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第一章 開店
初夜(笑)だけど、どうしよう
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「ただいまぁ~。あ~やっぱりお家が一番ねぇ。」
僕が鍵を開けるより“早く“、玉は僕が抱えた荷物まで奪いとって、扉を擦り抜け部屋の中に入って行った。
「空間を無視するんじゃありません。」
誰かに見られなかったよね?例えばお隣さんの黒いお姉さんとか。
キョロキョロ周囲を伺って、誰もいない事を確認して鍵を回す。
玉は既にジャージに着替えていて、今まで来ていたジーンズとシャツを畳んでいるところだった。
「お洗濯してからお返ししますね。」
因みに我が家の洗濯機(2層式)は安アパートのくせに室内に洗濯機置き場があるので、外に置いていて他人が勝手に使っている安アパートあるあるが起こらない仕組み。
なので、越して来たばかりの独身者がJC或いはJKを引き込んだ図にしか見えない我が家の状態が、少しはバレ難いかなぁ。
「で、なんで玉はまたそのジャージ着てんの?部屋着も買ったでしょ。」
「この服は殿から初めて下賜された大切なお召し物ですから。この服が擦り切れるまで着倒す所存です。」
「玉?その丁寧なんだか、投げやりなんだかの言い方は何?」
「あ、でもおっぱいが垂れない様にぶらじゃあはもう着けてます。そのかわりぱんつは折角の殿のぱんつですから。殿ぱんのままです。」
「ずり上げたりずり下げたりして、わざわざ見せないでいいです。お臍が見えてます。」
あと殿ぱんって変な名前付けないで。
「えぇぇ。見て下さいよぉ。ご奉仕出来ないのですから、せめてぴちぴちの若々しい肢体をいっぱい見て下さい。」
「そう言うのを、蛇の生殺しと言います。」
「なんなら、目の前の私で御手淫をされてもいいですよ。」
「神社仏閣に参拝に行って、御朱印帳を頂いてくるみたいな軽い感じで、女の子が下品な事を言うんじゃありません。」
「何を仰います。殿!」
「はい?」
「女の子にも性欲はあります。」
知ってます。僕の女性遍歴は、大体相手の「欲」に振り回されてきましたから。
「だから、殿が始めたら、私も一緒に始めます。お互い交われないけど、これならアイタ!」
なるほどねぇ。
直接は触れなくても、何か物を介せばツッコミくらいは出来るんだ。
因みに今は、そこら辺に転がっていたクッションを投げて見たら、下ネタが止まらなくなった玉の鼻に綺麗にぶつかった。
「くだらない事行ってないて、せっかく買って来た物を片付けなさい。このクローゼットの左半分と、引き出しの下段は玉のスペースにするから。」
「巫女服しか持ってなかった私に言える事じゃありませんけど、殿って着替え少な過ぎませんか?」
「別に見せる相手も居ないのに、無駄に着飾る必要も無いでしょ。」
「私が居ますよ。」
「玉はもう家族でしょ。玉を口説く必要がある訳でなし、僕と僕の回りが不快感を覚えなければ、それで良いんです。」
「だから、単色で地味なお召し物ばかりなんですね。」
「歳も歳だから、そろそろチャラチャラした格好が痛々しくなる時期なんです。」
「そんなオジサンみたいな卑下をしなくとも良いのに。」
「オジサンの入口に差し掛かっているのは、客観的事実だからね。」
「あと、私ならいくらでも口説いていいですよ。」
「玉を口説いて、何か良い事ありますか?」
「えーとえーとえーと。脱ぎます?」
「口説かなくても、さっき勝手に脱いでたでしょ。」
「しまったぁ。巫女ヌードという希少性がどんどん薄れていく。どうしたらいいのかしら。」
「とりあえず、買って来た服を片付ける事を提案します。」
「初めての共同作業ですね。」
「僕が君のを下着に触るわけにもいかないでしょう。1人でしなさい。」
「しくしく。殿が冷たいよう。」
★ ★ ★
しくしく言いながら(泣きながらでは無い)自分の衣装を、それでも生真面目にタグを鋏できちんと切り取って糸は燃えるゴミ、プラ紐は燃えないゴミにせっせと選別している。
