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大多喜街道
立花宗茂
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「アンデルセン」さんから山を登って小一時間。
左右は新緑に包み込まれて、吹いてくる風の気持ちいい事。気持ちいい事。
お姉ちゃんは南さんと、ハムの料理についてあれこれ話してる。
そりゃあれだけ買ったハムセットだから、皆んなの家にそれぞれ送る手配をつけているし、我が家には2セット届いちゃう訳だからね。
あれ、一種の生ハムでしょ。
メロン乗せの他に、どんな食べ方があるんだろう。
私は社長の服の裾を掴んで、社長とあれこれ打ち合わせ。
道路は山が終われば谷に降りて、そろそろ田植えが終わった田んぼを横切っては次の山に登り。
それだけ山と谷が複雑に入り組んでいる訳だね。
そうこうしているうちに、本日の出発地点の「追分」に戻って来た。
ところが、そこに私達を待っていた人がいた。
なんか手を振って迎えてくれてる。
個人タクシーの運転手さんである。
なんで?
「いや、タクシーが拾えないのなら、あらかじめ呼んでおけば良いでしょ。個人タクシーならある程度拘束出来るし、料金も自在に調整出来る。」
「その手があったか!」
「しまったぁ!」
おい、そこの社会人2人!
少しは物事を考えなさいよ。
あたしもか。
………
タクシーはアンデルセンを通過して、国道409号にぶつかるところまで。
私達を降ろすと、そのまま市原方面に去ってしまう。
これでまた私達はアンデルセンまで歩いて行かないと。
さっきのフェイズよりは少し距離が長いけど山道が少ないので歩き易い。
「ここも山寺が見受けられますね。」
「ん?あぁ、この谷の他に並行して南北に走る谷には、寺社が殆ど見受けられないんだ。だからこの道が大多喜街道じゃないかなぁと。」
「確定してないの?」
「ゴルフ場だらけだろ。古文書なんかである程度は推測付いているけど、昭和からこっち、どれだけ古い道が潰されたのかわからないんだ。」
「ふぅん。」
まぁそれはそれで。
この道はさっきの追分から別れた道と違って車通りが殆どない。
晩春の長閑な里山を、大切な人達とのんびり歩く気持ちよさよ。
「南さんにも同じ靴をプレゼントしたんですね。」
私達の前をお姉ちゃんと並んで、ハムの人のウルトラマンについて語る南さんも、私達と同じリーボックを履いている事に気がついた。
「坂道には便利だったろ。少しマイナーなシューズだけど、来月から連載が始まるスニーカーのページに、僕が推薦したシューズが特集されると嬉しいかなぁって。まぁ、賄賂もいいとこなんだけど。」
「社長はそのページに関わるんですか?」
「嫌だよ、面倒くさい。」
せっかくの仕事のチャンスなのに、面倒くさいの一言で捨てるか、この野郎。
★ ★ ★
「ありがとうございましたぁ。」
アンデルセンさんの店員さんに見送られて、私達は車を出した。
時計は15時を少し回ったところ。
iPhoneの歩数計は15,000歩くらい。
1日のウォーキングには丁度良いくらいかな。
「じゃ、宿舎に向かいますね。」
「喉乾いたね。」
お姉ちゃんが途中の自販機で買ったミネラルウォーターを車内で全員に配っている。
私と社長は、それぞれのデジカメでこの数時間に撮り溜めた写真のチェックに忙しい。
「先生?今晩のホテルは期待していいですよ。1人1晩3万近くする高級旅館だから。しかも1部屋2人なので、理沙ちゃんとごゆっくりどうぞ。」
「南さん。ウチの妹はまだ学生なんですけど。まだ正式に婚約もしてないんですけど。」
「でも他の組み合わせはあり得ないでしょ。私と先生とか、葛城さんと先生とか。」
「ひょっとしてワザとですか?」
「今夜は呑むわよ。これだけ汗かいたんだから、温泉入ったら部屋呑みよ。」
運転席と助手席からはけしからん会話が聞こえてくるけど、私達はどうせ今夜は写真のサムネ作りと原稿書きで終わっちゃうし。
「あ、また本田忠勝だ。この辺の史跡にはよく出てきますね。」
「千葉に関係のある戦国武将では1番の大物だろうしね。本田忠勝が大多喜城に入った頃は、参勤交代は始まっていたかな?」
「調べれば調べるほど、この人凄いですね。姉川でも三方ヶ原でも大手柄上げてます。」
「家康に過ぎたるものとして本田平八の名前を武田信玄の武将があげているし、信長も秀吉もべた褒めだよ。秀吉は西の立花宗茂と並べている。」
「立花?誰です、それ。」
「大友宗麟って戦国武将を聞いたことはあるかな。」
「ええと、キリシタン大名ですよね。」
高校の歴史に出て来たね。
山川出版社のテキストでも出て来たかな?
