26 / 173
無念無想
しおりを挟む
今朝はなんと、瑞穂くんが1人で朝ご飯担当。
昨日の肉じゃが料理の時に僕がネットでレシピサイトを見せたら、自分でもなんとか作れるんじゃないかと、夕べからずっと考えていたそうな。
普通の人なら、なんとか出来ない方がおかしい。
という事は、お隣さんは……
いやいや、余計な事を考えるのはやめよう。
キッチンを15歳の少女に占領されてしまったので、僕は風呂を掃除しながら洗濯機を回していた。
洗濯物を庭に干して(瑞穂くんの下着に照れる事も、あっという間に無くなった)いると、穴熊が挨拶に来たので、あらかじめ用意していた竹輪をあげたり。
(キッチンにいる瑞穂くんは、穴熊の来襲に気が付いていない)
…なんでいきなり所帯染みてるの?
「シンコンサンダシ」
「なんか違う。」
因みに朝ご飯の献立は。
鮭のソテー(塩味)。
筍と鮭の土佐煮。
目玉焼き(電子レンジ使用)にレタスの胡麻ドレッシング添え。
味噌汁(あさげ)。
何故、味噌汁だけインスタント?
「タクサンアルカラ」
…まぁ、実家にいた頃から、僕の主菜(主汁?)でしたから。
あと、レンジで作った目玉焼きが、僕好みの「固め」だったのは良いね。
思わず褒めたら。
「ミズヲイレワスレタリ、ジカンヲマチガエタリ」
…失敗作だったようだ。
それでもまぁ、彼女の「初めてのご飯」は僕にはとても美味しいものでしたよ。
ええ、ええ。
あれ?僕って餌付けられ始めてる?
「マズハイブクロヲツカメト、オソワッタ」
「そんなけしからん事を、君に教えているのは誰だ?」
「マンガ」
「……あぁ。」
「アト、オトナリサン」
あの人、何他人事みたいに言ってんだよ。
あぁ、掴めなかったから婿が来ないのか。(←酷いことを)
★ ★ ★
「それで、策はあるのか?」
10時前に再びやって来た祖父と水野さん。さっさと道着に着替えさせると、素振りをさせている。
ついでに瑞穂くんも付き合わせてる。
その素振りは、回数500本。
まぁ、10分も有れば終わる。
僕の指導はシンプルなもの。
瑞穂くんはともかく、水野さんは驚いたようだ。
首を傾げながら、それでも結構歳下な僕に大人しく従ってくれた。
祖父も僕の指示に首を傾げている。
まぁ、僕もどうしたら良いのかわからないし。
ひとつだけ思いついたのは、水野さんを「虐める」ことだ。
普段から鍛え上げている警察官の集中力を途切れさせる「虐め」なんか、全身単純動作の連続しかなかった。
それに水野さんの素振りは綺麗だ。
いや、水野さんの容姿もお綺麗ですよ。
ピンと張った背筋。
どんなに動いても、常に顎を引き頭の高さが変わらない。
足運びも、同じ床板を踏み続けている。
体幹を安定させる程、鍛え上げているあたりは、さすがは現役の警察官だ。
瑞穂くんには、良い見本となるだろう。
「1個だけですけどね。」
「それしか無いのか?」
「昨日の今日で、今日の明日ですよ?僕はやっと瑞穂くんを弟子に取ろうと、……いや、弟子を抱えられるような人間じゃないし。」
「お前はお前をもう少し評価すべきだな。」
「対比になる人が、剣道範士とか剣道5段とか、化け物しかいませんからねぇ。」
「俺や後藤と対等以上に戦える18歳の方が、よっぽど化け物だろうがよ。」
「だから、自覚がないっての。」
………
「終わりましたよ。」
「それじゃ次に、祖父と乱取りして下さい。時間は10分間です。」
「え''。」
あらら、凄い顔してる。
そりゃそうだよな。僕も素振りした直後に爺ちゃんと立ち合いなんかしたくないもん。
それも10分も。
「俺、いや儂もか?」
「無理矢理、素人に公僕を指導しろ。それも1日で格上の剣士に勝てる様にしろって言い出したんだから、少しは協力して下さいよ。」
「まったく、年寄りを少しは労われよ。」
「孫に無理強いばかりさせるんだから、少しは協力して下さい。」
「まったくもう、まったくもう。」
