まりに来てもいい?」

いきなりそんなことを言い出したのは花梨である。

「いや、バカお前。お前らみたいな可愛い女の子、しかも中学生がおいそれと男の家に泊まりにくるとか言うもんじゃないぞ」

「……私も泊まりたいんだけど、やっぱり迷惑……?」

すっかり、しおらしいのが板についてきた風音が、上目遣いに俺を見ながらそんなことを言う。

……なんなのこの子たち。

特に風音。なんでこんな自分の容姿を武器にするような言動をとれるの?お馴染みの強気な態度とのギャップとか、人を殺せるレベル。

「んんっ、迷惑なわけない。泊まりにくるのは構わんが、きちんと親御さんの許可はとること。風音も花梨も親御さんからしたら可愛い娘なんだから、心配はなるべくかけるな。節度を持たないと一緒に遊べなくなるぞ?」

「はぁい」

説教じみたことを述べると、2人は可愛く返事をした。





深夜アニメを堪能した後はゆっくり寝て、昼から活動だ、なんてダメ人間っぷりを発揮しようとしていた俺だが、朝の8時前に弟子から起こされてしまう。

「ししょー!!いっしょにテレビをみましょう!!」

「んあ?」

「はやくはやく!はじまっちゃうのです!」

寝ぼけ眼の俺の手を引き瑠依は走り出した。

そして、俺はベッドから落ちたのであった。

で、瑠依のおともだちのぽっちゃり文鳥サイズの火の鳥に頭をつつかれながらテレビを見ると、戦う女の子のプリティでキュアキュアなアニメがちょうど始まりを迎えるところである。

……鳥野郎。むしるぞ。

「師匠、遅いぞ!始まってしまうではないか」

はやくはやく!と、珍しく年相応に待ち遠しさを露わにするあいに座れと促され、座ると膝の上に乗ってきた。

……まだ幼いとは言え、女の子なんだからさ、いや、柔らかくて心地よいけど。

番組が始まると、幼女2人はわいわいと楽しそうに視聴していたのは可愛いと思いました。

そして、お目当ての番組が終わると、「お腹がすいたのです!」や、「ふむ。朝食の時間だな。あのふたりを起こしてくる」と、2人はフリーダムに行動しだしたのである。





あいが寝ぼけ眼の女子中学生2人を起こしに行っている間に準備を済ませ、俺達は朝食を済ませた。

風音が片付けをすると言い出し、それに甘えてぼうっとしていると、目が覚めたらしい花梨が口を開く。

「ねぇ、まじかるがーるのさ、柊ちゃんみたいな衣装ってどう?可愛いと思う?」

「あぁ。可愛いんじゃないかな。花梨や風音なら似合いそうだ」

俺が素直に答えると、どこか嬉しそうに「そっか、じゃあ待ってて」と言った後、キッチンにいる風音を連れてどこかに駆け出したのであった。

そして、少し時間が経ち、眠たいななんて思っていると、女子中学生2人が戻ってきた。

「えへへ、どう似合う?」

そんなことを言って、身にしている衣装を見せながら。

「ああ、めちゃくちゃ似合ってるな」

俺は風音、花梨が身にしているまじかるがーるの魔法少女衣装を見て、素直にそう言った。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

処理中です...