「本来は仏教徒で武将としても為政者としても優秀だったんだけどね。キリシタンに改教してからおかしくなった。更には西からは龍造寺が、南からは島津が攻めてくるんで、引きこもりになった。」
「武将の引きこもりってなんですか?」
「宗教や文化にハマって自分の作った街に引きこもるってあるぞ。朝倉氏とか。」
「あ、そっか。なるほど。」
そろそろ社長の無駄知識が溢れ出して来た。
でもなんか、私的に興味がある話だから続けさせよう。
………
「耳川の戦いで主だった部下を失った宗麟の下には、まだ立花道雪・高橋紹運という稀代の名将が残っていた。島津の北上に対して宗麟は東の宿敵・毛利を攻める信長、そして秀吉に助けを求めた。
「立花道雪の奮戦で旧領の回復に成功するも、道雪が逝去した後は、高橋紹運しか居なくなった訳だ。その高橋紹運は島津相手に日本の歴史でも5本の指に入る様な籠城戦を戦った末、玉砕した。
「その見事な勇戦ぶりに勝者の島津忠長は、高橋紹運の首実験で号泣した。島津は敵に対して、それだけ尊敬の念を抱いていたんだな。
「高橋紹運の籠城により時間を稼げた秀吉の援軍が九州にやって来たので、島津は撤退、宗麟は死なずに済んだ。
「立花宗茂はその高橋紹運の息子で立花道雪の婿養子だ。
「文禄の役では、僅か2000人で無敵無双な戦いを明に対して見せて、関ヶ原では父親高橋紹運の恩義があるため、家康が必死で仲間に引き入れようとしたけど、西軍についた。
「その時は京極高次の守る城を落としている。その時も、義父・実父譲りの縦横無尽・正々堂々の戦いぶりに京極が感服して、城の明け渡しの際に宗茂と友情を結んでいる。
「敵も味方も宗茂を尊敬してしまうので、家康は敬意を表して、関ヶ原で敵対した武将のうち唯一旧領を回復した武将になった。
「浪人中は加藤清正、伊達政宗、前田利長らと友誼を結び、のちに家光の側役人になった。大阪の陣では家康自らが大阪方に付かない様に、必死で説得した。そんな人だよ。」
かっこいいじゃんか。
「道雪・紹運・宗茂の親子は、いずれも敵味方関係なく尊敬された男だったんだな。」
「その割にはマイナーですねぇ。」
「福岡県あたりの武将だからかね。中央の話じゃないから、地元民か戦国マニアしか知らないかも。」
「葛城さん、知ってた?」
「私の歴史知識は''戦国無双''か''信長の野望“ですよ。ゲームで選ばない人は知りません。」
「人のこと言えないけど、文学の世界で生きてくなら知ってた方がいいかも。あの、先生?その人小説になってますか。」
「有名どころだと、尾崎士郎・海音寺潮五郎・童門冬二。」
「うわぁ、重たい名前ばかりだなぁ。」
「あと、葉室麟。」
「なんですと⁈」
あ、葉室麟愛読者のお姉ちゃんが焦ってる。
「ええと、文芸誌の読み切りみたいな…。」
「文春文庫で発売中だし、Kindleにもなってるよ。」
「……買います。買わせていただきます。」
お姉ちゃん、読み終わったら、私にも見してね。
左右は新緑に包み込まれて、吹いてくる風の気持ちいい事。気持ちいい事。
お姉ちゃんは南さんと、ハムの料理についてあれこれ話してる。
そりゃあれだけ買ったハムセットだから、皆んなの家にそれぞれ送る手配をつけているし、我が家には2セット届いちゃう訳だからね。
あれ、一種の生ハムでしょ。
メロン乗せの他に、どんな食べ方があるんだろう。
私は社長の服の裾を掴んで、社長とあれこれ打ち合わせ。
道路は山が終われば谷に降りて、そろそろ田植えが終わった田んぼを横切っては次の山に登り。
それだけ山と谷が複雑に入り組んでいる訳だね。
そうこうしているうちに、本日の出発地点の「追分」に戻って来た。
ところが、そこに私達を待っていた人がいた。
なんか手を振って迎えてくれてる。
個人タクシーの運転手さんである。
なんで?