「あ、手加減しないで下さいね。」
「え''」
さぁさぁ。
2人とも、早く防具を付けて下さい。
水野さんの息が整っちゃうでしょ。
………
相変わらずというか。
祖父は、とんでもなかった。
水野さんは動けなかった。
いや、動こうとしても、常に祖父が先回りする。
身体で動くわけではない。
剣先一つを右に左に振るだけで、水野さんの動きを止めるのだ。
そして水野さんの気が怖気付きそうになると、一気に踏み込み、わざと軽く面を打つ。ツキを突っつく。
そしてわざと隙を作る。
水野さんを、馬鹿にしているんだ。
水野さんは、それに勘付いて踏み込もうとするも、祖父に竹刀と攻め手・攻め気を跳ね返される。
その繰り返し。繰り返し。
時計はまだ6分を超えたあたりだったけど、水野さんは前のめりに頽れた。
「ワカンナイ、コワイ、ワカンナイ」
その姿を僕の隣で、手拭いで汗を拭き取っていた瑞穂くんは、いつまでも汗を拭き取り続けたいた。
素振りでかいた汗は、いつしか冷や汗に変わっているようだ。
「おい、水野!まだ時間が余ってるぞ。」
「む、無理です。勘弁してください。」
それだけ言うと、水野さんは仰向けになってしまった。
「おい、水野。ギブアップは構わんが、礼だけはしろ。」
「は、はい。」
必死によろよろと立ち上がって、なんとか水野さんは礼をした。
竹刀を杖にしなかった分、瑞穂くんよりはマシみたい。
そのまま、面を付けたまま座り込んじゃったけど。
………
「おい、これが対策になるのか?」
面を付けたまま、祖父が水野さんを竹刀て差した。
1番礼儀を教えないとならない範士が、1番失礼だった。
「次は僕と立ち合って下さい。時間は3分間です。」
「おい、俺にも休ませないのか?」
「大丈夫ですよ。」
僕も防具をつけて、潰れている水野さんの邪魔にならない位置で祖父に相対した。
………
「ハジメ!」
「おう!」
瑞穂くんを審判に、開始の合図をお願いする。
さすがの祖父も、水野さん相手に「本気」で立ち合っただけ、疲労があるのだろう。
珍しく気合いを入れて、蹲踞から立ち上がった。
僕は半歩引くと、静かに面の奥の祖父の目を見た。
睨むでなく。
半眼でもなく。
ただ、力を抜いて、祖父の目を見た。
「…?」
祖父の動きが止まった。
小刻みに揺れる剣先はピタリと止まったままだ。
僕は、視界から祖父を消した。
いや、別によそ見をした訳ではない。
目の前に立つ祖父の姿を透かせるイメージを目に命じただけだ。
積極的な意思は一切ない。
脳みそになんの命令も与えない。
やがて、祖父の竹刀も見えなくなった。
充分だ。
「小手ェェ!」
瞬時に飛び込むと、祖父の左小手を初めて打つことに成功した。
瑞穂くんの右手があがる。
★ ★ ★
「いやぁ負けた、負けた。」
剣道範士が楽しそうに、嬉しそうに僕の背中をぱんぱん叩く。
痛い。
「お前、何をした?」
「何にもしてませんよ。」
「いや、お前と試合をすると疲れるからしたくないんだよ。読み合いって疲れるから。でもなんだ?今のお前、まったく読めなかったぞ。」
「そりゃ、何にも考えませんでしたから。」
「無念無想かよ。お前に出来るのか。」
「出来ましたね。」
「まったく、お前が1番の化け物じゃねぇか。」
昨日の肉じゃが料理の時に僕がネットでレシピサイトを見せたら、自分でもなんとか作れるんじゃないかと、夕べからずっと考えていたそうな。
普通の人なら、なんとか出来ない方がおかしい。
という事は、お隣さんは……
いやいや、余計な事を考えるのはやめよう。
キッチンを15歳の少女に占領されてしまったので、僕は風呂を掃除しながら洗濯機を回していた。
洗濯物を庭に干して(瑞穂くんの下着に照れる事も、あっという間に無くなった)いると、穴熊が挨拶に来たので、あらかじめ用意していた竹輪をあげたり。
(キッチンにいる瑞穂くんは、穴熊の来襲に気が付いていない)
…なんでいきなり所帯染みてるの?