僕は、2DKの残り1室、昨日はソファで寝落ちしたけど本来寝室にする予定の四畳半を眺めた。
組立式のパイプベッドを国道沿いのお値段以上をキャッチフレーズにしている家具屋で買ったままの箱が鎮座ましているからね。
でもこれ、シングルなんだよなぁ。当たり前だけど。
布団も一組しかない。独身男性の部屋なんか、大体そんなもんでしょう。
彼女が泊まりに来た時は、一緒のベッドで寝ればいいし、男友達だったらエアコンで温度調整させた部屋で、せいぜいブランケットを渡して雑魚寝させてたし。
けど。玉をどうしよう。
彼女は観念上1,000歳くらい歳上だけど、見た目肉体的には10代前半の少女(彼女的に設定している年齢は行き遅れを否定してない年齢だったね)と、同衾というのは、コンプライアンス的にどうなんだろう。
誰かが突然訪ねてくる、というのも前の会社をさりげなくフェードアウトして現住所は妹しか知らない現状、考え辛いけど。
その妹だって、九州でご家庭の主婦としてお母さんとして多忙な毎日を送っているわけで。
(時々メールで愚痴を溢されるくらいは仲良いけど)
かと言って、彼女だけをベッドに寝かせると絶対に嫌がるだろう。
たかだか半日の付き合いだけど、彼女は僕を殿という様に、絶対に僕を立てる言動をする。
彼女が平安時代の人間と考えれば、それが当たり前の常識であり、例え思いやりからくる物あっても僕に普通に接せられると、彼女的には落ち着かないのだろう。
僕が殿扱いされて戸惑っている事の裏返しだ。
同じ様に、玉をそこら辺でごろ寝させたりしたら僕が落ち着かない。
「主従の愛のまぐわいが出来ないのなら、同衾する意味もあまり無いと思います。」
衣類の整理を終えて、ベッドを組み立てている僕のところに来た玉の第一声はそれだった。
「逆に、同衾しても倫理上問題もありません。」
「いや、やはり外聞が良くないし。」
「殿は私と同衾している事を、世間一般に言いふらすおつもりですか。」
「恐ろしい事を言いなさんな。この部屋を借りた時の約款には一人暮らし専用と謳ってなかったし、そもそも2DKの間取りは同居人の存在を認めているんだろうけど。家出娘を保護するだけで、下心のあるなしに関わらず逮捕されちゃう世の中だ。…まぁ下心ない奴なんか居ないんだろうけど。玉は世間的には姪っ子という事にするつもりだし。」
「つまり、姪っ子と一緒に寝ているおじさんという訳ですねー。」
「知らないちびっ子と暮らしてる設定よりはマシだろう。」
いきなり姪が増えた妹がもし仮にいきなり攻めて来たらどうしよう。
…………。
ニタニタ笑いながら「やるねぇアニキ」って、普段兄さん呼びなのにわざと下卑た事行って、「黙っててあげるから、ご飯一食!」とか言われる未来が容易に見える。時間旅行能力なんか必要ないな。
「だから一緒に休みましょう。どうせ触れないのだから、寝相が悪くても狭い寝台から落ちる事もありませんし。」
バレないから良し。バレようが無いから良し。
という考えらしい。…まぁ、玉が良いなら良いか。
玉はベッド組立で出たダンボールやスチロール、紙やビニール屑を、市から送られてきた分別早見表を元に仕分けて、ビニール紐で器用に結んでくれた。
「燃えるゴミは明日。燃えないゴミは明後日。ダンボールは資源ゴミなので来週月曜日に出します。それまで玄関に置いときますね。」
…僕をなんかより、よっぽど地元自治体に溶け込んでいる玉だった。
後日談、というか後数分談。
安物のベッドだと腰を痛めるので、買い足して置いたスプリングマットレスを敷いたら。
案の定、お子様巫女様がはしゃいでマットレスの上で跳ね飛び出したので、布団セットを丸ごとぶつけて布団蒸の刑に処しました。
「殿の愛が重いの、ぐえ。」
要らん媚びを言い出したので、具体的に乗っかってみる刑執行。なるほど、布団を介せば僕の体重も干渉可能なのか。
「具体的な成人男性の重みは重いです。」
また変なこと言い出した。
「なるほど。これが正常位の重みなのね。」
…誰かこの思春期巫女さんに物申してくれないかな?
「というか、私の時代の性道徳なんか、こんなもんなの。殿の時代の倫理観で測らないで!」
それはそうだけど。
僕らは今、令和の時代に生きているので!
★ ★ ★
いつまで玉がここに居るのか。
居られるのか。
玉は帰れるのか。
いや、玉は何処に帰るのか。
そもそも、ずっと聖域に「閉じ込められて」いた玉にとって、帰るという行為は何なのだろうか。
寝室に残った細かいスチロール粕などを箒で掃き出そうとしていた玉を呼び止め、電気掃除機の使い方を教えてあげると興味津々鼻歌混じりで掃除を始めた。
家事をする事が何よりも楽しそうな、えんじ色のジャージ巫女を見ながら、何とは無しに考えた。
僕の同居人として、あっという間に馴染んで際どい冗談を飛ばすこの娘が、その屈托の無い笑顔の裏で泣き叫んでいる事を僕は知っている。
寂しいよ。帰りたいよ。お母さんに会いたいよ。と。
どんな形であれ、彼女を彼女が望む場所に帰す事。
それが「浅葱の力」を持つ僕がやらなければならない事を僕は知っている。
けどまぁ。今晩くらいは何も考えず何にも迷わず、玉の歓迎会をしようと思う。
いつまで一緒に暮らすのか。
いつまで一緒に寝るのか(笑)
たまには刹那的に生きるのも良いじゃないか。
玉だけに。
「殿。今の玉ギャグは30点。」
「人の考え事に点数を付けるんじゃありません。どちらかと言うと、交通事故みたいな駄洒落なんだから。」
僕が鍵を開けるより“早く“、玉は僕が抱えた荷物まで奪いとって、扉を擦り抜け部屋の中に入って行った。
「空間を無視するんじゃありません。」
誰かに見られなかったよね?例えばお隣さんの黒いお姉さんとか。
キョロキョロ周囲を伺って、誰もいない事を確認して鍵を回す。
玉は既にジャージに着替えていて、今まで来ていたジーンズとシャツを畳んでいるところだった。
「お洗濯してからお返ししますね。」
因みに我が家の洗濯機(2層式)は安アパートのくせに室内に洗濯機置き場があるので、外に置いていて他人が勝手に使っている安アパートあるあるが起こらない仕組み。
なので、越して来たばかりの独身者がJC或いはJKを引き込んだ図にしか見えない我が家の状態が、少しはバレ難いかなぁ。
「で、なんで玉はまたそのジャージ着てんの?部屋着も買ったでしょ。」
「この服は殿から初めて下賜された大切なお召し物ですから。この服が擦り切れるまで着倒す所存です。」
「玉?その丁寧なんだか、投げやりなんだかの言い方は何?」
「あ、でもおっぱいが垂れない様にぶらじゃあはもう着けてます。そのかわりぱんつは折角の殿のぱんつですから。殿ぱんのままです。」
「ずり上げたりずり下げたりして、わざわざ見せないでいいです。お臍が見えてます。」
あと殿ぱんって変な名前付けないで。
「えぇぇ。見て下さいよぉ。ご奉仕出来ないのですから、せめてぴちぴちの若々しい肢体をいっぱい見て下さい。」
「そう言うのを、蛇の生殺しと言います。」
「なんなら、目の前の私で御手淫をされてもいいですよ。」
「神社仏閣に参拝に行って、御朱印帳を頂いてくるみたいな軽い感じで、女の子が下品な事を言うんじゃありません。」
「何を仰います。殿!」
「はい?」
「女の子にも性欲はあります。」
知ってます。僕の女性遍歴は、大体相手の「欲」に振り回されてきましたから。
「だから、殿が始めたら、私も一緒に始めます。お互い交われないけど、これならアイタ!」
なるほどねぇ。
直接は触れなくても、何か物を介せばツッコミくらいは出来るんだ。
因みに今は、そこら辺に転がっていたクッションを投げて見たら、下ネタが止まらなくなった玉の鼻に綺麗にぶつかった。
「くだらない事行ってないて、せっかく買って来た物を片付けなさい。このクローゼットの左半分と、引き出しの下段は玉のスペースにするから。」
「巫女服しか持ってなかった私に言える事じゃありませんけど、殿って着替え少な過ぎませんか?」
「別に見せる相手も居ないのに、無駄に着飾る必要も無いでしょ。」
「私が居ますよ。」
「玉はもう家族でしょ。玉を口説く必要がある訳でなし、僕と僕の回りが不快感を覚えなければ、それで良いんです。」
「だから、単色で地味なお召し物ばかりなんですね。」
「歳も歳だから、そろそろチャラチャラした格好が痛々しくなる時期なんです。」
「そんなオジサンみたいな卑下をしなくとも良いのに。」
「オジサンの入口に差し掛かっているのは、客観的事実だからね。」
「あと、私ならいくらでも口説いていいですよ。」
「玉を口説いて、何か良い事ありますか?」
「えーとえーとえーと。脱ぎます?」
「口説かなくても、さっき勝手に脱いでたでしょ。」
「しまったぁ。巫女ヌードという希少性がどんどん薄れていく。どうしたらいいのかしら。」
「とりあえず、買って来た服を片付ける事を提案します。」
「初めての共同作業ですね。」
「僕が君のを下着に触るわけにもいかないでしょう。1人でしなさい。」
「しくしく。殿が冷たいよう。」
★ ★ ★
しくしく言いながら(泣きながらでは無い)自分の衣装を、それでも生真面目にタグを鋏できちんと切り取って糸は燃えるゴミ、プラ紐は燃えないゴミにせっせと選別している。
僕は、2DKの残り1室、昨日はソファで寝落ちしたけど本来寝室にする予定の四畳半を眺めた。
組立式のパイプベッドを国道沿いのお値段以上をキャッチフレーズにしている家具屋で買ったままの箱が鎮座ましているからね。
でもこれ、シングルなんだよなぁ。当たり前だけど。
布団も一組しかない。独身男性の部屋なんか、大体そんなもんでしょう。
彼女が泊まりに来た時は、一緒のベッドで寝ればいいし、男友達だったらエアコンで温度調整させた部屋で、せいぜいブランケットを渡して雑魚寝させてたし。
けど。玉をどうしよう。
彼女は観念上1,000歳くらい歳上だけど、見た目肉体的には10代前半の少女(彼女的に設定している年齢は行き遅れを否定してない年齢だったね)と、同衾というのは、コンプライアンス的にどうなんだろう。
誰かが突然訪ねてくる、というのも前の会社をさりげなくフェードアウトして現住所は妹しか知らない現状、考え辛いけど。
その妹だって、九州でご家庭の主婦としてお母さんとして多忙な毎日を送っているわけで。
(時々メールで愚痴を溢されるくらいは仲良いけど)
かと言って、彼女だけをベッドに寝かせると絶対に嫌がるだろう。
たかだか半日の付き合いだけど、彼女は僕を殿という様に、絶対に僕を立てる言動をする。
彼女が平安時代の人間と考えれば、それが当たり前の常識であり、例え思いやりからくる物あっても僕に普通に接せられると、彼女的には落ち着かないのだろう。
僕が殿扱いされて戸惑っている事の裏返しだ。
同じ様に、玉をそこら辺でごろ寝させたりしたら僕が落ち着かない。
「主従の愛のまぐわいが出来ないのなら、同衾する意味もあまり無いと思います。」
衣類の整理を終えて、ベッドを組み立てている僕のところに来た玉の第一声はそれだった。
「逆に、同衾しても倫理上問題もありません。」
「いや、やはり外聞が良くないし。」
「殿は私と同衾している事を、世間一般に言いふらすおつもりですか。」
「恐ろしい事を言いなさんな。この部屋を借りた時の約款には一人暮らし専用と謳ってなかったし、そもそも2DKの間取りは同居人の存在を認めているんだろうけど。家出娘を保護するだけで、下心のあるなしに関わらず逮捕されちゃう世の中だ。…まぁ下心ない奴なんか居ないんだろうけど。玉は世間的には姪っ子という事にするつもりだし。」
「つまり、姪っ子と一緒に寝ているおじさんという訳ですねー。」
「知らないちびっ子と暮らしてる設定よりはマシだろう。」
いきなり姪が増えた妹がもし仮にいきなり攻めて来たらどうしよう。
…………。
ニタニタ笑いながら「やるねぇアニキ」って、普段兄さん呼びなのにわざと下卑た事行って、「黙っててあげるから、ご飯一食!」とか言われる未来が容易に見える。時間旅行能力なんか必要ないな。
「だから一緒に休みましょう。どうせ触れないのだから、寝相が悪くても狭い寝台から落ちる事もありませんし。」
バレないから良し。バレようが無いから良し。
という考えらしい。…まぁ、玉が良いなら良いか。
玉はベッド組立で出たダンボールやスチロール、紙やビニール屑を、市から送られてきた分別早見表を元に仕分けて、ビニール紐で器用に結んでくれた。
「燃えるゴミは明日。燃えないゴミは明後日。ダンボールは資源ゴミなので来週月曜日に出します。それまで玄関に置いときますね。」
…僕をなんかより、よっぽど地元自治体に溶け込んでいる玉だった。
後日談、というか後数分談。
安物のベッドだと腰を痛めるので、買い足して置いたスプリングマットレスを敷いたら。
案の定、お子様巫女様がはしゃいでマットレスの上で跳ね飛び出したので、布団セットを丸ごとぶつけて布団蒸の刑に処しました。
「殿の愛が重いの、ぐえ。」
要らん媚びを言い出したので、具体的に乗っかってみる刑執行。なるほど、布団を介せば僕の体重も干渉可能なのか。
「具体的な成人男性の重みは重いです。」
また変なこと言い出した。
「なるほど。これが正常位の重みなのね。」
…誰かこの思春期巫女さんに物申してくれないかな?
「というか、私の時代の性道徳なんか、こんなもんなの。殿の時代の倫理観で測らないで!」
それはそうだけど。
僕らは今、令和の時代に生きているので!
★ ★ ★
いつまで玉がここに居るのか。
居られるのか。
玉は帰れるのか。
いや、玉は何処に帰るのか。
そもそも、ずっと聖域に「閉じ込められて」いた玉にとって、帰るという行為は何なのだろうか。
寝室に残った細かいスチロール粕などを箒で掃き出そうとしていた玉を呼び止め、電気掃除機の使い方を教えてあげると興味津々鼻歌混じりで掃除を始めた。
家事をする事が何よりも楽しそうな、えんじ色のジャージ巫女を見ながら、何とは無しに考えた。
僕の同居人として、あっという間に馴染んで際どい冗談を飛ばすこの娘が、その屈托の無い笑顔の裏で泣き叫んでいる事を僕は知っている。
寂しいよ。帰りたいよ。お母さんに会いたいよ。と。
どんな形であれ、彼女を彼女が望む場所に帰す事。
それが「浅葱の力」を持つ僕がやらなければならない事を僕は知っている。
けどまぁ。今晩くらいは何も考えず何にも迷わず、玉の歓迎会をしようと思う。
いつまで一緒に暮らすのか。
いつまで一緒に寝るのか(笑)
たまには刹那的に生きるのも良いじゃないか。
玉だけに。
「殿。今の玉ギャグは30点。」
「人の考え事に点数を付けるんじゃありません。どちらかと言うと、交通事故みたいな駄洒落なんだから。」
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