「いや、タクシーが拾えないのなら、あらかじめ呼んでおけば良いでしょ。個人タクシーならある程度拘束出来るし、料金も自在に調整出来る。」
「その手があったか!」
「しまったぁ!」
おい、そこの社会人2人!
少しは物事を考えなさいよ。
あたしもか。
………
タクシーはアンデルセンを通過して、国道409号にぶつかるところまで。
私達を降ろすと、そのまま市原方面に去ってしまう。
これでまた私達はアンデルセンまで歩いて行かないと。
さっきのフェイズよりは少し距離が長いけど山道が少ないので歩き易い。
「ここも山寺が見受けられますね。」
「ん?あぁ、この谷の他に並行して南北に走る谷には、寺社が殆ど見受けられないんだ。だからこの道が大多喜街道じゃないかなぁと。」
「確定してないの?」
「ゴルフ場だらけだろ。古文書なんかである程度は推測付いているけど、昭和からこっち、どれだけ古い道が潰されたのかわからないんだ。」
「ふぅん。」
まぁそれはそれで。
この道はさっきの追分から別れた道と違って車通りが殆どない。
晩春の長閑な里山を、大切な人達とのんびり歩く気持ちよさよ。
「南さんにも同じ靴をプレゼントしたんですね。」
私達の前をお姉ちゃんと並んで、ハムの人のウルトラマンについて語る南さんも、私達と同じリーボックを履いている事に気がついた。
「坂道には便利だったろ。少しマイナーなシューズだけど、来月から連載が始まるスニーカーのページに、僕が推薦したシューズが特集されると嬉しいかなぁって。まぁ、賄賂もいいとこなんだけど。」
「社長はそのページに関わるんですか?」
「嫌だよ、面倒くさい。」
せっかくの仕事のチャンスなのに、面倒くさいの一言で捨てるか、この野郎。
★ ★ ★
「ありがとうございましたぁ。」
アンデルセンさんの店員さんに見送られて、私達は車を出した。
時計は15時を少し回ったところ。
iPhoneの歩数計は15,000歩くらい。
1日のウォーキングには丁度良いくらいかな。
「じゃ、宿舎に向かいますね。」
「喉乾いたね。」
お姉ちゃんが途中の自販機で買ったミネラルウォーターを車内で全員に配っている。
私と社長は、それぞれのデジカメでこの数時間に撮り溜めた写真のチェックに忙しい。
「先生?今晩のホテルは期待していいですよ。1人1晩3万近くする高級旅館だから。しかも1部屋2人なので、理沙ちゃんとごゆっくりどうぞ。」
「南さん。ウチの妹はまだ学生なんですけど。まだ正式に婚約もしてないんですけど。」
「でも他の組み合わせはあり得ないでしょ。私と先生とか、葛城さんと先生とか。」
「ひょっとしてワザとですか?」
「今夜は呑むわよ。これだけ汗かいたんだから、温泉入ったら部屋呑みよ。」
運転席と助手席からはけしからん会話が聞こえてくるけど、私達はどうせ今夜は写真のサムネ作りと原稿書きで終わっちゃうし。
「あ、また本田忠勝だ。この辺の史跡にはよく出てきますね。」
「千葉に関係のある戦国武将では1番の大物だろうしね。本田忠勝が大多喜城に入った頃は、参勤交代は始まっていたかな?」
「調べれば調べるほど、この人凄いですね。姉川でも三方ヶ原でも大手柄上げてます。」
「家康に過ぎたるものとして本田平八の名前を武田信玄の武将があげているし、信長も秀吉もべた褒めだよ。秀吉は西の立花宗茂と並べている。」
「立花?誰です、それ。」
「大友宗麟って戦国武将を聞いたことはあるかな。」
「ええと、キリシタン大名ですよね。」
高校の歴史に出て来たね。
山川出版社のテキストでも出て来たかな?
「本来は仏教徒で武将としても為政者としても優秀だったんだけどね。キリシタンに改教してからおかしくなった。更には西からは龍造寺が、南からは島津が攻めてくるんで、引きこもりになった。」
「武将の引きこもりってなんですか?」
「宗教や文化にハマって自分の作った街に引きこもるってあるぞ。朝倉氏とか。」
「あ、そっか。なるほど。」
そろそろ社長の無駄知識が溢れ出して来た。
でもなんか、私的に興味がある話だから続けさせよう。
………
「耳川の戦いで主だった部下を失った宗麟の下には、まだ立花道雪・高橋紹運という稀代の名将が残っていた。島津の北上に対して宗麟は東の宿敵・毛利を攻める信長、そして秀吉に助けを求めた。
「立花道雪の奮戦で旧領の回復に成功するも、道雪が逝去した後は、高橋紹運しか居なくなった訳だ。その高橋紹運は島津相手に日本の歴史でも5本の指に入る様な籠城戦を戦った末、玉砕した。
「その見事な勇戦ぶりに勝者の島津忠長は、高橋紹運の首実験で号泣した。島津は敵に対して、それだけ尊敬の念を抱いていたんだな。
「高橋紹運の籠城により時間を稼げた秀吉の援軍が九州にやって来たので、島津は撤退、宗麟は死なずに済んだ。
「立花宗茂はその高橋紹運の息子で立花道雪の婿養子だ。
「文禄の役では、僅か2000人で無敵無双な戦いを明に対して見せて、関ヶ原では父親高橋紹運の恩義があるため、家康が必死で仲間に引き入れようとしたけど、西軍についた。
「その時は京極高次の守る城を落としている。その時も、義父・実父譲りの縦横無尽・正々堂々の戦いぶりに京極が感服して、城の明け渡しの際に宗茂と友情を結んでいる。
「敵も味方も宗茂を尊敬してしまうので、家康は敬意を表して、関ヶ原で敵対した武将のうち唯一旧領を回復した武将になった。
「浪人中は加藤清正、伊達政宗、前田利長らと友誼を結び、のちに家光の側役人になった。大阪の陣では家康自らが大阪方に付かない様に、必死で説得した。そんな人だよ。」
かっこいいじゃんか。
「道雪・紹運・宗茂の親子は、いずれも敵味方関係なく尊敬された男だったんだな。」
「その割にはマイナーですねぇ。」
「福岡県あたりの武将だからかね。中央の話じゃないから、地元民か戦国マニアしか知らないかも。」
「葛城さん、知ってた?」
「私の歴史知識は''戦国無双''か''信長の野望“ですよ。ゲームで選ばない人は知りません。」
「人のこと言えないけど、文学の世界で生きてくなら知ってた方がいいかも。あの、先生?その人小説になってますか。」
「有名どころだと、尾崎士郎・海音寺潮五郎・童門冬二。」
「うわぁ、重たい名前ばかりだなぁ。」
「あと、葉室麟。」
「なんですと⁈」
あ、葉室麟愛読者のお姉ちゃんが焦ってる。
「ええと、文芸誌の読み切りみたいな…。」
「文春文庫で発売中だし、Kindleにもなってるよ。」
「……買います。買わせていただきます。」
お姉ちゃん、読み終わったら、私にも見してね。
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