「シンコンサンダシ」
「なんか違う。」
因みに朝ご飯の献立は。
鮭のソテー(塩味)。
筍と鮭の土佐煮。
目玉焼き(電子レンジ使用)にレタスの胡麻ドレッシング添え。
味噌汁(あさげ)。
何故、味噌汁だけインスタント?
「タクサンアルカラ」
…まぁ、実家にいた頃から、僕の主菜(主汁?)でしたから。
あと、レンジで作った目玉焼きが、僕好みの「固め」だったのは良いね。
思わず褒めたら。
「ミズヲイレワスレタリ、ジカンヲマチガエタリ」
…失敗作だったようだ。
それでもまぁ、彼女の「初めてのご飯」は僕にはとても美味しいものでしたよ。
ええ、ええ。
あれ?僕って餌付けられ始めてる?
「マズハイブクロヲツカメト、オソワッタ」
「そんなけしからん事を、君に教えているのは誰だ?」
「マンガ」
「……あぁ。」
「アト、オトナリサン」
あの人、何他人事みたいに言ってんだよ。
あぁ、掴めなかったから婿が来ないのか。(←酷いことを)
★ ★ ★
「それで、策はあるのか?」
10時前に再びやって来た祖父と水野さん。さっさと道着に着替えさせると、素振りをさせている。
ついでに瑞穂くんも付き合わせてる。
その素振りは、回数500本。
まぁ、10分も有れば終わる。
僕の指導はシンプルなもの。
瑞穂くんはともかく、水野さんは驚いたようだ。
首を傾げながら、それでも結構歳下な僕に大人しく従ってくれた。
祖父も僕の指示に首を傾げている。
まぁ、僕もどうしたら良いのかわからないし。
ひとつだけ思いついたのは、水野さんを「虐める」ことだ。
普段から鍛え上げている警察官の集中力を途切れさせる「虐め」なんか、全身単純動作の連続しかなかった。
それに水野さんの素振りは綺麗だ。
いや、水野さんの容姿もお綺麗ですよ。
ピンと張った背筋。
どんなに動いても、常に顎を引き頭の高さが変わらない。
足運びも、同じ床板を踏み続けている。
体幹を安定させる程、鍛え上げているあたりは、さすがは現役の警察官だ。
瑞穂くんには、良い見本となるだろう。
「1個だけですけどね。」
「それしか無いのか?」
「昨日の今日で、今日の明日ですよ?僕はやっと瑞穂くんを弟子に取ろうと、……いや、弟子を抱えられるような人間じゃないし。」
「お前はお前をもう少し評価すべきだな。」
「対比になる人が、剣道範士とか剣道5段とか、化け物しかいませんからねぇ。」
「俺や後藤と対等以上に戦える18歳の方が、よっぽど化け物だろうがよ。」
「だから、自覚がないっての。」
………
「終わりましたよ。」
「それじゃ次に、祖父と乱取りして下さい。時間は10分間です。」
「え''。」
あらら、凄い顔してる。
そりゃそうだよな。僕も素振りした直後に爺ちゃんと立ち合いなんかしたくないもん。
それも10分も。
「俺、いや儂もか?」
「無理矢理、素人に公僕を指導しろ。それも1日で格上の剣士に勝てる様にしろって言い出したんだから、少しは協力して下さいよ。」
「まったく、年寄りを少しは労われよ。」
「孫に無理強いばかりさせるんだから、少しは協力して下さい。」
「まったくもう、まったくもう。」
「あ、手加減しないで下さいね。」
「え''」
さぁさぁ。
2人とも、早く防具を付けて下さい。
水野さんの息が整っちゃうでしょ。
………
相変わらずというか。
祖父は、とんでもなかった。
水野さんは動けなかった。
いや、動こうとしても、常に祖父が先回りする。
身体で動くわけではない。
剣先一つを右に左に振るだけで、水野さんの動きを止めるのだ。
そして水野さんの気が怖気付きそうになると、一気に踏み込み、わざと軽く面を打つ。ツキを突っつく。
そしてわざと隙を作る。
水野さんを、馬鹿にしているんだ。
水野さんは、それに勘付いて踏み込もうとするも、祖父に竹刀と攻め手・攻め気を跳ね返される。
その繰り返し。繰り返し。
時計はまだ6分を超えたあたりだったけど、水野さんは前のめりに頽れた。
「ワカンナイ、コワイ、ワカンナイ」
その姿を僕の隣で、手拭いで汗を拭き取っていた瑞穂くんは、いつまでも汗を拭き取り続けたいた。
素振りでかいた汗は、いつしか冷や汗に変わっているようだ。
「おい、水野!まだ時間が余ってるぞ。」
「む、無理です。勘弁してください。」
それだけ言うと、水野さんは仰向けになってしまった。
「おい、水野。ギブアップは構わんが、礼だけはしろ。」
「は、はい。」
必死によろよろと立ち上がって、なんとか水野さんは礼をした。
竹刀を杖にしなかった分、瑞穂くんよりはマシみたい。
そのまま、面を付けたまま座り込んじゃったけど。
………
「おい、これが対策になるのか?」
面を付けたまま、祖父が水野さんを竹刀て差した。
1番礼儀を教えないとならない範士が、1番失礼だった。
「次は僕と立ち合って下さい。時間は3分間です。」
「おい、俺にも休ませないのか?」
「大丈夫ですよ。」
僕も防具をつけて、潰れている水野さんの邪魔にならない位置で祖父に相対した。
………
「ハジメ!」
「おう!」
瑞穂くんを審判に、開始の合図をお願いする。
さすがの祖父も、水野さん相手に「本気」で立ち合っただけ、疲労があるのだろう。
珍しく気合いを入れて、蹲踞から立ち上がった。
僕は半歩引くと、静かに面の奥の祖父の目を見た。
睨むでなく。
半眼でもなく。
ただ、力を抜いて、祖父の目を見た。
「…?」
祖父の動きが止まった。
小刻みに揺れる剣先はピタリと止まったままだ。
僕は、視界から祖父を消した。
いや、別によそ見をした訳ではない。
目の前に立つ祖父の姿を透かせるイメージを目に命じただけだ。
積極的な意思は一切ない。
脳みそになんの命令も与えない。
やがて、祖父の竹刀も見えなくなった。
充分だ。
「小手ェェ!」
瞬時に飛び込むと、祖父の左小手を初めて打つことに成功した。
瑞穂くんの右手があがる。
★ ★ ★
「いやぁ負けた、負けた。」
剣道範士が楽しそうに、嬉しそうに僕の背中をぱんぱん叩く。
痛い。
「お前、何をした?」
「何にもしてませんよ。」
「いや、お前と試合をすると疲れるからしたくないんだよ。読み合いって疲れるから。でもなんだ?今のお前、まったく読めなかったぞ。」
「そりゃ、何にも考えませんでしたから。」
「無念無想かよ。お前に出来るのか。」
「出来ましたね。」
「まったく、お前が1番の化け物じゃねぇか。」
10
あなたにおすすめの小説
ご飯を食べて異世界に行こう
compo
ライト文芸
会社が潰れた…
僅かばかりの退職金を貰ったけど、独身寮を追い出される事になった僕は、貯金と失業手当を片手に新たな旅に出る事にしよう。
僕には生まれつき、物理的にあり得ない異能を身につけている。
異能を持って、旅する先は…。
「異世界」じゃないよ。
日本だよ。日本には変わりないよ。
『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』
月神世一
SF
【あらすじ】
「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」
坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。
かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。
背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。
目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。
鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。
しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。
部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。
(……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?)
現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。
すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。
精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。
これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる